スティーブ・マックイーンの背広姿から

　映画「華麗なる賭け」は、主演のスティーブ・マックイーンが背広を着用したことで大きな話題になりました。

　僕は中古ですがブルーレイで見直し（過去にＤＶＤを所有していたので、シナリオは部分的に覚えていました）、３ピーススーツの圧倒的存在感を改めて確認した次第です。

　マックイーンからすれば、大脱走やブリットに代表される背広姿ではない衣装の方が彼に似合うとされています。

　２００４年、まだグッチの総責任者であったトム・フォードが「テキサス・カウボーイ」と名付けたコレクションは、この華麗なる賭けのスティーブ・マックイーンにささげた、と聞いたことがありますから、やはり彼の背広姿は特別なのでしょうね。

　日本代表の２０２２年公式スーツもまもなく披露されると思います。

　カタール・ワールドカップへの出場権が決定したわけではなく、代表の定位置争いもここにきて混沌としています。

　逆に言えば、日本代表が出場権を獲得し、ワールドカップ２３名に選出され、アルフレッド・ダンヒルから採寸を受け、公式スーツを着用することはやはり名誉なことといえます。

　アルフレッド・ダンヒルに限らず、現在の背広はウールではなく

　新型コロナウイルスの影響で家庭で洗濯できる素材が人気
　ウール１００％でも、ジャージ素材のように伸縮が鮮やかである
　皺になりにくい素材

　というように、価値観が大きく変化しています。

　それでもダンヒルは背広の基本であるカッターの鮮やかな採寸と、美しいドレープで選手たちを包み込むに違いありません。

　彼らは基本、ジャパン・ブルーとでも言いましょうか、濃紺の背広で選手たちを声援しますが、２０２２年度も同様に白シャツにタイバー、そして３ピースといういで立ちが基軸となる、と勝手に想像します。

　情報の公開が僕は今から楽しみです。