有馬もとの補助犬訓練士ダイアリー

聴導犬・介助犬国際認定インストラクター(日本聴導犬協会)有馬もとのプライベートブログです。

106 「耳の日文化祭」(主催:松本市聴覚障害者協会)でのデモンストレーション

2006-02-25 19:40:15 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑2月25日松本市聴覚障害者協会さんが主催する「耳の日文化祭」に参加させていただきました。今年で2年目になります。松本市聴覚障害者協会の会長の金井さまとは、3年前に松本市で行わせていただいた「国際補助犬パートナーズ会議」で、一緒に主催していただいたご縁から、今は、助けていただいたり、お手伝いしたりと、楽しい協働関係ができました。各地の聴覚障害者協会との、協働関係が創れるって、うれしいことですよね。
 
 今日の文化祭では、手話ダンスのほか、近隣の学生さんたちのボランテリア活動、アフリカじゃんけん。高齢者体験。活動報告と続き、聴導犬・介助犬のデモンストレーションが午前中の発表でした。午後は、フラメンコ。松本在住のバイオリン創りの名手の工程の紹介。松本ろう学校の生徒さんの歌と楽器演奏のビデオ。それから、ろう者と非身体障害者とのバンド演奏。演奏曲は「奇跡」でした。
 なんともりだくさんで、いろんな方が参加されたことか。もう感動でした。

 金井さんのお人柄故ですね。「ろう者だからとか、非身体障害者だからとか」の境のない、みんなが楽しめ、親睦できるステキな文化祭でした。

 最後は交流会でしたが、松本市司厨士会さんが、お料理を提供してくれました。
 すごい品数で、イベント出展者の私たちは大喜び。いつも、応援してくれる松本司厨士会のみなさまのあたたかさにも、感謝。感謝の一日でした。

105 候補犬あきちゃんとキラキラの授業

2006-02-24 21:27:46 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑あきちゃんを育てていただいている南部小学校のクラスには「きらきらの授業」の時間があります。2月23日に「あきちゃんが来て、クラスで変わったことは?」という酒井先生からの質問に、21人の生徒が元気いっぱいに答えてくれました。
 子供たちからの答えの中には、
「かたずけをするようになった」「クラスが明るくなった」「家に帰ってから(翌日あきちゃんと遊びたいので)宿題をすぐにするようになった」「学校に来るのが好きになった」「前は土日がうれしかったけど、あきちゃんと会えないので、そうでもない」「声をかける友達が増えた」「男子、女子で話をする機会が増えた」「ケンカをしなくなった」などが上がり、犬嫌いの友達が、今は率先して「あきちゃん」当番に手を上げたのがうれしかったという、他の仲間のことを気遣うやさしさも、感じられました。
 酒井先生からも
「当初は、あきちゃんがいるせいで、子供たちの気が散ってしまうのではないかと心配しましたが、逆に集中力が増して、実は成績もクラス全体で上がっているんですよ」
 良い結果をいただくことができました。
「あき」が、教室に入れていただいたことで、クラスが良くなったのではなく、酒井先生の愛情や心が、あきが仲介役となって、子供たちに伝わりやすくなったのではないかと、私は思います。子供たちも、自分たちの親切な気持ちやあたたかな思いやりを、あきだけでなく、他の子にも表現しやすくなったことで、教室全体が、やさしい雰囲気になったようです。すばらしいですね。

 「あき」という将来は、身体障害者の方への福祉を担う犬がそばにいて、子犬だったのが、急速に大人になり、訓練に入り、そして、社会に出て行く。わずか、子供たちが出会ってから1年ばかりの間に、それだけの成長に出会えるというのは、ものすごく衝撃的なことだろうと思います。
 南部小学校のみんなに、「聴導犬になってほしい」という希望を託された「あき」ちゃん。「あき」に一番ふさわしい生き方をさせたいと、スタッフみんなが思っています。

104 ご支援者から、犬ケーキ。ケーキ我慢でもわかる犬の行動学

2006-02-19 14:29:58 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑長野でペンション経営をされているご支援者の方から、バレンタインデーに犬ケーキをいただきました。本当は、ペンションの常連の方から毎年、飼われている2頭の愛犬に1つずついただいているケーキのうちのひとつだったそうです。
 1頭の子が悲しいことに亡くなってしまったとのことで、せっかくいただいたステキなケーキなのですが、協会の子達にどうですか? との、愛情のこもった、やさしいお申し出でした。「ぜひ、お願いいたします」と、お願いいたしました。
 届いたのは、クール宅急便。ステキなケースに入ったゴージャスなケーキ。
 実は、協会でも毎年クリスマスにスタッフの恵美ちゃんが、手創り犬ケーキを作ってくれるのですが、色素なしなので、焼きかぼちゃや野菜が乗っている、健康ケーキです。
 今回のは、思わず箱を開けたケーキに、スタッフがつまみ食いをするくらい、人間のケーキっぽいものでした。一緒にお送りいただいた★型&魚型クラッカーもかわいくて。初め、ケーキを床に置いて5頭をウェイトをさせていたら、どの子も我慢するために、ケーキを見ないようにするので、なんだか、そっぽを向いているようで、変な写真になりました。どうしてもほしいのに「ダメ」と言われると、その対象物を見ないようにするのです。見れば、もっとほしくなるでしょ? なので、自分から見ないようにするんですね。

