蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

シーン割稽古開始!

2017年01月20日 23時46分09秒 | 日記

今週からシーン割稽古が始まった。

まずはテーブル稽古(^^)


時代背景、人々の生活、価値観を落とし込み
役の人物像を探っていく。

作品全体におけるシーンの役割、役の役割を把握し
シーンの山場、重要度を洗い出す。

また、役の前提条件を明確にして
登場前の感情・身体を想像し落とし込む。

前提条件とは・・・

1 目的:なぜここ来たか[行為が発動したきっかけは何か]
2 感情:どんな心持ちなのか[喜怒哀楽、好奇心、知的欲求、野次馬、驚嘆、恐怖、心配etc.]
3 身体:疲労度合い、呼吸、表情、寒暖、心拍数etc.

2と3は、1から導き出される。

人間は日常、これからのことを瞬時に判断して行動しているんだよね。

あまり意識せずに(^_^;)

凄いよね、人間の判断の速度って。

けど、無意識に行っているようで実は確実に何らかの意識が働いている。

その基準は価値観。

価値観を司っている事柄は・・・

1 大切にしていること(バックボーン)
2 好み
3 喜怒哀楽のポイント

で、この価値観がその人の物差しとなる。

で、行動は、この物差しが基準となって生まれる。

よく「行動を見ればその人がわかる」と言うよね。
その理由がコレ。

あ、一つ付け加えておかねば(^_^;)

「行動を見ればその人がわかる」というのも
判断する人の物差しによって異なる。

人間は多面的である。

一面から見ると、悪意があるようにしか思えない行動でも
別の面(角度)から見ると、正反対に思える場合もある。

故に一面から瞬時に判断しがちな人は
魚眼レンズのような多角的な視点を持つようになると
判断を誤ることが少なくなる。

それと、フィルターをかけていると
本質が見えないこともある。

フィルターとは「思い込み」のこと。

あの人は「こういう人間だ」と思い込んでいると・・・

あら不思議~

どんな行動もそう見えてくるから困ったもんだ。

悪意があるように見える行動であっても
その人にとっては何らかの理由があり
それはその人にとってとても大切な何かなのだ。

大切に思っていることが異なるだけなんだよね。

「正義」という奴も同じ。

一方から見れば「正義」であっても
他方から見れば「悪」になる。

役者が役を想像するために必要なことは

●台本から人物の行動と台詞が生まれるきっかけを読み取る。

つまり、自分の台詞ではない部分にヒントは隠れているのだ。

台詞から読み取れる表面的な感情だけで演じると
薄っぺらい演技になってしまう。

薄っぺらい演技だらけの舞台は
薄っぺらい作品になってしまう。

どんなに大志を持って描いた作品だとしても
奥底に流れる大切なことがお客様に伝わらず
残念な結果になってしまうんだよね。

だから前提条件は非常に重要!

しかも!

この考え方を修得すると日常も役立つのだ。

逆説的に言えば――

日常から多面的に人物を観察出来る人は
良い役者になれる素養がある!

ということ♪

それは何故か?

台本から人物を読み取る能力に長けているはずだから。

読み取って想像したことを、自然に体で表現するには
自在に動く体と感性と集中力が必要。

媒体は自分の体と感情と感性
それ以上でも以下でもない。

だから、常日頃から自分自身を磨く。

体も心も(^^)

そのための基礎訓練であることを忘れないでね。

何のために…を忘れて
ただカリキュラムを惰性で行っても
何の効果も期待できない。

常に「目的」を意識して取り組む人は
驚くほど成長が速いんですわ。


今までも前提条件が大事であることを
役者陣に伝えながら舞台を作って来たが
今年は最重点項目として取り組んでいく。

結果は舞台に必ず現れる・・・はず。

楽しみ~~(^^)