日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

新型コロナウイルスに対するスウェーデンの”集団免疫”政策は大成功か

2020年10月24日 09時41分11秒 | 日々雑感
 欧州で新型コロナウイルスの感染が再び急拡大しているそうだ。世界保健機関(WHO)によると、10月17日にはフランス、ドイツ、イタリアなどで1日あたりの新規感染者数が過去最多を更新し、今年始めの第1波の3倍近くに達したようだ。フランスでは、新型コロナウイルスの感染が特に深刻なパリとその周辺都市9つの地域で、17日から少なくとも4週間、午後9時から午前6時までの外出が禁止されたとのことだ。 

 フランスに限らず、欧州各国では新型ウイルスの再感染が広がっている。感染の第1波を厳しい規制で乗り切ったかに見えたが、その後経済の落ち込みを懸念して各種の規制を緩めたことにより、再拡大していると言われている。

 一方、スウェーデン当局は”集団免疫”を達成しつつあるという見方を10月18日発表した。最近、若者を中心に陽性者数は増加傾向にあるものの、重症者数や死者数が低いレベルで落ち着いたままであることがその状況証拠になっているとの話だ。 

 スウェーデンの感染者は、10月13日、累積感染者数は10万654人に増えた。スウェーデンの人口は1035万人だからまだ全国民の10%程度の感染率だ。集団免疫の効果が現れるためには70%以上の感染者が必要になると言われていることからすると未だ不十分であるが、死亡者の減少が顕著とのことだ。

 スウェーデンの死者数は累計5899人(10月15日現在)で、ピークの4月には1日当り100人を超えた日も4回あったものの、8月はひと月で78人、9月は54人とかなり落ち着いており、9月下旬以降はゼロという日が目立っているのだそうだ。

 スウェーデンの死者数が最近減少していると言っても、これまでの6千人近い死者数は人口比で0.057%となり、アメリカの0.068%、イギリスの0.063%、フランスの0.048%、スペインの0.068%、と比べ似たような値だから、威張れたものでは無い。

 しかし、最近の死者数の激減を考えるとスェーデンの比率は今後他国に比べて下がって来るとの予測である。世界的なコロナ大流行に各国がロックダウン等の規制、すなわち強制的な封鎖や移動制限、飲食店への休業命令などを導入したのに対し、スウェーデンでは国民にできるだけ外出を控えるよう要請するという緩やかな対策を実施しただけであった。

 この対策のお蔭で経済の落ち込みが他国に比べ少なかったとなれば、スェーデンの集団感染の政策は大成功となろうが、まだコロナウイルスの流行が終息したわけではない。結論を出すのは終息後であろう。

 緩やかな規制の点では日本も同様であったが、大きく違ったのは学校を休校させなかった点である。スウェーデンでは子どもが教育を受ける権利が重視され、家庭環境に恵まれない子どもが登校できなくなることで起きる弊害が考慮され、高校や大学は遠隔授業になっても、保育園や小中学校は閉鎖されなかったそうだ。日本では一斉休校となったが、この効果はどうであったであろうか。

 さて日本のコロナウイルスによる死者数は1680人(10月20日)で、人口比率では0.001%と欧米諸国と比べ一桁低い。しかし東南アジアの国々との比較では決して低いとは言えず、日本のコロナ対策が大成功であったとの評価は時期尚早で、低い理由は謎として残っている。2020.10.24(犬賀 大好-646)


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