蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

2018年を振り返って・・・⑤その他もろもろ その1

2019年01月01日 23時53分20秒 | 日記

2018年は激動の一年であり
演出家として真価を問われる一年でもあった。

脚本執筆のスピードと精度も求められるようになり
下調べはホント大変だけど
ピースがハマり出すと面白い。
ようやく書くことも面白いと思えるようになった。

精神的に辛い時期もあったけど
辛いと思うのは私の内面の問題でしかなく
面白いと思うことを見つけると瞬時に辛さは消えていく。

全ては心の持ち方、考え方次第。

面白いことを見つけるのが得意な私は
常に楽しみながら数々の仕事に
取り組むことが出来たように思う。

昨年は劇団員の成長が著しい一年でもあった。

物理的に私がいない稽古時間が多く
劇団員が稽古場をしきって
作品創作の助力となってくれた。
そうした物理的側面と精神的成長が重なり
劇団員たちの自立が進んで
成長につながったんじゃないかなー

それに伴い、研修生の意識も高くなったように思う。

良き先輩がいると、良き後輩が生まれる。

こういうのを相乗効果っていうんだろうなー

8月の2018信州総文祭、小布施野外シアター
10月の皆神神社奉納劇を無事終えて
次の目標は11月に開催する毎年恒例サンクス・ギビング・デー

これは夢幻工房感謝祭♪
一年間お世話になった皆様に夢幻の団員たちが
おもてなしをして楽しんでいただくパーティ♪

毎年、おもてなしの一つとして
2本の短編劇を上演している。

一昨年は、ケンジ演出の短編劇を上演したが
昨年は稽古時間数が限られていたこともあり
過去に上演した短編劇を私が演出し
キャストは劇団員に決めた。

研修生は劇団員と共に、ここ数年連続上演し続けている
「外郎売 夢幻オリジナルver.」に集中して取り組んで
様々な表現を生み出した。

キッズは昨年で3年目となったキッズ狂言に挑戦。

演目選定に時間がかかり、台本を渡したのは9月下旬。

9月に入団したユキカちゃんも加わり
キッズ6人versionの台本を執筆。

サンクスは劇団感謝祭であり
夢幻にとっては本公演と同等の大切なイベントである。

予定では奉納劇が終わるころには
劇団本公演の台本を書き上げるつもりだったが
それまでの予定がずれ込んだ分
本公演台本の脱稿が遅れてしまった。

サンクスの準備をしながら、本公演台本に取り組む毎日。

当初は2012年に上演した
「SANGETSU」の再演というコンセプトだったけど
前回台本を読み返したところ

 書き直したい・・・書き直そう!

と思い立ち、全く異なるコンセプトの台本を書き始めた。

で、下調べをし直して・・・数冊の本を読み再構築していく。

結果として良き台本になったと思うが
キャスト陣にとっては厳しいスケジュールになってしまった。

一つの遅れが全ての遅れになる。

肝に銘じて、どこかで帳尻を合わせ
平成が終わる頃には、予定どおりに進められるよう努めよう。

あ、そうそう。

奉納劇の本番の次の週から始動した
もう一つ大きなお仕事がありました。

須坂☆キッズシアタープロジェクト♪
主催はドリーム・コンシェルさん

理事長のSさんからご依頼をいただきました。
お声がけをいただき、ありがとうございます!

これは、一般公募で集まった小学生たちが
演劇ワークショップを経て一つの舞台を創り上げ
最終日に演劇発表を行う企画。
発表会では、幕末の動乱や江戸時代の人々の生活や
須坂藩第13代藩主・堀直虎公の業績について
語って演じて歌って踊っちゃいます♪

出演者は小学生のみで、かなりチャレンジャーな企画。

目指すは子どもたちの能力開眼!

私は野外劇に参加する小学生や
夢幻キッズたちを指導するうちに
子どもたちは多少高度なことでも
「やればできる」と思うようになった。

子どもの限界を決めているのは大人かもしれない、と。

昔からよく聞くのは

「子どもの集中力はせいぜい1時間程度」

という大人たちの言葉。

確かに子どもたちの習い事は1時間枠が多いし
授業も1時間以内だよね。

児童劇をご依頼いただいた時も
1時間以内でお願いします、と頼まれる事が多い。

けど、本当にそうなのかな・・・

夢幻の舞台に関わる子どもたちは
2時間以上の稽古でも
楽しみながら取り組んでいる。

なぜだろう?

子どもは好奇心旺盛♪
興味があれば、何度でもしつこいくらい同じことを繰り替えす。

そんな光景を見たことがある人も多いのでは?

要するに「面白い」と思えば
子どもの集中力は持続する!
ということなんだよね。

もちろん稽古中に飽きたり疲れたりする子もいる。
みんな一人一人特性が違うので
無理強いしても仕方ない。

子どもたの興味を引き付ける何かを提供するのが
私たちの仕事。

一般公募でキャストを募集する企画は
日常出会えないお友だちと知り合える機会でもある。
仲間と一緒に、非日常の世界で様々なことを学び刺激を受け
最後はお客様から大きな拍手をいただくことで

舞台の利点は、目標に向かって積み重ねた結果
大きな達成感を味わうことができること。

子どもたちの潜在能力を少しでも引き出す機会になるよう
精一杯サポートしていこう。

この企画は、須坂市長始め、大勢の須坂市民の皆様が応援してくださっている。
また須坂市にて紙芝居をされている皆さんによる紙芝居上演や
語り&尺八・箏による演奏も予定されている。

須坂市の皆様のご支援とご協力に感謝!