 なので、アングルを変えケーキを少し上に持ち上げ「いいよ」っと、規制を解除したら、しん君だけがケーキにむしゃぶりつきました。いつもは、弱わっちそうなしん君が一番に飛びつくなんて、本当に興味深いです。ということで、写真をパチリ。しん君だけ、舌をペロリと出しています。ステキなケーキに、協会にいる8頭の子達は大満足でした。ご馳走様でした。亡くなったワンちゃんにもお礼を申し上げます。協会の子達におすそ分けをしてくれて、本当にありがとね。

103 「べる」っちの訓練、ベルメゾンさまの助成で、順調

2006-02-19 14:12:10 | 聴覚障害福祉
↑身体障害者補助犬法後、聴導犬や介助犬にも、行政から貸与後の補助金がつくようになりました。でも、まだまだ、盲導犬以外の身体障害者補助犬は、地域によっては、ご担当者にとってなじみがないようで、地域によっては、聴導犬、介助犬には、補助金がつきにくいところもあります。
 なので、訓練や貸与がスムーズにいくように、(敬称略にさせていただきます。すみません)ライオンズクラブ、ロータリークラブ、団体や企業からご助成をいただいて、協会の候補犬をどんな場所にも貸与できるようなお手伝いをいただいております。
 その中で、千趣会のベルメゾンからのご助成で、べるちゃんの訓練が進んでいます。写真は、べると担当トレーナーの矢沢さんの訓練風景です。
 幼少期は、ソーシャライザーさんから「おしっこ姫」と呼ばれていた「べる」姫ですが、少しずつレディにちかづいていくようです。
 成長が楽しみ。べるの後には、みっちー。あき、まる、まみちゃんと後輩が続きます。

102 車椅子+電動自転車

2006-02-14 18:23:20 | 身体障害者福祉
↑ご報告が遅くなりましたが、1月18日から22日までの、サンディエゴでのADI(国際アシスタンスドッグ協会)の総会では、いつものように補助犬育成に関するさまざまな情報が得られました。その会場で、最近、英国で人気を得ている「車椅子に取りつけ可能な電動自転車」を、英国の介助犬ユーザーさんが持参し、紹介してくれました。
 自転車には、前方にカセット式の充電器がついているので、ある程度手が動かせる方なら、取り外しは簡単です。自転車も容易にはずせ、テーブルにつくとか、座るだけの時間が長い場合は、彼女ははずしていました。
 この自転車+車椅子で英国からサンディエゴの空路を渡ってきたわけですね。飛行機を乗り換えなくてはならない空港内は、カーペット敷きなので、車輪が重くなります。介助犬が車椅子をひいてくれるとは言っても、空港が大きいので、やはり大変ですし、十数時間トイレを我慢しているはずなので、あまりきばらせたくありません。通常は、航空会社の方が、親切に乗り換えの受付まで車椅子を押してはくれますが、その間は、ショッピングをしたり、レストランに寄ったりといった、気ままなことはなかなかお願いできません。
 でも、この電動自転車をつければ、人の手助けがいらないので、好きなように空港内を楽しめます。
 ちなみに、デトロイトには、時間のカイロプラクティスもあるし、タコスのおいしい店もあります。
 サンフランシスコの化石店やスープだけの専門レストランもオープンしてました。
 シアトルでは、空港内のペットショップが結構、おしゃれなアイテムを揃えています。小さいけれど、個性的な商品も時折あるので、待ち時間をたいくつしないですみます。こんなささいなことも、人に頼らない気軽さがもたらす「自律」のひとつなのかもしれませんね。

111 早太郎詣 1月7日に忘れた物

2006-02-14 18:00:49 | とっても私的
↑初詣での早太郎詣は、(福)日本聴導犬協会の恒例です。写真は、2006年1月4日の初詣。後ろに、早太郎の木造が見えますか? これは、勝手に決めたことですが、協会の守り神さまでもあります。
 初詣はかかしませんが、ついつい忘れてしまうのが、1月7日のどんど焼きで焼いていただかなければならないはずのお飾り。宮田村では、お正月のお飾りを、近所のお子さんたちが1月7日に門や玄関から取って、焼いてくれます。
 このごろは、持っていってくれないので、7日以降に、購入元である光前寺に返しいかなくてはならないのですが、ついつい、返し忘れてしまうのです。
 ゲストハウスの玄関につけたガラス張りの風防の中に、おき忘れ、いつものように、1年間、来年のお正月まで誇りをかぶることになりそうです。
 

