有馬もとの補助犬訓練士ダイアリー

聴導犬・介助犬国際認定インストラクター(日本聴導犬協会)有馬もとのプライベートブログです。

384 有馬に代わって、あきちゃん報告

2007-02-20 13:02:11 | 補助犬&聴導犬&介助犬
 有馬です。候補犬のあきちゃんが、今回の日記を書いてくれました。

 立春が過ぎ、いよいよ宮田村も春を迎えます。宮田駅前の公園で、湧き水を掘ったら、すごくおいしいんだって。協会のおむかいさんが、毎日やかんでお水をくみにいってらっしゃいます。なんとものどかな宮田村です。
暖冬といわれた今年の冬だけど、ボクたちが暮らす宮田村から見渡す中央ア
ルプスの山々も、いつもより雪が少ないようです。今年の水不足が心配です。
みなさまからあたたかなご支援を頂けますこと、本当に、ありがとうございます。  いつもなら、代表犬のタカ兄ちゃんのはずなのに、なんと、ボク、候補犬のあきです! 初めてお手紙を書くので、ドキドキしちゃいます。
 1月の末から2月の始めまでの2週間、有馬さん、MAYUMIさん、矢澤さんが
 アメリカとイギリスに研修に行ってきました。
 毎年、1月にはADI(アシスタンス・ドッグ・インターナショナル)という国際会議に有馬さんとMAYUMIさんが参加させていただいているけど、今回は、前後に研修
を兼ねての予定だったので、矢澤さんも行ってきました。
 ボクたち、協会犬6頭はお留守番でしたが、スタッフの恵美ちゃんと村澤さん、
ボランティアの藤田さん、千江子さんが、お世話をしてくれたので、安心でした。

 初めに、到着したところは、ニューヨークです。JFK空港に降り立って、タクシーに乗ったら、暖冬だってドライバーが言ってたのに、次の日から、長野出身の矢澤さんでさえ、頬や耳を両手でおさえて「痛い、痛い」って、悲鳴を上げるくらい。行く前から噂には聞いてたけど、経験したことのない、身が切れるような寒波だったって。(福)日本聴導犬協会がある宮田村も寒いけど、比べ物にならない。それでも、ニューヨークにはたくさんのペット犬がいて、賑やかな街をステキな防寒コートを着てお散歩している様子は、さすが!だったって。でも、ボクが行けば、NYドッグより、もっとおしゃれだったと思うよ。

 最初に行ったのは、E.C.A.D(イースト・コースト・アシスタンス・ドッグ)といって、壁のない少年院ではないんだけど、犯罪を犯した少年たちだけの収容施設。その敷地内で、介助犬訓練の一部を、少年たちに任せて、更生させるプログラムを行っているところです。ニューヨークから電車で1時間くらいで行ける、自然も豊かで静かな住宅街に近いところにあったんだって。近くには、高級住宅地があるので、この施設をよく、こんなステキな場所に建てられましたね? って聞くと、施設の方が先で、後から、住宅地になったんだって。代表のルーさんは、何年か前、ラスベガスでのADI国際会議で有馬さんに声を掛けてくれた方なんだって。いつもは、ユーザーさんが滞在訓練で使うお部屋に泊めて頂いて、訓練の様子やシステムに
ついて研修をさせていただきました。 日本で、休日なく、ずっと忙しいままで飛行機に飛び乗ったので、3人とも珍しく「時差ボケ」で、眠くて眠くて・・・眠くて。訓練の休憩時間に部屋に戻って、ソファに座ったとたん、熟睡。スタッフが部屋に入ってきて、声をかけられて、飛び起きたって。

 ルーさんのプログラムに入ってる少年たちは、授業の一環として、感情のコントロールや、普通の勉強もしている。介助犬訓練の希望者は、審査があって、通った子だけが、参加できるんだって。どの少年も、犬たちが大好きなので、とてもやさしく接してたよ。朝から犬舎掃除、ご飯、ブラッシングや歯磨き、耳掃除など。午前、午後にも訓練をして、夕刻にまた掃除と、ご飯、どのときも、犬に負担を掛けないように上手にできてったって。ルーさんたちの指導がすばらしいんだね。介助犬の訓練も、電気のスイッチ、冷蔵庫やドアの開閉とか、やさしく、根気強い。訓練を通して、怒りのコントロールや自信がついていくようです。日本では、盲導犬・介助犬・聴導犬だけが補助犬だけど、欧米には障がい者にもっといろんな手助けをする犬達がいて、ルーさんのE.C.A.Dでも自閉症の子供さんの手助けをするオーティスティック・チャイルド・ドッグも訓練しています。少年たちはユーザーさんの訓練にも携わるので、真剣でした。