本番は1月6日(日)14:00開演
会場は須坂市メセナホールの小ホール

 

ご予定が付きそうな方はぜひお越しください。

 

話が飛んだ(汗)

長くなったので、今日はここまでにしよう(^-^;


2018年を振り返って・・・④皆神神社創建1300年記念 奉納劇

2019年01月01日 23時00分22秒 | 日記

皆神神社で奉納劇?

皆神神社は信州松代の皆神山にある神社。

パワースポットとして知られ
江戸時代は多くの修験者で賑わい
北は戸隠、南は皆神と呼ばれるくらい
存在感があった神社である。

皆神山ピラミッド説や
UFOの発着場説など興味深い説もある。

そんな相談をナノグラフィカのたまちゃんからいただいたのは2月の末
劇団本公演でJUNK BOXで仕込みをしている最中だった。

ひとまず公演がひと段落するまで保留にしていただいたところ
奉納劇の主催者である武藤さんが本公演を見に来てくださるという。

久しぶりにたまちゃんとネオンのなっちゃんも観に来てくれて
断れないかも・・・と思ったことを覚えている。

そうは言っても、昨年は大きな舞台を二つ抱え
どう考えてもスケジュールはガチガチ。

総文祭と小布施野外シアターが終わった後なら
何とかなるかな・・・

と思いつつ、長野公演終了した数日後に
ナノグラフィカで、武藤さんとたまちゃんから
奉納劇の相談を受けた。

実はこの日、東京からダンサーの淳くんが来長して
ダンスの振付を決めることになっていたんだけど
奉納劇の方も断るにしても引き受けるにしても
早いに越したことはないということで
淳くんには全体の流れを説明し
自主練をしてもらうことにして
打ち合わせ場所に向かった。

武藤さんからお話を聞いたところ

・市民参加の劇
・ステージは皆神神社の境内
・時期は10月中旬

武藤さんがこの奉納劇にかける熱い思いを伺い
出来ることなら関わりたい・・・と思ったが
何しろタイトなスケジュール。
状況を説明したところ、可能な範囲で構わないと・・・

1300年記念事業の奉納劇と聞けば
普通の人なら臆しちゃうかもね。

私は皆神神社に興味があったし
武藤さんがテーマにしたいという「祈り」については
私自身も思うところがあり
日本の神様についても、以前かなり調査したことがあり
古事記や日本書紀も読んだことがある。

ある程度ベースがある分野でもあり
主催者側から粗筋も提示されたため
これならそれほど苦労することなく
台本を書けるかもしれない・・・と思い
お引き受けすることに。

たまちゃんには、演出助手を探してくれるように頼み
夢幻の本公演や野外劇に出演してくれたことのある
さとけんさんが演出助手をしてくれることに決まった。

ヒロインは一般公募してオーディションで決めるという。

一般公募ということであれば、基礎訓練WSが必要であることも伝え
野外劇の通し稽古が始まる前の期間で
演劇基礎訓練WSを行うことにした。
総文祭の実行委員会や野外劇の稽古とバッティングしないように
スケジュールの隙間をぬって日程調整。

全て私の都合を優先してスケジュールを立ててくれて感謝。

劇団員から「引く受けたんですか??」と言う声も上がったが
野外劇が終わるまで、奉納劇に関しては負担をかけないと伝えた。

5月のゴールデンウイーク中にヒロインオーディションを行い
中学生の女の子がヒロインに選ばれた。

予定では5月末までに野外シアターの台本を脱稿し
6月中旬までに奉納劇の台本を仕上げたかったが
諸々予定がずれ込んで、6月は古事記を読み直すだけで精一杯の状況(汗)

流石にうろ覚えの状態で台本を執筆するわけにはいかない。

記憶を手繰り寄せながら、確認したい情報を調査していくが
気になるとトコトン調べなければ気が済まない性質で
下調べに想定以上の時間を要してしまった。。

6月下旬から始まるWS前までには
奉納劇の大筋を立て、それに沿って稽古するという約束だった。
なので、WSが始まる前に何とか途中まで台本を執筆。

一般公募で集まったメンバーは演劇経験のない人や
演劇経験の浅い人が多く、子役も応募してくる前提で
既に台本を書き始めていたが、初期段階で小学生の応募はなかった。

人数も想定より少なくて

うーむ・・・どうしたものか・・・

と悩みつつ、応募期間を延長していただくことに。

小学生に関しては、小布施野外シアターに参加している子どもたちに打診。

何人かが興味を示してくれて、参加することに。

但し小布施野外シアターのキッズ稽古と
奉納劇WSの時間帯が被っているため
小学生の奉納劇合流は小布施野外シアター終演後の
9月からということで主催者に了承をいただいた。