110 通販生活ってすごい

2006-02-13 22:00:53 | とっても私的
↑9年前、東京から宮田村に来て一番に驚いたのは、寒さでした。
 ある日、あまりに疲れていたので髪を洗ってそのまま寝たら、朝、髪の毛が四方にとがってたたみにくっつくように、凍ってバリバリになっていました。あわてたら、のどが渇き、枕元においておいたお茶を飲もうとしたら、前歯にガツンとカップ型になった氷があたり、痛たたた・・。みたいな。
 外でジャージャーと音がするので、近くで工事かしらと、ドアを開けると、自分のウチ。外の水道管が寒さで凍って、爆発し、噴水のように水が飛び出していましたっけ。
 寒さで疲労がたまり、体が動きにくくなったので、近所の方に教えていただいて、早太郎温泉に行きました。疲労が一気に出たらしく、湯船からはって出、車まで支えてもらわなければ歩けないくらいでした。病気はしませんが、あまり元気なほうではないので、無理はできない体のようです。
 その上、この5年間、足の裏が真っ白。去年の夏はそれが改善せず、かかとが白いまま秋、冬に突入。そのとたん、割れました。足の後方部分から放射状にギザギザが入り、うわさには知っていましたが、痛くて歩けないのです。フェーーー。
 そのときに、わらにもすがる気持ちで通販生活2005年冬号の中の「かかとカサカサ防止靴下」三足5,145円を見つけました。靴下の内側に、不思議な布が1-2箇所はってあるだけのソックス。
 ところが、それを履くや、数日で効果てきめん。白かった足が、もとのすべすべ肌色に変わりました。ありがたや。ありがたや。思わず通販生活を拝みました。
 それからは、高いけど、他を節約しても「かかとカサカサ防止靴下」を追加購入し、履き続けております。
 まーー、女性の皆さんはストッキングでしょうから、ソックスなんてあまり履かれないかもしれませんが、とにかく、すばらしい効果です。足の裏のガサガサで困っているみなさま、ぜひ、通販生活2005年冬号です。

109 猪口大臣、藤野真紀子議員にお目にかかりました

2006-02-13 21:42:57 | 身体障害者福祉
↑衆議院会館には、身体障害者補助犬法のことで日参した思い出があります。そのときは、議員の方々への陳情でしたので、大変緊張して、あまり良い思いではありません。このたび、料理の鉄人の陳様たちが開催してくださっております「聴導犬支援のためのチャリティ・ランチ・パーティ」のご縁で、衆議院の藤野真紀子様とお目にかかり、応援していただけることになりました。
 2月11日には、名古屋市で開催された藤野先生主催の「ウーマンズ・アカデミー・in 愛知」の発会式で、猪口邦子大臣(内閣府特命担当大臣)と、佐藤衆議院議員とのご講演を拝聴することができました。みなさまご存知のように、お三方は、小泉チュルドレンでいらっしゃいます。各々の分野でも、秀でたみなさまなので、お話も深い知識に根ざした格別の内容でした。
 特に、猪口大臣の「少子化」への憂いとともに、参加された方々(主婦の方が多かったような気がします)への期待。議員として「地域のやさしさを紹介するのが、仕事」というお言葉がとても印象的でした。
 藤野様は「食育」の分野で、少子化やお子さんたちの健全な成長に寄与されていますが、食は、本当に「命の源」。栄養成分も大事ですが、「おいしい」とか「あたたかい」とかの記憶がどれほど、人間形成を豊かにするか、栄養成分表では想像できないような人知を超えるものがあるではないでしょうか。
 (福)日本聴導犬協会では、児童への情操教育として、補助犬の候補犬へのボランテリアをお子さんたちにお願いしております。候補犬へのブラッシングや歯磨きなどを、協会に来てくれる宮田小学校のお子さんたちにお願いしています。それは、協会犬たちからの「やわらかい」とか「あたたかい」、「(ブラッシングやマッサージで)気持ちよさそう」「心臓がドキドキしてるね」といった、触(しょく)育を目指している部分があります。
 藤野先生の食も、私どもの触も、音は、同じでした。それと、とても人間の原始的な本官的な部分に密着しているという点でも通じるところがあるような気がします。
 議員の方たちへの賞賛は、ほとんどさせていただいたことがないのですが、あのおやさしいお人柄、目配り、気配り、お心配りを拝見すればするほど、人生の先輩として、藤野先生に出会えたことは「宝」を得たのと同じと、感謝しております。

 

108 初雪、まみちゃん 喜ぶ??