 2日間の研修を終えて、ADIの国際会議に参加するためにワシントンに近いバルチモアに、飛行機で移動です。やっぱりアメリカは広いんですね。宮田から東京の何倍なんだろ?想像以上なんだろうな~。
 この会議はもう8年も参加させて頂いているので、業界でも代表的な方々が声を掛けてくださって、とっても幸せだったって。先輩のみなさんから、協会運営、資金の作り方、ユーザー教育など、直接情報をいただけるので、とても有意義です。そして、(福)日本聴導犬協会のために、活用してます。
 今回は、自閉症児犬だけでなく、糖尿病の発作の予知をしたり、皮膚がんの予知などの報告があり、聞いてると、ボクたちって、もっともっと未知の能力があるんじゃないかな。人間に感情も能力も近いって聞いたけど、すごいね~!! ボクも、ますますやる気になっちゃうよ。ADI会議は、これまでになくハードなスケジュールで、朝8:30~夜の9:00まで続きました。お昼の休憩も他の参加者と話していれば、すぐに終わりです。毎日充実だったけど、会場のホテルのレストランでの食事は高いし、スーパーに行く暇もなく、3食のうち2回は日本から持って行ったお米(矢澤家で取れた)と雑穀を炊いて、ふりかけやインスタント味噌汁を大事に食べてたって。かえって体調を崩さずに過ごせたみたい。
 最終日はユーザーさん達の会、IAADPの会議です。
 2度目の参加の矢澤さんが、1番感じたのは、ユーザーさんが自律し主張されるエネルギーの強さだったって。心にビンビンと響くのを感じたって、言ってました。
 アメリカでの最後の目的は、ボランティア主導で、介助犬・聴導犬、セラピー犬の訓練をして成功しているFidos For Freedomというところです。代表のジョーさんは、介助犬のユーザーさんです。とても優しい方で、大勢のボランティアさんからも慕われている様子がよく分かりました。週2回の訓練の日には、ユーザーさんや、セラピー犬のオーナーさんが大勢集まって、それぞれのプログラムに参加してました。ボクの協会も、大勢のボランティアさんに支えられていますが、目標が見えた感じです。

 最終目的地は、3年ぶりに訪れる英国聴導犬協会です。使える時間は1日だけでしたが、元CEOのトニーさん自らがご案内くださって、訓練や施設の現状を説明してくださいました。10年前に日本にいらしたので、写真のタカ兄ちゃんやクロちゃんのことを懐かしんでいらしたって。ボクも会いたいよ~。
10年前からお世話になっているドーリンさん、サンドラさんともお目に掛かれて幸せでしたが、世界一有名な獣医師ブルース・フォーグルさんが突然いらしてくださったのが、サプライズ!でした。
 今は、年間130頭の聴導犬を貸与されています。そして、250人が聴導犬をまっているそうです。日本とはずいぶん違うけど、大きくなった英国聴導犬協会も20年前は、(福)日本聴導犬協会のようだったって。「指導した中で、一番成功しているのはキミたちだよ」って、誉めていただくことができました。   
やっぱり1番大事なのは、あたたかい「心」だって、感じたそうです。 2週間の研修で、いい経験と出逢いをさせて頂いたんだね! 3人は、とっても充実していたけど、あまりに忙しくて、ボクたちへのお土産がなかったのが、許せなーーーい。だってボク、食べることが大好きなんだも~ん。 
 ちょっと緊張しちゃったけど、タカちゃんの代理をさせて頂いたあきでした。
 これからも、ご支援をお願いいたします。      候補犬 あき


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2 コメント

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お帰りなさい (クシママ)
2007-02-20 17:00:12
皆さんお帰りなさい。研修の成果がとっても楽しみです。あきちゃん達へのお土産が無かったのは残念でしたね~でも、きっといいことがいっぱいあると思います!
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いいことより、キッパリ訓練開始 (有馬もと)
2007-02-20 17:22:25
クシママ様 あきちゃんたちのご褒美を買おうっと思っても、毎回、買っていた燻製骨じゃ、狂牛病が怖いし。干し肉も、日本製がいいだろうしと、考えておりうちに、機会を逸してしまいました。やっぱりご褒美は国産がいいですよ。
 帰ってからすぐに、訓練開始です。英米の、もう十分大きいのに、まだまだまだまだまだっていう、気迫に刺激されました。
 これからもがんばるので、応援してくださいね。有馬
 
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