全部を書き終える目標を7月中旬に再設定したが
総文祭本番直前で時間を取れず・・・

8月もさとけん中心にWSを行ってもらい
9月第一週から本格的な稽古に入る予定なので
何としてもそれまでには台本を脱稿しなければならない。

小布施野外シアターが終わった翌日から
すぐに奉納劇の台本執筆にとりかかった。

稽古初日までの5日間で、何とか形にすることができたが
その後も稽古しながら修正を重ねていく。

実は最後まで決まらない役が一つあった。
この作品のコンセプトとしてとても重要な役。

台本の梗概を考えた時
私の中には、ヒロインオーディションに参加した
一人の中学生の女の子のイメージがあった。
当初はその子に演じてもらうつもりだったが
諸事情で参加できないことが判明。
その後、たまちゃんや宮下さんに頼んで
合気道を出来る中学生を探してもらったものの
一向に候補者が現れない。

そこで白羽の矢を立てたのが研修生のミッキー

彼は武道を習ったことはないが
現役中学生だし、演技もある程度できる。

合気道の手ほどきを受けることが出来れば可能かも・・・

打診したところ、一つ返事でOK.

そこで、合気道の達人・夢幻の塚田理事に
一回だけお願いして、ミッキーの手ほどきをしていただいた。

ミッキーは頭が良く物覚えがとてもいい。
研修生として身体訓練を受けていることもあってか
合気道の基本的な所作を2時間程度で凡そ習得。

塚田さんも驚くスピードだったようだ。

ご協力に感謝です!

 

神社で行う奉納劇・・・

タイトルは「MINAKAMI ~時をつむぐ精霊」

ジャンとしてはファンタジー♪

 

太鼓や笛の音が欲しいな・・・

やっぱり生演奏がいいな・・・

という相談を主催者に相談し
予算の捻出をお願いしてみた。

そうそう、予算で思い出した。

舞台スタッフは長野三光さんに依頼したが
予算が少なくて、ご無理を言って
引き受けていただいた経緯もあり
生演奏は無理かな?と思っていたが
作曲を頼むにしてもギャラは必要。

たまちゃんに限られた予算内で
引き受けてくださる奏者を探してもらった。

候補に上がったのが笛の後藤さん。

後藤さんには、以前オープンエアした―に幾度となく
演奏出演していただいたことがあった。

お寺でライブを行うことが多い後藤さんなら
この奉納劇にピッタリかも・・・

しかも、後藤さんが笛の曲も作曲もして下さるという。

更に後藤さんがパーカッショニスト・シモンさんを
紹介してくださり、とんとん拍子で奏者が決定。

奉納劇製作委員会が作ったイメージソングを
エンディングで流したいが
可能なら歌も生で歌っていただけたら・・・と再び主催者にご相談。

イメージソングをレコーディングしたOkikaさんが
本番のエンディングで歌ってくださることになった。

ありがとうございますm(__)m

稽古期間は僅か一ヶ月と少し。
その中で複数の歌や踊りを練習するのは厳しい。
全員で歌う歌は一曲、踊りも一曲に絞った。

当初アンサンブルは週1回、メインキャストは週2回の稽古予定だったが
人数が少ないため、全員がメインキャストのようなもの。
ヒロインも演劇経験がないため、どうしても演技指導に時間がかかる。

最終的に稽古数を週3回に増やすことに。

経験こそないメンバーだったが、どの人も前向きで意識が高く
一生懸命稽古に励んでくれて、徐々に輪郭が見え始めた。

本番が近づくにつれ、製作員会と制作たまちゃん、そして私の
三者会議を毎週行い、意思疎通を図ることに。

予算がないため、夢幻の衣装や小道具をお貸しすることに。

その結果、劇団員にも手伝ってもらう必要が出て来て
最終的にはスタッフとして関わってもらった。

と言っても、小布施野外シアターが終わってからの合流。

製作委員会事務局の宮下さんのご配慮で
皆神神社の境内にて稽古を2回行うことができ
これが本番成功の一番の要因となった。

神さまの御前で行う奉納劇・・・

そう思うと気持ちが引き締まる。

キャストも同様に感じていたようで
みんなが真剣に真摯に取り組んでくれた。

おかげで奉納劇の稽古期間~本番終了まで
本当に気持ち良い稽古が出来た。

キャストの皆さん、お疲れ様でした。
皆さんのご尽力に心から感謝です!

たまちゃんもさとけんさんも可能な範囲で
精いっぱい取り組んでくれたし
主催者の武藤さん、宮下さん、カメラマンさんも
劇の成功のためにご配慮くださった。

劇団員のマユリンとサリアは
衣装・小道具・メイク担当として携わり
ケンジは、三光さんから頼まれてナント!
音響スタッフとして携わった。

研修生も仕込みやバラシのお手伝いとして参加。

みんなの協力に感謝!