2006-02-07 16:15:53 | 捨て犬&動物保護
↑どうも、日本犬というのは洋犬と比べて表現が武士道っぽいですね。無表情っていうか。日本犬好きには、この慎み深さもきっと、利点に違いないのです。
 私も個人的に、たち耳、とんがり鼻。巻き尾という、典型的な日本犬の姿が好みですが、一緒に遊んでいて、こんなに楽しいことしてるんだから、もっと笑ってーーーーみたいな気持ちになることがあります。
 このごろは、洋犬とのミックスが多かったせいで、感情表現の豊かさのわかりやすさに馴れてしまったような気がします。
 さて、毎年恒例の年2-3回の雪が昨日から降りました。積雪量40センチくらいで、2軒の家屋の前を雪かきするだけで、3人で2時間かかりました。
 せっかくなので、真実ちゃんに、雪を見せようと、庭 兼 犬のプレイグラウンドに積もったフカフカの雪の上からポーンと小さく落とすと、ボスっと丸い体が雪の中に埋まって、しばらくはボーゼンとしてました。そのうち、機械じかけのぬいぐるみのように、もごもごと動き出し、ささやかな幅ですが、ピョン・ピョンという具合に飛びながら歩きはじめました。
 でも、表情は絵に描いた柴犬の子犬。まったく動きません。楽しいのか、驚いているのか、いささか不明。
 矢沢さんが、小さな体の冷えを恐れてそろそろ部屋に入れようと「真実、真実」と、呼びかけても、いつになくトコトコ遠くへ行くので、本人的には、うれしかったようです。
 協会に来て4日目。初めて、ノビノビと四肢を伸ばして、熟睡していました。

 ハローアニマルさんには、1匹だけ捨てられていた子犬で、脱肛(肛門から腸が親指の先くらいはみ出していた)があったことから、この子だけ捨てられていたんでしょうとのことでした。気性が良くても、医療費がかかる子は、すぐに捨ててしまう飼い主さんは多いです。悲しいことです。

107 オフィスケネルと、まみちゃん&えみちゃん

2006-02-06 14:53:41 | 捨て犬&動物保護
↑(福)日本聴導犬協会にも簡易な犬舎はあります。冬用にパネルヒーターをいれ、夏には扇風機と網戸のドアに換えます。できるだけ協会犬が居心地がいいよにとの願いで、工夫は欠かせません。
 でも、協会犬たちは、スタッフと24時間一緒にいるようにしてます。犬舎に入れるのが、個人的に嫌いなせいもありますが「オフィスケネル」と言って、事務所の中を犬舎がわりにして協会犬が昼夜、自由な時間を過ごせるようにしています。
 保健所で候補犬として選ばれ、その後、すぐにソーシャライザーのお宅に預けられます。人間のあかちゃんのように慈しんで育てていただき、候補としての適性があると判断した段階で、協会に戻り、訓練が始まります。その段階で、急に犬舎に入れたら、それまでの人間との接触で得てきた安堵感や、信頼感を満たせず、ストレス(ケネルストレス)になる候補犬もいるのです。

 なので、協会を始め、第1回目の候補犬が戻ってきた1998年から協会では犬舎はありますが、昼夜のオフィスケネルを通しています。仕事時間後は、スタッフはいつもは1頭。時には、3頭をつれて家に帰ります。写真は、まなちゃん担当の恵美ちゃん。乳母役のななちゃんと一緒に、協会→松下宅→協会と、通勤しています。昨日は一晩中、興奮して一人で遊んでいるまなちゃんのせいで、えみちゃんもななもちょっと睡眠不足かも。
 このオフィスケネルしか行ったことがないので、これが当たり前になっていましたが、ADI(国際アシスタンスドッグ協会)で、出会う訓練士にその話をさせていただくと、ほとんどの方が、共感をもってくださるのも、うれしいです。
 以前「オフィスケネルをしている君たちが、うらやましい」と言っていた3人のトレーナーが他の団体へ移り、(福)日本聴導犬協会ような
「オフィスケネルにしたよ」とうれしそうに報告してくれました。
「結果は?」と聞くと
「何万倍もすばらしい。悪いことなんかひとつもないよ」との答えでした。
 補助犬は確かに、身体障害者の方を助ける特別に訓練された犬たちです。そのためには、情感の豊かな情の深い犬の方が、合っているのではないしょうか? 仲間(ユーザーさん)を愛して、家族同様にいたわり、励ます、そんな存在が補助犬だと考えます。機能だけではなく、愛情の交流がそこにあって、初めて補助犬になれるのだと思います。
 スタッフも毎日大変ですが、これからも犬連れ通勤は続きます。