ご免下さい

許して下さい

立ち入ることを

建物の中に

あなたの支配する領分に

 

ご免下さい

あなたは何かを悩んでおられる

その顔の色に苦悩は明らかに見える

その苦悩を語って下さい

 

見ず知らずの

とまでは行かなくても

顔と名前は知ってるよ

くらいの人間に

何を語れとおっしゃるのか

と怪訝な表情をあなたは見せている

 

だから

許して下さい

とまずは

お願いをしています

私に聴かせて下さい

あなたの苦悩を

 

語ることで

苦悩が苦悩でなくなることはないでしょうが

いささかは軽減される可能性はある

その可能性に賭けてみませんか？

いやいやそれは大げさすぎる

賭けるほどの大ごとではありません

 

軽い気持ちで語ってみる

私は門戸を開いています

といいながら

こちらがあなたの門戸を開けているわけですが

 

あなたの門戸を開けるのと

私の門戸を開け放しているのと

よく考えてみれば同じこと

よく考えてみれば全く正反対のこと

さてどちらでしょうか？

 

ご免下さい

あなたの話を聴かせて下さい

私は詐欺師ではありませんたぶん