日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

文科省は不登校生徒数の増加の原因追及とその対策を急げ

2024年03月20日 09時23分14秒 | 日々雑感
 文科省は昨年10月、「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果を公表した。それによると、小・中学校における不登校児童生徒数は299,048人であり、前年度から54,108人(22.1%)増加し、過去最多となったとのことだ。在籍児童生徒に占める不登校児童生徒の割合は3.2%もあり、近年不登校の生徒が増えているとのことだ。学校に行くことがすべてではないが、少子化時代であるがゆえに考えさせられる問題だ。

 ある調査によると、2023年7月21日~8月2日に不登校の経験を持つ296人を対象に、インターネットを利用して不登校となる原因を調査したところ、不登校児童が「学校に行けなくなった原因」でもっとも多かったのが「いじめ」30.4%で、ついで「友人関係」22.6%、「先生との関係」11.1%、「体調や病気」8.8%、「勉強や進路の悩み」7.1%、と続いたそうだ。

 しかし、2020年の文部科学省の調査では、小学生の不登校原因の上位は、「無気力・不安」46.3%で、「親子の関わり方」「生活リズムの乱れ・遊び・非行」の順となっており、中学生の場合も原因の1位は「無気力・不安」47.1%で、その割合は5割弱にのぼっている。なんとなく行きたくないという無気力状態の子が多くなっているのが近年の傾向と分析している。ここには「いじめ」との文言は見当たらない。

 また、文部科学省が昨年10月4日に発表した調査では、不登校の理由がいじめという小中学生の割合は、不登校全体の0.3%だったそうだ。この結果について有識者や支援団体は実態と懸け離れていると指摘しているが、以前不登校児童対策に携わった筆者から見てもこの0.3%は低過ぎる。

 文科省の調査は各学校に依頼しその結果を集計するだけであろう。学校はいじめの発生が学校の教育方針に問題があると判断されるのを恐れ、いじめがあっても過小評価する傾向にあるだろう。普段から学校は教育委員会の意向に戦々恐々としているのだ。

 そもそも、いじめの定義が人によって異なるのも問題を複雑化している。いじめをからかいやちょっかいと見る人から集団で暴力をふるうことと考える人もいる。一方いじめられる方も、からかいを冗談と受け流す人から心の傷となり不登校の原因になる人までおり、非常に幅が広い。

 それぞれの調査におけるいじめの定義がどのようであったか分からないが、兎も角、「当事者である児童生徒に直接聞くなど調査方法の見直しを」と有識者が訴えているのは至極当然である。先述のインターネットによる調査結果のように、もし本当にいじめが不登校の原因の1/3程度を占めているとすれば、由々しき問題だ。いじめは対策のしようがあるので、実体を早く掴んでもらいたいものだ。

 文科省も原因の第1が無気力であるならばなぜ無気力になっているかの原因を突き止め無くてはならない。いじめの定義を明確にした上で、調査も学校へ丸投げではなく、直接生徒に聞く等の手段に変えるべきだ。原因が分からなくては対策しようがない。
2024.03.20(犬賀 大好ー993)


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