古寺歩き絶好シーズンの緒、10日の土曜日、所用のため古寺訪問出来ず、ついに一
週間空けてしまいました。休みに仕事とはトホホ…。気を取り直して17日は…。
栄山寺
今月はじめ、NHKで「大仏開眼」が放送されました。あの時代の権力構造の複雑さ
と権力者間の人間関係の葛藤を含めて天平という仏教文化絢爛期、律令政治の萌芽
から実践面で民衆との乖離と仏教が果たした役割と成果とは、など時代の中のボク
たちが理解しているエポックを脚色しながら物語は進行しました。ストーリーや登
場人物の性格付け、内容については、見た方それぞれの思いやご意見がお有りでし
ょう。いつの時代も絶頂期は続かない、凋落の早さは時の仲麻呂といえども例外で
はなかった。かなり気の毒な役回りの藤原仲麻呂がその絶頂期に関係したと云われ
る、五条の栄山寺を訪ねました。
黄色やまぶきが今盛り。
涛々と流れる吉野川の河畔に、仲麻呂の父、南家の祖武智麻呂が、その父不比等が
力を注いだ興福寺建立の槌音が響いていた頃、南大和の地に建立したと伝えられて
います。武智麻呂が歴史に名を残しているのは、やはり有名な長屋王事件への関与
が挙げられます。続日本紀、藤原氏家伝にその事績が語られていますが、栄山寺造
立に関しては明快な記述は見あたりません。考えようによっては、藤原一門が全身
全霊で興福寺を造営中に不比等長子が遠く離れたこの地で同時に寺院を造営する事
が可能だったのだろうか。
参道
バス停前にすぐ入り口。山門はもう少し東に有りますが現在は締め切りです。
鐘楼
国宝中の国宝と謳う梵鐘、「平安三絶」の名鐘と云われ、菅原道真や小野道風の名
が記されているという。鐘楼はコンクリート造で国宝梵鐘とは非常に不釣り合いの
感じがします。
本堂
室町時代再建の本堂には、木造漆箔の薬師如来坐像を祀っています。本堂は中央蔀
戸と左右の扉は閉まっていました。
蔀戸から堂内を覗くと中央須弥壇にお厨子が置かれ扉は閉ざされていました。
本堂前の青紅葉
本堂前の石灯籠
鎌倉中期の銘があり、栄山寺形と云われる著名な灯籠で重要文化財です。
八角円堂
栄山寺で最も著名な堂宇。藤原仲麻呂が父武智麻呂と母供養のために建立したと伝
わる国宝堂宇。当初は草葺きの屋根で明治の終わり、解体修理の時に瓦屋根にした
という記録が残るそうです。国宝の定義ってなんでしょうネ。
八角円堂で著名なものは、法隆寺夢殿、興福寺北円堂、南円堂などがありますが、
それらに比べて遜色のないお堂です。小さいお堂ですが、構造は独自工法で天平後
期の名建築に数えられているそうです。
八角円堂の内陣
中央須弥壇にご本尊薬師如来坐像が祀られています。黄金の光背が一際光彩を輝か
せています。後補のものですが、見事な曲線の流れが上部へとまるで薬師如来の気
の流れがお堂全体を覆うようなそんな感じがします。
八角円堂の格天井
八角柱4本に支えられた格天井の彩色画は今はほとんど見ることは出来ません。
塔之堂
栄山寺は真言宗豊山派のお寺で、このお堂は大日堂です。空海さんと不動明王、観
音菩薩を祀っています。
塔之堂前に咲くやまぶき
七重石塔婆
初層四面に金剛界四仏の種子(梵字)が彫られ、奈良時代の建立で最も古い石塔と
云われています。
栄山寺前バス停
時刻表ご覧になれるでしょうか、一日4本です。そんなところに栄山寺はあります。
吉野川の流れ
川色は深みのある青磁、涛々の流れは歴史に翻弄されない意志を感じます。激動の
時、平穏の時、いつの時代もこの流れは変わらずその時々の世を、その時々から未