キャストの中には仕込みやバラシを手伝ってくれるメンバーもいて
本当に助かったし、気持ちが嬉しかった。

おかげでバラシが早々に終わり
解散後、境内の裏側の芝生のところで
団員と一緒にお弁当を食べながら流星群の観測。

夜のピクニック~

本番は大勢の方にご来場いただき
好評をいただけてホッ♪

来年もまた上演してほしいという声も
聞こえて来て嬉しかった。

ご祭神である出速雄命もきっと近くで御覧になっていたに違いない。

大きな何かに守られている・・・
私にとっても他の現場で体験できない貴重な経験だった。

そして、心持の良いメンバーと出会えたことが嬉しい。

そうそう!
キャストの中に、書道家のハッパさんと言う方がいて
奥さんはつくしさんと仰るだんだけど
お二人ともとてもチャーミングで楽しい方だった。

パンフレットのタイトル文字はハッパさんが書いたそうです。

パンフレットと言えば、デザインは主催者の武藤さんがされたとか。

素敵デザイン♪

夢幻のチラシデザインをお願いしようかな?

などと考えたことを思い出した。

 

大宇宙と大地を感じつつ
過去・現在・未来を想像しながら
神への祈りと対峙した奉納劇(*^^*)

豊かな時間を過ごすことが出来た貴重なひと時だった。

お声がけをいただき、誠にありがとうございましたm(__)m

 

皆神神社創建一三〇〇年記念事業 奉納劇「MINAKAMI ~時をつむぐ精霊~」


2018年を振り返って・・・③小布施野外シアター2018

2019年01月01日 22時31分50秒 | 日記

3月の劇団本公演が終わり
予定では総文祭の台本も仕上がっていて
あとは小布施野外シアターと
3月にオファーがあった皆神神社奉納劇の台本執筆・・・

だったはずが、総文祭の予定がずれ込み
3月から5月にかけて、開会式の演劇練習以外に
打ち合わせや会議が入って、台本執筆の時間が取れず・・・

昨年の野外劇の主催者は小布施町文化事業活性化委員会様
実行委員長は岩松院のご住職さま
事務局長N氏が小布施町に演劇文化を根付かせたいと願い
各所に働きかけをしてくださって
長野県地域発元気づくり支援金のご助成と
小布施町の共催をいただき、開催する運びとなった。

裏を支えてくださるのはドリーム・コンシェルさん
理事長は演劇で町を盛り上げようと須坂市に事務所を構えた熱意溢れるSさん

演劇の可能性を感じてくださっているN氏とSさんがいなかったら
オープンエアシアターは終わってしまったかもしれない。

2001年から上演して来たNAGANO open-air THEATER(長野における野外劇)は
芸術文化振興基金様のご助成をいただき、若干の赤字を出しつつも
支払うべきところはきちんと支払い、赤字分は他の仕事でカバーして
年間通じての赤字にはならない運営が成り立っていた。

ところが・・・

平成28年の助成金申請時にプロ対象の助成金に切り替え
劇団本公演とオープンエアの二つを申請したところ
劇団本公演のほうはご助成をいただけることになり
東京公演が実現したが、オープンエアは落選。
理由は、市民参加の舞台としてのクオリティは高いが
一般の素人さんが大勢出演しているため
プロのステージとして認めることができない・・・とのこと。

助成金の当落がわかるのは申請を出した次の年の4月。

オープンエアの公募開始は2月のため
一昨年は見切り発車状態で公募をスタート。

結果は落選・・・

が、公募を開始した以上は、たとえ助成金をいただけなくても決行する!

と決めていた。

そして「奇想竹取物語 KAGUYA」を上演。
音楽を多用した野外音楽劇として創作し
芝居、生演奏、歌、殺陣、ダンス、身体表現のコラボによる
パワーエンタはお客様から好評をいただき、無事故で終えた。

しかし、やっぱり大きな赤字が残ってしまい・・・

このまま助成金なしで、この野外劇を継続するのは困難という結論に至る。

20周年までは何があっても継続しようと決めていた。

どんな困難があっても諦めずに乗り越えて
ここまで継続して来たのに・・・無念・・・

そんな時、小布施町文化事業活性化委員会様から有難いオファーが!

まさに「捨てる神あれば拾う神あり」

主催は変わるし、形も変わるだろうけど
市民参加の野外劇は継続することが出来る!(^^)!

この野外劇は、長野に演劇文化の土壌を育むのが目的で始めた事業でもある。

その根本的な理念が継続されるのであれば
形が変わったとしても、続けることに意義がある・・・

こんな有難いことはない。

そんな感謝の思いで小布施野外シアターに取り組むことにした。

作品は岩松院にお墓がある戦国武将「福島正則」公が主人公の舞台

 

2013年に初めて小布施ハイウェイオアシスで上演した作品「石の城」は
福島正則公の嫡男・忠勝公を主人公に描いた舞台だった。

その時に福島正則公に関する調査をして資料も手元にある。
が、私がその時に正則公を主人公にしなかった理由があって・・・

正則公の武勇伝は、江戸時代に入ってからではなく
豊臣秀吉公の家臣だった頃が多く
秀吉公が亡くなった後は徳川家から危険視され
まんまと罠にはめられて、信州の山の中に移封されて・・・

私が歴史上の人物を舞台化するのは
市民に地元の歴史を知っていただくためと
市民(子どもたち)が地元で活躍した人物を知ることが
地元愛を育むきっかけとなると思うから。

