今週からシーン割稽古が始まった。
まずはテーブル稽古(^^)
時代背景、人々の生活、価値観を落とし込み
役の人物像を探っていく。
作品全体におけるシーンの役割、役の役割を把握し
シーンの山場、重要度を洗い出す。
また、役の前提条件を明確にして
登場前の感情・身体を想像し落とし込む。
前提条件とは・・・
1 目的:なぜここ来たか[行為が発動したきっかけは何か]
2 感情:どんな心持ちなのか[喜怒哀楽、好奇心、知的欲求、野次馬、驚嘆、恐怖、心配etc.]
3 身体:疲労度合い、呼吸、表情、寒暖、心拍数etc.
2と3は、1から導き出される。
人間は日常、これからのことを瞬時に判断して行動しているんだよね。
あまり意識せずに(^_^;)
凄いよね、人間の判断の速度って。
けど、無意識に行っているようで実は確実に何らかの意識が働いている。
その基準は価値観。
価値観を司っている事柄は・・・
1 大切にしていること(バックボーン)
2 好み
3 喜怒哀楽のポイント
で、この価値観がその人の物差しとなる。
で、行動は、この物差しが基準となって生まれる。
よく「行動を見ればその人がわかる」と言うよね。
その理由がコレ。
あ、一つ付け加えておかねば(^_^;)
「行動を見ればその人がわかる」というのも
判断する人の物差しによって異なる。
人間は多面的である。
一面から見ると、悪意があるようにしか思えない行動でも
別の面(角度)から見ると、正反対に思える場合もある。
故に一面から瞬時に判断しがちな人は
魚眼レンズのような多角的な視点を持つようになると
判断を誤ることが少なくなる。
それと、フィルターをかけていると
本質が見えないこともある。
フィルターとは「思い込み」のこと。
あの人は「こういう人間だ」と思い込んでいると・・・
あら不思議~
どんな行動もそう見えてくるから困ったもんだ。
悪意があるように見える行動であっても
その人にとっては何らかの理由があり
それはその人にとってとても大切な何かなのだ。
大切に思っていることが異なるだけなんだよね。
「正義」という奴も同じ。
一方から見れば「正義」であっても
他方から見れば「悪」になる。
役者が役を想像するために必要なことは
●台本から人物の行動と台詞が生まれるきっかけを読み取る。
つまり、自分の台詞ではない部分にヒントは隠れているのだ。
台詞から読み取れる表面的な感情だけで演じると
薄っぺらい演技になってしまう。
薄っぺらい演技だらけの舞台は
薄っぺらい作品になってしまう。
どんなに大志を持って描いた作品だとしても
奥底に流れる大切なことがお客様に伝わらず
残念な結果になってしまうんだよね。
だから前提条件は非常に重要!
しかも!
この考え方を修得すると日常も役立つのだ。
逆説的に言えば――
日常から多面的に人物を観察出来る人は
良い役者になれる素養がある!
ということ♪
それは何故か?
台本から人物を読み取る能力に長けているはずだから。
読み取って想像したことを、自然に体で表現するには
自在に動く体と感性と集中力が必要。
媒体は自分の体と感情と感性
それ以上でも以下でもない。
だから、常日頃から自分自身を磨く。
体も心も(^^)
そのための基礎訓練であることを忘れないでね。
何のために…を忘れて
ただカリキュラムを惰性で行っても
何の効果も期待できない。
常に「目的」を意識して取り組む人は
驚くほど成長が速いんですわ。
今までも前提条件が大事であることを
役者陣に伝えながら舞台を作って来たが
今年は最重点項目として取り組んでいく。
結果は舞台に必ず現れる・・・はず。
楽しみ~~(^^)