ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

電信柱

2012-07-17 23:04:14 | 嫌いだ嫌いだ

道路際 天空を目指して
ほぼ垂直に電信柱が並んでいる
コンクリートの柱に数本の横棒
陶製のガイシがついて電線が渡されて

何本も何本も並んで立っていると
天空を目指しているとは言っても
必ずしも正確に垂直ではない
少しづつ軸がずれている

人間が立っていると
必ずしも正確にまっすぐではない
ように

すると
電信柱がイチ、ニ、イチ、ニ、
と掛け声を掛けて
歩きはじめる
ように思えてくる

電線で前後結ばれて
一定の幅を保って不自由に
行進する

時折倒れそうになって
一方の電線はたるみ
一方の電線は張り詰めて
後ろの電柱を引っ張り倒しそうになる

おっとっと
後ろの電柱は
その後ろの電柱を引っ張りながら
なんとか持ちこたえ

イチ、ニ、イチ、ニ、
と掛け声を掛けて
歩き続ける

炎天下
真昼の電信柱
電気を流しながら
熱を受けて
同時に
熱を発しながら

汗を流しながら

汗を流し過ぎると
漏電する
かもしれない

というよりも
道路を通行する自動車の列が
電信柱を避けて慎重に徐行している
渋滞が続いて道路交通がマヒしている

経済活動が停滞している
困ったものだ

ところで
電線の最先端はどこで
最後尾はどこか
最後尾では電線は切れているのか
無闇に延長されているのか
無限に巻きとられた糸巻きのような束から引き出されているのか

電信柱はどこに
向かっているのか?


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