2013年の時点では、移封されて悲しい晩年をおくった
正則公を描くよりも、小布施に越してきて一年後
死因不明で亡くなった忠勝公のほうに触手が動き
「石の城」を執筆したのだが
今年は主催者から「福島正則公を主人公に」とご依頼が。

そこで、スケジュール意の合間をぬいつつ
もう一度正則公のエピソードを聞き取り調査し始めた。

K館長さんに正則公に纏わる話と資料をご提供いただき
ようやく方向性が定まって、いざ書き出そうとした頃
総文祭関連の事務作業が急激に増えて・・・

しかし、今年は総文祭の本番が8/6にあるため
台本脱稿時期を遅らせるわけにはいかない。

死に物狂い・・・というのはまさにあの時期の私のこと(笑)

何とか書き上げたが、主催者から修正依頼が入り
簡単に修正できる内容であればよいが
根本を覆すような修正に関しては状況的に難しい・・・

ないがしろにしているつもりはなくても
総文祭推進室からは、総文祭を一番手に考えて欲しいと言われ
小布施実行委員会からは、野外シアターを一番に考えて欲しいと言われ
どちらも立場を考えれば当然のこと。
要するに私の力量の問題・・・

4月~6月上旬にかけては板挟みのような心境に苛まれていたが
真摯に丁寧に一つずつ仕事をしようと決めて
ただひたすら、それぞれの仕事に取り組む日々。

5月に佐々成政おもてなし武将隊の仕事が入っていて
私も演出チェックのために、初日は現場へ同行し宿泊予定だったが
どうしても時間を取れず、大町市のご担当者に事情を説明して
宿泊をキャンセルしていただき・・・

この一日を逃すと命取りになる・・・そんな切羽詰まった状況だった。

一日一日を大切に・・・そして効率的に仕事を進める・・・

おかげで事務仕事、台本製作、チラシ、パンフ製作のスピードが上昇。

人は追いつめられると通常以上の能力を発揮するんだね(笑)

睡魔さえ襲ってこなければどんなにいいか・・・と何度思ったことか。

そんな私を劇団員が支えてくれて、大いに助かった。
彼らが劇団と稽古場を守ってくれたから今がある。
ただただ感謝!

大きな仕事を成し遂げるためには大勢の素晴らしいスタッフが必要だ。

総文祭の裏側にもプロフェッショナルな人々が大勢働いていて
小布施野外シアターの裏側も劇団員、研修生の他
能力のある客演の皆さんが協力してくださり
長野三光スタッフの皆さんが、しっかりと裏を支えて下さっている。
仕込み・バラシには大工の棟梁・酒井さんが駆け付けてくれて
ボランティアスタッフの皆さんが雨が降っても
素敵な笑顔で椅子を吹いてお客様対応をしてくださり
実行委員の皆様も稽古に足しげく通ってキャストを激励してくださって
岩松院の奥様は何度も差し入れを持ってきてくださって
N氏とSさんは稽古場確保やスポンサー依頼、チケット販売に奔走してくださり・・・

裏側で支えて下さるスタッフのおかげで
私は舞台を創造することができるし
キャストはステージで輝けるのだ。

昨年の音楽もメンターさんの作曲。
例年は、メンターさんが演奏の練習にお付き合いくださり
奏者にアドバイスをくださったり、その場で音源を修正したりして
とてもスムーズに進んでいたのだが
昨年はスケジュール的な問題もあり
音楽隊の練習日にメンターさんは参加できず・・・

とはいえ、奏者は皆さんオープンエアの経験者。
全員揃っての練習ができないまま、会場入りとなってしまったが
会場のサウンドチェックと奏者全員揃ってのリハが出来て、ホッ。
バイオリンの牧さんがいつも演奏隊をまとめて下さっている。
ありがとうございます!

声楽隊の皆さんには、ハーモニーまで作っていただき
それぞれ自主練を重ねてくださって・・・感謝です♡

昨年の殺陣は、元夢幻団員のマッチの現在のお師匠・奥住先生が
振付を担当してくださった。

音楽が出来てすぐに振付に来ていただき
僅か二日間で全ての振付をつけていただいた。

鮮やか、かつ難し過ぎず、見応えのある殺陣振付に感動!

これぞプロの仕事!

私も見習わねば・・・

瞬時にキャストの特性を見極め、可否を判断し
可能な範囲を見定めて振付をしていく。

演技指導にも通じるね、コレ。

難しいのは判断基準設定。

殺陣振付に関しては、その後も動画のやり取りで
更に加えていただたものもある。

奥住先生を紹介してくれたマッチに感謝!

 

小布施野外シアターの一般公募で参加が決まったメンバーを見ると
小布施町民の参加者が想定より少なかった。
町の活性化を目指すのであれば、町民の皆さんに関わっていただく必要がある。

そこで、小布施町のⅠさんにご相談したところ
宝生流能楽師の佐野登先生をご紹介してくださった。
佐野先生は小布施町にて子どもたちに「おぶせお肴謡隊」をご指導されている。

佐野先生とIさん、Sさんいにお目にかかり
先生のお弟子さんにご参加いただけるようお願いしたところ
前向きにご検討してくださると仰ってくださって感激!

