現在、世の中はコロナウイルス感染やワクチン接種、また東京五輪の開催是非を巡ってマスコミは大騒ぎであるが、片や任期が9月に終了する自民党の総裁を巡って自民党内は大騒ぎのようである。
菅義偉首相自身は続投を希望しているようだが世論調査では不人気だ。時事通信が5月7~10日に実施した世論調査で、菅内閣の支持率は32.2%となり政権発足後最低で、不支持率は最も高かったそうだ。コロナ対策の遅れ、東京五輪開催に対する優柔不断等が不人気の原因と思われるが、ワクチン接種の普及や五輪開催でどの位取り戻せるであろうか。
さて、菅首相は今月2日、首相官邸で公明党の山口代表と会談し、16日に会期末を迎える通常国会の会期を延長しない方針を確認し、10月に議員の任期満了を迎える衆院の解散・総選挙は、東京五輪・パラリンピック後の秋に行う計画を伝えたようだ。
このところ自民党内は河井夫婦の辞任問題等の不祥事が相次ぎ、総選挙では大敗するだろうが、どこまで減らしたら責任問題となるか不明だ。小幅な減少であれば自民党の勝利として菅首相の続投の可能性は大きくなるだろう。
ところで、昨年8月当時の安倍首相が首相辞任を表明してからポスト安倍が誰になるかマスコミは大騒ぎであった。それまでマスコミはポスト安倍の有力候補として石破氏、岸田氏の他、菅官房長官が担ぐ河野防衛相や小泉環境相、安倍首相が引き立てようとしている茂木外相や加藤厚労相等の名前を挙げており、菅氏の名前は表向きなかった。
総裁候補として菅氏の名前を最初に挙げたのは二階幹事長であり、追うようにして麻生財務相等が支持を表明した。この結果、菅首相が誕生し菅内閣の主要ポストに二階氏や麻生氏が座を占めることになったのだ。
現在、菅氏の国民的人気は低く、自民党内にも菅首相のやり方に不満を持つ人たちは沢山いる。しかし菅氏をおろして岸田、河野、小泉、あるいは石破の各氏に替えようという動きはほぼ皆無だそうだ。 そこで、菅氏の続投を前提に主要ポストの争いが激化しているようだ。
その一つの動きとして、安倍前首相と麻生副総理兼財務相、甘利税調会長が議員連盟を新たに発足させたことがある。この議連は日本の半導体産業の再興が名目であるが、設立総会には各派の会長クラスが一堂に会したが二階派幹部の姿はなかったそうだ。この動きは党総裁選や閣僚・党役員人事に向けて結束をアピールし、菅首相の後ろ盾として存在感を増す二階幹事長をけん制するのが本当の狙いだそうだ。
これに対し二階幹事長が先月24日、これまで否定してきた広島買収1.5億円資金問題について当時の安倍首相と自らの責任を認めたのだ。これで、前述の議員連盟の安倍擁立の動きが封じ込められたそうだ。
菅首相の不人気、安倍前首相の再出馬無し等で、岸田文雄前政調会長の名前が出てきてよさそうであるが、マスコミには一向に上がってこない。岸田氏は以前安倍前首相から禅譲を期待していたような甘さはあるが、今回1.5億円の詳細を二階幹事長に説明を求め、自ら攻勢に出たたようであるが、菅氏の流れを阻止できるであろうか。2021.06.05(犬賀 大好ー708)
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