ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

風だとか

2012-05-17 23:58:55 | 震災後

風だとか
建築だとか
路上だとか

それらの都会の風物は
いつも悲しい

悲しいが
確固としている
曖昧なところはない

多くのひとがいるはずなのに
だれ一人としてそこにはいない
ように見える

悲しいが
悲惨ではない
悲しいが
涙ぐむわけでもない

屹立した
孤絶の風貌

ターミナルの群衆のさなかに
暗いマントをはおった暗い人影
上野駅の正面の改札付近

東京や新宿やまして横浜ではない
風が吹いて雪が舞う土地に繋がる
暗い都会のターミナル
幻燈のような虚空のイメージ
拡がってそして高く

川久保玲の黒
と白


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