とても気さくで面白くて素敵な佐野先生♡
私自身も謡を習ってみたい・・・とも思ったけど
今のところその時間は取れそうもなく・・・残念。。

本番はお肴謡隊のお子さんたちが、謡で出演してくれて好評をいただいた。

佐野先生、Sさん、誠にありがとうございましたm(__)m

昨年の舞台も東京からダンサーの淳くんがダンス振付に来てくれて
本番は淳クンと千佳ちゃんの美しいバレエが華を添えてくれた。

実は本番直前に千佳ちゃんに大変なことがあって・・・
それを乗り越えて、本番で美しい舞を披露してくれた千佳ちゃんと
千佳ちゃんを支えてくれた淳くんに深く感謝・・・

この事件が、主役・ケンジの演技に良い影響となって現れて・・・

役者の内面が動けば、演技も変わるのは当然のこと。

役者は、こういう経験を積んで良い役者になっていくんだよね。

一般公募の皆さんは、例年以上に明るくて前向きで
稽古場にはいつも活力が溢れていた。

昨年は大人のリピーターは少なめだったが
小学生はリピーターが多く、全体の水準が上がったように思う。

継続は力なり!

一年に一度の市民参加の野外劇
一生の思い出に一回だけ参加するというのも良いけれど
継続して参加していただければ、自分自身の成長を感じることが可能。

大人になると、何か習い事や目標でもない限り
自分の成長を感じられる機会は少ないんじゃないかな。

スポーツで達成感を得るには勝つことが必要だけど
演劇の場合、コンクールやコンテストでもない限り、勝敗は関係ない。
自分がやった分だけ成長するし、体力や声、滑舌の変化はわかりやすく
出来るようになった自分を体感できる可能性が高い。

まあね・・・

自分が出来ないことばかり見る癖のある人は
これが難しくて、残念だなーと思う時もあるが・・・

この市民野外劇は、継続することに意義がある。

継続は力なり!(2回目だわー)

こうして迎えた本番は、例年以上に好評で
来年も継続してほしいという声が
あちらこちらから聞こえて来て・・・

ご支援とご尽力を賜りました皆様に深く感謝申し上げます。

そして、劇団員、研修生の皆さん
見えないところでたくさんの仕事をしてくれたね。
本当にありがとうm(__)m

これからもよろしくお願いします!

 

今年も小布施野外シアターを開催する方向で進行中♪

Nさん、Sさん、小布施町文化事業活性化委員会の皆様
今年もどうぞよろしくお願いいたします!

2月~3月にかけて一般公募が始まることでしょう。

皆さん、奮ってご参加くださいm(__)m

ご縁が繋がる良き機会でもありますよ~

 

PS.昨年9月末にオープンエアで知り合ったお二人が晴れて結婚♪
 夢幻の団員やオープンエア関係者が結婚式に招待され
 みんなで野外シアターで踊った全員ダンスを踊りました。
 素敵じゃありませんか、こういうの(*^▽^*)

 野外劇ファミリーが増えたらいいなぁ~なんて思う元旦の夜=^_^=


2018年を振り返って・・・②2018信州総文祭

2019年01月01日 19時53分44秒 | 日記

2018信州総文祭の公式名称は・・・

『第42回全国高等学校総合文化祭 2018信州総文祭』

これは高校文化部のインターハイ
2018年は長野県が主催県として
総文祭総合開会式を開催するということを
主催者である長野県の総文祭推進室ご担当者から伺ったのが
2017年の3月だった。

オリンピックの開会式のようなイメージかな。

この総文祭には全国から2万人の高校生が集うという。

そもそも「総文祭」という名称すら、私は聞いたことがなかった。

推進室からご依頼をいただいたのは総合プロデューサーと言う大任。

私は劇団を立ち上げて以来、自分ではそれと知らずに
総合プロデューサーの役割を果たしていたということに気づいたのが
これを遡ること数か月前だった。

私は本来演出家だけど、スタッフ&キャスト総勢100名が携わる
ナガノオープンエアシアターにおいては
芝居だけでなく、制作・広報・大道具・小道具・衣装・音楽・振付に至るまで
全てが私が司令塔となって進行する。

つまり、全てを統括し、円滑に進めていくための司令塔がプロデューサー。

しかし信州総文祭は関わる人数が、オープンエアの比ではない。

しかも高校と言う教育現場で行われる祭典。

「私にできるのだろうか・・・」と悩んだ。

演劇を広めることを目標に掲げていた私にとって
高校生に何らかの形で演劇に携わってもらえる機会になるとすれば
進んでお引き受けすべきなのではないか・・・という結論に達し
お引き受けすることを決意したのが
一昨年のことだった。

その後、生徒実行委員会に出席して
生徒たちが総合開会式でやりたいことに耳を傾け
彼らの希望を私なりに最大限取り入れた台本を執筆。

総文祭推進室、諸先生方、演劇専門部の皆さんのご協力をいただき
2017年10月にプレ大会総合開架式を無事に終えた・・・

あ、本大会の前年度に行うのがプレ大会
簡単に言えば本番のリハーサル。

全国総合開会式には都道府県の生徒代表と
文化専門部の代表が集い
式典と生徒発表が行われる。

第1部が式典、休憩をはさんで第2部が生徒発表となっており
生徒発表は、構成劇かアラカルトというスタイルが主流。

何か面白いことを・・・というご要望をいただいき
第1部と第2部の間の休憩を取らずに繋げてみては?
とご担当の方々とご相談。

構成劇ではなく、ストーリーのある生徒発表にしたいという
ご要望に応えるべく、創意工夫を凝らしたプレ大会だったが
演劇要素が強すぎたというご意見があり
本大会は、より生徒の意見を尊重した生徒発表を!ということで
2017年12月にシナリオ委員会が発足。
以来数回の会議を重ね、台本の骨格が出来たのが3月末。

