日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本は海洋プラスティック対策で世界をリード出来ないだろう!

2019年06月26日 09時31分35秒 | 日々雑感
 19世紀にポリ塩化ビニル等のプラスティックが発明され、本格的にプラスチックの製造が始まったのは第2次世界大戦後である。従ってプラスチック時代が始まってから50年ほどしか経っていないのに、早くも海洋プラスティックごみ問題が地球環境上の大問題となっている。

 プラスティックは手軽で耐久性に富み、安価に生産できることから、ありとあらゆる製品に使われるばかりでなく、ビニールや発泡スチロールなどの包装や梱包、緩衝材、等幅広く使用されている。

 しかもプラスチックの多くは使い捨てされており、利用後きちんと処理されず、ごみとして環境中に流出してしまうことも少なくない。そして環境中に流出したプラスチックのほとんどが最終的に行きつく先が海となる。

 プラスチックごみは、河川などから海へと流れ込むが、単純に海を漂うごみではない。プラスティックは耐久性に富むため、海で腐ることなく、紫外線や波にもまれ細分化しマイクロプラスティック化して海中に漂うことになる。

 このようなごみは、海洋に生きる動物に飲み込まれるが消化せず胃や腸に蓄積し死を早めることになるが、それより重要な点は、有害化学物質のマイクロプラスチックへの吸着と濃縮だそうだ。それを海洋生物が誤飲・誤食すると当然有害化学物質が体内に取り込まれそれが問題となるわけだ。

 昨年、日本でもようやく地球上の問題として認識され始めた。しかし、この6月のG20に向けて議長国として議論をリードすることが、切っ掛けであると思われるので、本当にマイクロプラスチック問題を理解しているのか心配だ。国際的にも地球規模での環境汚染が懸念され、既に各国で具体的に対策が進められているのだ。

 欧州議会本会議は既に使い捨てプラスチック製品の流通を2021年から禁止する法案を可決している。欧州連合(EU)のほか複数の国がすでに昨年、同様の法律を整備しているそうだ。

 カナダのトルドー首相も使い捨てプラスチックの使用を早ければ2021年にも禁止する方針を発表した。トルドー首相はプラスチック公害の問題を世界的な課題と認識し、子供の将来に向けてこの問題はなんとかしなくてはならないと述べているそうだ。

 残念ながら我が国の安倍首相からは、将来に向けてのビジョンを聞かされることがない。財政問題、年金問題、エネルギー問題、領土問題、貿易問題等、長期ビジョンに立ってこれらの問題に立ち向かって欲しいものだが、消費増税等目先の問題としてしか捉えていない。

 さて、海洋プラスティック問題に関する、我が国としての具体的な取組について、先日開催された関係閣僚会議において、”海洋プラスチックごみ対策アクションプラン”として遅ればせながらまとめた。

 この中で、プラスチックを有効利用することを前提としつつ、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指し、いくつかの提案をしているが、いずれも具体性に欠けている。

 例えば世界的に海洋プラスチック対策を進めていくための基盤となるものとして、海洋プラスチックごみの実態把握や科学的知見の充実にも取り組む、等とあり、2021年には使い捨てプラスティックの使用禁止を予定する国に比べて、1周遅れの感もする。こんなことで、G20の会議をリードできるか心配になる。2019.06.26(犬賀 大好-558)


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