日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

来年の東京五輪の標語は ”経済回復無くして世界平和無し”

2020年10月28日 09時03分33秒 | 日々雑感
 来年の東京五輪は人数制限された観客の下で挙行される模様だ。政府は10月23日、東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合を首相官邸で開いた。本部長を務める菅首相は東京大会について「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催し、東日本大震災の被災地が復興を成し遂げた姿を世界に向けて発信する場にしたい」と表明したのだ。

 オリンピックは世界の人が集う平和の祭典の筈であるが、それはそれとして何としてでも実行することが肝心と言う訳だ。

 信念実行の人と言われる菅首相が言い出したからには、予定通り来年7~9月の実施に向けて関係大臣、関係官僚は一斉に走り出すだろう。ここで抵抗していたら、たちまち職を追われるのは目に見えているからだ。

 さて、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しと言うからには、来年7月までにはコロナウイルスが世界的に終息しているとの期待であるが、ワクチンが世界的に使用可能となるのは2,3年先との専門家の意見である。しかも現時点で安全が保証されたワクチンは存在せず、年内にも完成すれば御の字だそうだ。

 コロナウイルス感染防止と経済の活性化の対策は相反しているが、菅首相が開催すべきだとする理由は経済問題である。エコノミストの間では、中止の場合日本経済が被る損失は数兆円に及ぶという見方が主流であり、日本経済は背に腹は代えられない状態なのだ。オリンピックは世界の平和が目的であるが、経済の再生無くして世界平和無しがキャッチフレーズとなろう。

 国内外で各種スポーツ競技の大会が各種の規制しながら再開しつつあるものの、五輪は206の国・地域から1万人を超す選手が参加する巨大イベントである。国際オリンピック委員会(IOC)と五輪に長年関わってきたローザンヌ大のシャプレ名誉教授は開催決定権を握るIOCの腹の内は、いずれにせよやると彼らは既に決めたと思う、と語ったそうだ。

 シャプレ氏は「東京大会は観客を減らして開催されると思う。半分か、もしくは3分の1か」と自身の見解を語った。受け入れる日本でコロナ感染が比較的落ち着いているため、IOCは選手団の出入国時、選手村など、競技会場でのPCR検査を徹底すればリスクを避けられると考えているのではないかと言う。

 大勢は東京五輪の開催の方向であるが残された問題は観客の扱いだ。どうやら従来通りの観客を満杯とする完全な形での開催は諦めているようで、最悪の場合無観客でも実施する覚悟のようだ。五輪に関わる政府関係者は、競技ごとにどこまで観客を減らすか、11月には議論することになると説明する。

 また、テレビ放映できることが重要で、観客はゼロでも問題ないと思う、と語っているようだが、オリンピックを商売と考えていることが如実に表現されている。日本でコロナの感染が再び拡大し、五輪に対する国内の関心は大きく低下している。東京五輪の販売済みチケットについて、大会組織委員会が希望者への払い戻しの受け付けをいよいよ開始するようだ。無観客の場合、経済損失は大きいだろうが、実施しないよりは少なくて済むとのことだろう。2020.10.28(犬賀 大好-647)


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