ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

1メートルの低下

2012-06-14 23:40:36 | 震災後

土を盛る
華やかにデコレートする
土色の土を盛る
アスファルトで塗りたくる

全般に低下しているから
多少一部を盛っても追いつかない

お目々ぱっちり
まつげどっきり
くちもとげんなり

夜暗いときに通ると
目測の助けになるものがひとつもないので
つい踏み外しそうになる
ような気がして怖い
とドライバーは証言する
街路灯がない
不要な交差点に信号機は随分復活しているのに

でもね
抜け道にはなるんだよね
最近
舗装にはなったし

盛ったところはそこだけ高い
そこだけ華やか
そこだけぱっちり

あとは暗闇
高潮のあとそのままか
雨のあと流れずにぞのままか
跡地は低くところどころに水たまり

さすがに
車が落ちたまま
という光景はすでにないけどね


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