日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

気候のゆらぎに地球温暖化が重なると

2023年04月01日 15時17分52秒 | 日々雑感
 近年日本の海で海洋生物の異変が良く報道される。今年03月はじめ、山口県長門市の漁港で、迷いクジラが発見されたそうだ。迷いクジラと言えば今年1月にも大阪湾淀川河口近くに全長15メートルのクジラが現れ話題になった。
また、1月12日には富山市の漁港で、世界最大級のダイオウイカとみられる赤いイカの泳ぐ姿が確認され、更にボラの大群が名古同月屋市北区を流れる黒川で5日に目撃され、秋田、山形、新潟の3県ではホシフグが大量に打ち上げられた。北海道の海岸では数キロにわたってイワシの死骸が大量に漂着したと、各地で異変が報告されている。

 海洋生物の異変は地球温暖化の影響と報道される。大気中に排出された二酸化炭素などの働きで、地球の気温が上昇する現象は気候や海水温等に影響を与えはじめ、日本近海では海面温度が0.7~1.6℃上昇し、今年7月の海水温と過去30年の7月の平均値を比較すると、2~4℃高い海域が増えていて、こうした傾向はここ5年ほど続いているそうだ。

 魚は、その種に適した水温の海域に集まるため、水温の変化は魚の分布に大きな影響を与え、サンマの不漁はマスコミで良く報道されている。また、サンマに限らず10年ほど前と比べてみると、函館のスルメイカは10分の1、岩手県のサケは46分の1にまで減っているそうだ。逆に温暖な海を好むサワラは、九州と瀬戸内海で取れる魚と思っていたが、最近日本海北側、太平洋北側でも漁獲量が増えているようだ。

 海水温の変化は炭酸ガスによる地球温暖化ばかりでなく「レジームシフト」と呼ばれる海洋の環境変化にも影響されるらしい。レジームシフトとは、聞き慣れない言葉であるが、気候が30~50年の周期で変化することで、一種の気候のゆらぎであろう。

 日本近海でいえば、寒流である親潮の強い時期と、暖流である黒潮の強い時期が交互に現れ、親潮が強いときには冷水を好むイワシなどが、黒潮が強いときには暖水を好むカタクチイワシ、ゴマサバの漁獲量が多くなるそうだ。

 また、海洋の環境変化は、大気の状態とも密接な関係があり、太平洋の赤道付近の中央部からペルー沿岸にかけての広い海域で、海面温度が上昇する「エルニーニョ現象」や逆の「ラニーニャ現象」が起きるのは、太平洋の赤道付近で吹いている貿易風という東風が影響していると言われている。これらの現象は、地球温暖化とは別の現象とも言われているが、どちらの影響が大きいか等、詳しくはまだ分かっていない。

 地球温暖化の防止は炭酸ガスの排出規制等で議論されているが、レジームシフトに関しては原因が分からず、従って対策どころではない。地球温暖化は着実に進行し、レジームシフトはある周期でやってくる。両者が打ち消しあえばよいが、強め合えば海洋生物の異変に止まらず人類にとっても大変なことになるだろう。2023.04.01(犬賀 大好ー902)


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