北朝鮮は、8月29日と9月15日には日本を飛び越えるミサイル実験、9月 3日には核実験を行った。この核実験は水爆実験と思われ、ついにレッドラインを超えたと懸念されたが、米軍は軍事行動を起こさなかった。
米軍の考えるレッドラインは核実験か、大陸間弾道弾(ICBM)の発射実験のどちらかであると思っていたが、どちらでもなかった。それでは北朝鮮が米国かその同盟国のいづれかへ攻撃を仕掛けた場合がレッドラインとなろうか。
金正恩委員長もレッドラインは何処にあるかを探るため、各種実験を小出しにして米国の反応を見ているのではないかと識者は解説する。恐らくトランプ大統領の考えるレッドラインも確定されたものではなく、各国の反応を見ながら日々変化しているのであろう。軍事行動を起こすためには各国の協力が必要であり、米国単独ではイラクの二の舞になるからである。
金正恩の暴走に対して国連の安全保障理事会は緊急会議を開き、先日11日に制裁を決めた。米国原案の制裁案には原油輸出全面禁止等の厳しい項目があったが、全面禁止に関しては中国とロシアの反対で現状維持と軟化した。素人目にはこれまでと何ら変わらず、何のための安保理かとがっかりしたが、どうもそうでもないらしい。
北朝鮮からの繊維製品輸出の禁止、国外への新たな労働者派遣の禁止が加わり、外貨収入源のほとんどが断たれ、これから絶大な効果を発揮する、との評価もある。またそれにも増して、異例の速さで、全会一致で制裁を決めたことに価値があるのだそうだ。特に中国の意思決定は通常時間がかかるが、今回は異例の早さだったそうで、中国の本気度が分かったとのことである。
しかし、この制裁の直後15日に、北朝鮮は2回目の日本を飛び越えるミサイル発射実験を行った。安保理制裁に抗議する発射実験であるとの解説もあるが、制裁のある無しに拘わらず当初からの予定行動だと感ずる。なにしろ金正恩は核・ミサイル技術の確立し、核保有国としての国際的認知を急いでいるのだ。
さて、15日の2回目の発射実験を受けて、安保理は「強く非難する」との報道声明を発表したが、それは負け犬の遠吠えの感もする。北朝鮮の戦略は一貫しており、例え米国の主張する原油全面輸出禁止をするにしても、中国の心配する北朝鮮崩壊へとつながらないのではなかろうか。
日本でも、随分前から拉致問題関係で北朝鮮に数々の制裁を科している。政府は問題が起こるたびに新たな制裁を加えると表明しているが、まだ制裁の余地が残っていたかといつも感ずる。しかし、日本の制裁は形式的であり、国内法の整備が不十分で実効性のある制裁措置が取れないのだそうだ。
同様に、中国中央政府が例え全面禁止と宣言しても、中国の税関は実務に不慣れ、制裁に穴だらけとのことだ。また、北朝鮮と北で接する中国地区には朝鮮族が多く住み、違法な取引が日常的に行われているとのことである。
我々は、中国では共産党独裁体制で中央政府の威光が隅々まで行き渡っていると感ずるが、逆に行き渡っていないからこそ共産党独裁に固執しているということかも知れない。兎も角、中国13億の民はまとまっているようであり、まとまっていないのが現実だ。
米国では、軍事的圧力の行き詰まりから、核保有を容認せざるを得ないとの意見も出始めているようだ。しかし北朝鮮の核保有国認知は、韓国への米軍の核兵器配置へと進み、更に韓国、日本の核保有とつながる恐れがあり大問題だが、解決の糸口は見いだせない。
安倍首相は、28日召集予定の臨時国会の冒頭にも衆院を解散する意向を固めたとの報道があった。北朝鮮情勢などを踏まえて、現在の安全保障体制の是非を選挙の焦点にする予定とのことであるが、憲法改正の必要性を前面に出すのであろうか。
最大野党の民進党は、大量離党の大混乱に加えて、憲法改正まで含めた安全保障体制の党内統一まで出来る筈はなく、右往左往していることだろう。もし選挙が行なわれたならば、北朝鮮より先に崩壊へと進むと思われる。
安倍首相は最近の内閣支持率の上昇に意を強くしているとのことであるが、今回の冒頭解散は加計学園問題隠しであり、敵の弱みに乗ずる保身解散であることは明らかであり、余りにも国民を馬鹿にした解散で、内閣支持率は急降下すると予想する。2017.09.20(犬賀 大好-374)
