夕刻5時前
午睡の後
庭に出ると
川向かいのクリニックの
薄黄緑の壁面や
農協のくすんだ白い壁面
家々の北向きの壁面が
妙にくっきりと浮かぶように見える
既に
西の山なみの
稜線から落ちた
見えない西陽が
かすかに壁面を照らして
映画のCGの背景のように
芝居の書割のように
実在が虚構のように見える
すでに光が光とも見えないような
壁面をかすかに照らすことによって
まだ
光が残っていることが
ようやくわかるというくらいに
まるで
人工の
映画のセットの照明のように
ふと
京都の金閣寺の
向こうの山蔭からゴジラが出てきそうだ
と思った記憶がよみがえる
また、9.11の映像を美しいと「正直に」言ってしまって、批判にさらされたドイツの著名な現代作曲家を連想しました。
コメント感謝。
「実在と虚構」について語り始めたら長くなるけど、金閣寺はスーパーリアルというか、シュールレアルというか、巨大な模型というか、実在感がなかった。映画のセットのようにしか見えなかった。