ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

ついに

2013-06-10 00:36:34 | 嫌いだ嫌いだ
ついに
それはやって来た
とうとう
それはやって来た

長いあいだ
あらゆるひとが
待った
あらゆる視線が集中するその一点から
生まれ出でる
駆け抜けて来る

そうだ
それは来た
騒擾のまちを抜けて
葬送の交響曲の響くなかを

そうだ
ついに
それは来た

蒼白の顔つきで
怒りを超えた怒りを隠して
笑いさえこしらえて
こらえきれぬ笑い
であるかのように

そうだ
やってきた
ついに
それは来た
あからさまな喜びをあたりに見せつけて
深い悲しみを奥底に宿して

これが
ほんとうの最後
であると

そう
そのとき
であると

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