私は劇団本公演の稽古と会議が被ったり
公演日と会議が被ったりして2度ほど欠席したが
演劇専門部の顧問の先生方の多大なご尽力で
生徒の意見が反映された台本が仕上がった。

プレ大会の時は、先生方との距離が今一つ縮まらなかったが
このシナリオ委員会のおかげで
先生方とコミュニケーションをとれるようになった。

生徒たちもプレ大会の時より何倍も成長し
自分の意見を述べつつも他者の意見に耳を傾けるようになり
実行委員としての自覚も強くなって
みんなで総合開会式を成功させよう!という団結が育まれ・・・

本大会の生徒発表は長野県独自のハイブリッド方式。

これは、文化専門部と演劇の2つが同じウエイトで紡がれていく方式。

しかも本大会は、世界4か国からも代表生徒が参加して
それぞれパフォーマンスを披露することになっている。

これらをすべて組み合わせつつ、全てが相乗効果となり
感動のストーリーが浮かび上がる・・・

この難しいご要望に、演劇部の顧問の先生方とご相談しながら進めていく。

本番は8月7日(火)

その直前には生徒実行委員会の合宿があり
本番5日前から会場であるまつもと市民芸術館入り。

この時期は、野外劇の稽古が佳境で通し稽古に入らねばならない。

このお仕事をお引き受けする時、劇団員に相談したところ
青木さんがいないときは、自分たちが稽古を進行する、と約束してくれた。

その言葉通り、劇団員たちが稽古を順調に進行してくれたおかげで
昨年の野外劇も滞りなく好評のうちに幕を閉じることができた。

支えてくれた劇団員たちに感謝!

総文祭は高校生の祭典だが、その裏側では
多くのプロフェッショナルな大人たちが支えている。

長野舞台さん、セレスポさん、共立プランニングさんの献身的な動きを見て
私もたくさん学ばせていただいた。

●オファーを受けた仕事に対する姿勢
●主催者の真意をくみ取る度量
●ご要望を最大限実現させるための創意工夫
●無茶な要望があった場合、相手を説得するためのポイント

言葉の選び方一つでボタンの掛け違いが起き
いつしか暗雲が発生し、時には雷が落ちる。

早い段階で掛け違いであることに気づくことが肝要。

人はそれぞれ大切に思うことが違う。
好みも違う。

本当は、自分の物差しは置いておいて
その企画に最適な物差しを持つことができればいいんだけど
これがなかなか難しい。

推進室のご担当者も専門部の先生方も
舞台スタッフさんも、業者さんも
誰もが総合開会式の成功を願っている。

思いが強ければ強いほど
意見のバトルがあるのは普通のこと。

大切なのは生徒たちの意見と心意気を尊重し
総合開会式を大成功で終えることであり
そのために必要なことであれば
自分の意見は飲み込み、他者の意見を理解する・・・

これが総文祭を通じて私が学んだことの筆頭だ。

実際に会場入りしてからは演出家としての働きも行ったけど
本大会に向かう過程での私の任務はパイプ役、だったかと。

先生方、推進室、舞台スタッフ、業者を繋げるパイプ役。

これって非常に大切な役割・・・だったと今になって改めて思う。

仕事を成功させるか否かは、コミュニケーションの良否で決まる。

以前から思っていたし、就職支援講座でも話していたことだけど
身をもって痛感したのが総文祭だった。

演劇は他者と関わりながら創り上げていくモノ。

ギクシャクしながら、不平不満を言いながらでも
台本と演出が良ければ、そして役者に力量があれば
お客様に感動していただくことは可能だが
みんなが気持ちよく、もっとやりたい、もっと頑張りたいと思えば
それ以上に凄い舞台が出来上がるに違いない。

8/7の総合開会式は、秋篠宮殿下、紀子様をお迎えして晴れやかに開催され
お天気にも恵まれ、プレ大会で雨天中心になったパレードも無事行われた。

本番は圧巻だった。
式典も素晴らしかったし、生徒発表もスムーズに流れ
世界4か国のパフォーマンスも素晴らしく
長野県高校生の文化専門部発表もクオリティが高くて
間を紡いだ演劇部の生徒さんたちも落ち着いて演技をしている。
染谷丘のダンス班の演劇的パフォーマンスも言うことなし♪
観ていて心地よく、とても楽しめた。
(あ、一か所音響ミスがあった!お客様は気づかなかったようだけど)

発表最後のシーン、式典音楽隊と大合唱団による「第九」~
グランドフィナーレの全員ダンスの大迫力は
皆さんにもお見せしたかったなぁー

生徒実行委員に志願した生徒たちは
ナニモノに代えがたい経験が出来たことでしょう。

この記憶は一生消えることがないでしょう。

どんなに大変でも辛くても
諦めずに最後までやり抜いた総文祭は
まさにみんなの「たからもの」

あとで聞いた話によりますと
全員ダンスのシーンで紀子さまがご一緒に踊ってくださったとか・・・
秋篠宮殿下、皇室関係者も非常に評価してくださったそうです。

生徒の皆さんの頑張りと、関係者の皆様のご尽力で
無事総合開会式を終えることが出来ました。
ご関係の皆様に心から御礼申し上げます。

誠にありがとうございました!