米軍の考えるレッドラインは核実験か、大陸間弾道弾(ICBM)の発射実験のどちらかであると思っていたが、どちらでもなかった。それでは北朝鮮が米国かその同盟国のいづれかへ攻撃を仕掛けた場合がレッドラインとなろうか。
金正恩委員長もレッドラインは何処にあるかを探るため、各種実験を小出しにして米国の反応を見ているのではないかと識者は解説する。恐らくトランプ大統領の考えるレッドラインも確定されたものではなく、各国の反応を見ながら日々変化しているのであろう。軍事行動を起こすためには各国の協力が必要であり、米国単独ではイラクの二の舞になるからである。
金正恩の暴走に対して国連の安全保障理事会は緊急会議を開き、先日11日に制裁を決めた。米国原案の制裁案には原油輸出全面禁止等の厳しい項目があったが、全面禁止に関しては中国とロシアの反対で現状維持と軟化した。素人目にはこれまでと何ら変わらず、何のための安保理かとがっかりしたが、どうもそうでもないらしい。
北朝鮮からの繊維製品輸出の禁止、国外への新たな労働者派遣の禁止が加わり、外貨収入源のほとんどが断たれ、これから絶大な効果を発揮する、との評価もある。またそれにも増して、異例の速さで、全会一致で制裁を決めたことに価値があるのだそうだ。特に中国の意思決定は通常時間がかかるが、今回は異例の早さだったそうで、中国の本気度が分かったとのことである。
しかし、この制裁の直後15日に、北朝鮮は2回目の日本を飛び越えるミサイル発射実験を行った。安保理制裁に抗議する発射実験であるとの解説もあるが、制裁のある無しに拘わらず当初からの予定行動だと感ずる。なにしろ金正恩は核・ミサイル技術の確立し、核保有国としての国際的認知を急いでいるのだ。
さて、15日の2回目の発射実験を受けて、安保理は「強く非難する」との報道声明を発表したが、それは負け犬の遠吠えの感もする。北朝鮮の戦略は一貫しており、例え米国の主張する原油全面輸出禁止をするにしても、中国の心配する北朝鮮崩壊へとつながらないのではなかろうか。
日本でも、随分前から拉致問題関係で北朝鮮に数々の制裁を科している。政府は問題が起こるたびに新たな制裁を加えると表明しているが、まだ制裁の余地が残っていたかといつも感ずる。しかし、日本の制裁は形式的であり、国内法の整備が不十分で実効性のある制裁措置が取れないのだそうだ。
同様に、中国中央政府が例え全面禁止と宣言しても、中国の税関は実務に不慣れ、制裁に穴だらけとのことだ。また、北朝鮮と北で接する中国地区には朝鮮族が多く住み、違法な取引が日常的に行われているとのことである。
我々は、中国では共産党独裁体制で中央政府の威光が隅々まで行き渡っていると感ずるが、逆に行き渡っていないからこそ共産党独裁に固執しているということかも知れない。兎も角、中国13億の民はまとまっているようであり、まとまっていないのが現実だ。
米国では、軍事的圧力の行き詰まりから、核保有を容認せざるを得ないとの意見も出始めているようだ。しかし北朝鮮の核保有国認知は、韓国への米軍の核兵器配置へと進み、更に韓国、日本の核保有とつながる恐れがあり大問題だが、解決の糸口は見いだせない。
安倍首相は、28日召集予定の臨時国会の冒頭にも衆院を解散する意向を固めたとの報道があった。北朝鮮情勢などを踏まえて、現在の安全保障体制の是非を選挙の焦点にする予定とのことであるが、憲法改正の必要性を前面に出すのであろうか。
最大野党の民進党は、大量離党の大混乱に加えて、憲法改正まで含めた安全保障体制の党内統一まで出来る筈はなく、右往左往していることだろう。もし選挙が行なわれたならば、北朝鮮より先に崩壊へと進むと思われる。
安倍首相は最近の内閣支持率の上昇に意を強くしているとのことであるが、今回の冒頭解散は加計学園問題隠しであり、敵の弱みに乗ずる保身解散であることは明らかであり、余りにも国民を馬鹿にした解散で、内閣支持率は急降下すると予想する。2017.09.20(犬賀 大好-374)
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