新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。1月13日、政府は東京とその周辺3県に加え、大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の計7府県を対象に緊急事態宣言を発した。感染は人から人へであり、人と人との会話、その中でも飲食を伴う会話が一番の原因とのことだ。しかし、他人との交流は人間本来の営みであり、外出の自粛は短期的には可能であろうが、長期的には無理がある。
緊急事態宣言は今回が2回目であり、昨年4月7日、東京や大阪など7都府県から始まり、その後、全国に対象地域を拡大した。この時は、初めての経験する新型コロナウイルスの感染拡大防止の為の緊急事態宣言で国民一人一人が緊張しており、外出自粛等をしっかりと守ったため拡大は防止され翌月25日には感染が終息したとして解除された。また、当時は今ほど感染が広がっておらず、クラスター対策もしっかりなされていたことも早急に下火になった要因であろう。
しかし、現在若者の重症化率が低い等、コロナウイルスの性質が大分分かってきており、また1年近い自粛要請ですっかりコロナ疲れし、緊急事態宣言も前回ほどは効果が無いだろう。一応期限は来月7日であるが、恐らくそれまでに大幅な収束は無く、引き伸ばされることだろう。
コロナ感染拡大が縮小する為には、国民の7割程度が免疫を獲得する集団免疫の必要があると言われる。免疫は実際に一度感染するか、ワクチン接種によるしかない。しかもこれは一旦免疫が出来れば長期に持続するとの前提があってのことだ。
日本における延べ感染者数は、1月13日時点で、30.4万人だそうなので国民の0.2%程度で、集団免疫には程遠い。現在できることは、ワクチンが利用可能となるまで、医療崩壊が起こらない程度に感染が少しづつ広がって行くのをじっと見守るしかない。目下第3波の真っ最中であるが、これを何とか抑えたとしても、集団免疫を獲得するまでには第4、第5の波を迎えなくてはならない。
集団免疫のもう一つの手段はコロナワクチンの接種である。英国では、先月初旬からワクチン接種を開始した。米ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンの1回目の接種を終えた人は100万人近くに達しており、2月中旬までに、70歳以上や医療従事者、優先度が高い人ら計1500万人に、ワクチンを接種することを目標にしているそうだ。英国の人口を約6,300万人だとするとワクチン接種者は2月中旬でも24%、これまでの感染者数は316万人(1月14日)で5%となり、合わせても30%に届かない。
最初の接種から1か月以上経つのに、英国では感染が少なくなったとの報道は無い。英アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンも、接種が始まる予定だそうで、以後急激に接種者の数が増えるのであろうが、ワクチン先進国の英国でも予定から大分遅れているのが実情だ。
日本政府は、欧米の製薬会社3社とコロナウイルスのワクチン、合わせて2億9000万回分の供給を受ける契約を結んでいるとの話であり、早ければ2月末から接種が始まるとの報道があるが、英国の実情を知れば、一般の人がいつから利用できるかは全く分からない。2021.01.16(犬賀 大好-670)
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