来へと移り変わるその時の姿を眺めていたのでしょうか。
週間空けてしまいました。休みに仕事とはトホホ…。気を取り直して17日は…。
栄山寺
今月はじめ、NHKで「大仏開眼」が放送されました。あの時代の権力構造の複雑さ
と権力者間の人間関係の葛藤を含めて天平という仏教文化絢爛期、律令政治の萌芽
から実践面で民衆との乖離と仏教が果たした役割と成果とは、など時代の中のボク
たちが理解しているエポックを脚色しながら物語は進行しました。ストーリーや登
場人物の性格付け、内容については、見た方それぞれの思いやご意見がお有りでし
ょう。いつの時代も絶頂期は続かない、凋落の早さは時の仲麻呂といえども例外で
はなかった。かなり気の毒な役回りの藤原仲麻呂がその絶頂期に関係したと云われ
る、五条の栄山寺を訪ねました。
黄色やまぶきが今盛り。
涛々と流れる吉野川の河畔に、仲麻呂の父、南家の祖武智麻呂が、その父不比等が
力を注いだ興福寺建立の槌音が響いていた頃、南大和の地に建立したと伝えられて
います。武智麻呂が歴史に名を残しているのは、やはり有名な長屋王事件への関与
が挙げられます。続日本紀、藤原氏家伝にその事績が語られていますが、栄山寺造
立に関しては明快な記述は見あたりません。考えようによっては、藤原一門が全身
全霊で興福寺を造営中に不比等長子が遠く離れたこの地で同時に寺院を造営する事
が可能だったのだろうか。
参道
バス停前にすぐ入り口。山門はもう少し東に有りますが現在は締め切りです。
鐘楼
国宝中の国宝と謳う梵鐘、「平安三絶」の名鐘と云われ、菅原道真や小野道風の名
が記されているという。鐘楼はコンクリート造で国宝梵鐘とは非常に不釣り合いの
感じがします。
本堂
室町時代再建の本堂には、木造漆箔の薬師如来坐像を祀っています。本堂は中央蔀
戸と左右の扉は閉まっていました。
蔀戸から堂内を覗くと中央須弥壇にお厨子が置かれ扉は閉ざされていました。
本堂前の青紅葉
本堂前の石灯籠
鎌倉中期の銘があり、栄山寺形と云われる著名な灯籠で重要文化財です。
八角円堂
栄山寺で最も著名な堂宇。藤原仲麻呂が父武智麻呂と母供養のために建立したと伝
わる国宝堂宇。当初は草葺きの屋根で明治の終わり、解体修理の時に瓦屋根にした
という記録が残るそうです。国宝の定義ってなんでしょうネ。
八角円堂で著名なものは、法隆寺夢殿、興福寺北円堂、南円堂などがありますが、
それらに比べて遜色のないお堂です。小さいお堂ですが、構造は独自工法で天平後
期の名建築に数えられているそうです。
八角円堂の内陣
中央須弥壇にご本尊薬師如来坐像が祀られています。黄金の光背が一際光彩を輝か
せています。後補のものですが、見事な曲線の流れが上部へとまるで薬師如来の気
の流れがお堂全体を覆うようなそんな感じがします。
八角円堂の格天井
八角柱4本に支えられた格天井の彩色画は今はほとんど見ることは出来ません。
塔之堂
栄山寺は真言宗豊山派のお寺で、このお堂は大日堂です。空海さんと不動明王、観
音菩薩を祀っています。
塔之堂前に咲くやまぶき
七重石塔婆
初層四面に金剛界四仏の種子(梵字)が彫られ、奈良時代の建立で最も古い石塔と
云われています。
栄山寺前バス停
時刻表ご覧になれるでしょうか、一日4本です。そんなところに栄山寺はあります。
吉野川の流れ
川色は深みのある青磁、涛々の流れは歴史に翻弄されない意志を感じます。激動の
時、平穏の時、いつの時代もこの流れは変わらずその時々の世を、その時々から未
来へと移り変わるその時の姿を眺めていたのでしょうか。