高校生との交流を通して

 日本の未来は捨てたもんじゃない
 未来を明るくするか暗くするかは教育次第

改めて教育・・・子どもたちに対する大人の導き方が重要だと痛感。

だって、生徒たちは・・・子どもたちは能力がある。
けど、その能力は機会がなければ埋没してしまう。
いや、能力があることに気づけないまま
大人になってしまう可能性もある。

私が須坂☆キッズシアタープロジェクトの内容を
少し高度に設定している理由がコレ。

総文祭に携わることができた高校生の皆さんへ

この経験で培ったことを糧として
明るい未来を自分たちの手で掴みとろう。

皆さんの今後の活躍を楽しみにしています(*^▽^*)


2018年を振り返って・・・①劇団本公演2018「白とかげ」

2019年01月01日 17時05分54秒 | 日記

新年のご挨拶をしているうちに、あっという間に夕方になってしまった。。

仕事もあるが、先に2019年の振り返りを行うことにしよう。

昨年は例年以上にたくさんの舞台や出来事があり
全てを書き込むことはできそうにない。

あーずく出して日々記載しておけばよかった。。

なので、今年はできるだけBlogを更新しようと思っている。

 

さて・・・

 

昨年の最初の舞台は2月~3月の劇団本公演

開場は長野市のNAGANO CLUB JUNK BOXと
東京池袋のシアターグリーンベースシアター

夢幻初の東京公演!

私は千葉出身。
結婚前まで東京で演劇活動を行っていたため
知人や友人はいるが、長野に引っ越してきて
そろそろ30年、関東の友人ともすっかり疎遠になっていて
東京で公演すると決めたまでは良かったが
果たしてお客様が足を運んでくださるのか・・・
何よりも動員が心配だった。

作品は岸田國士さんの三作品をコロスが紡いでいく「白とかげ」

 

初の東京公演ということもあり
劇団として最大限の力を出し切れるよう
早めに稽古に取り組もうとしていたのだが
岸田氏の作品を紡ぐコロス役のイメージが定まりきらず
台本が遅れた上に、劇団員ケンジが
小池博史さんの舞台に出演することになり
12月~2月上旬まで稽古のため東京の兄の家に・・・

2030世界漂流 トレーラー2

彼は長野に一週間一回帰省し
小池作品と夢幻作品を交互に稽古。

2012年までの劇団本公演は
劇団員、研修生、キッズ全員が出演していたが
2011年の本公演をご覧になったお客様から
大変厳しいご感想をいただき
演劇専門集団としての在り方を考えるきっかけをいただいた。

そして、質の高い舞台を目指すために
2012年以降、出演者は劇団員とセミプロのみとして
2016年までの4年間、研修生は出演せず
裏方を手伝ってもらってきた。

研修生の稽古は週一回とMAのみ
MAは演劇学校で行っている内容に準じているため
継続できれば役者としての力量も上がっていくはずだが
日曜日の夜ということもあり、欠席せずに続けるのは大変のようで・・・

それでもずっと継続してきた研修生たちは
徐々に身体能力がアップし、役者としてのスキルが上昇。

そこで、2018年の劇団本公演に関しては
研修生から出演希望を募り
希望者全員に参加してもらうことに決めた。

なので、猶更早くスタートを切らねばならかったはずが
上記の事情で予定がずれ込み
みんなに大変苦労を掛ける結果となってしまった。

ただ、小池さんの演出を受けたケンジは
またプロフェッショナルな方々と
共演をさせていただいたこともあり
様々なことを学んで帰って来た。

自分の力量をみつめ、出来ないことを自覚し
目標を明確に定め、やるべき稽古内容を精査して
ひたすら真摯に取り組む・・・

単純なことのようだけど・・・
実はこの姿勢が何よりも大切なんだよね。

どんな分野でもこの姿勢がなければ
何かを成し遂げることはできない。

小池さん、共演者の皆さま
本当にありがとうございましたm(__)m

小池さんの舞台終演後、本公演初日までの2週間は
みんな死に物狂いで稽古を重ねた。
そして、何とか長野公演の初日を迎えた。

岸田さんの3作品を演じ分ける劇団員たちは
大道具・小道具・衣装・広報・製作など
たくさんの仕事をこなしながらも
一定ラインを越える演技でお客様を楽しませてくれた。

メンターさんに作っていただいたラップ交じりの曲で
役者が歌い踊るシーンも好評。

北村さんに製作していただいたレトロなマントがかっこいいと評判で
牧さんのバイオリンの選曲も良かったと好評だった。

JUNKでの公演も久しぶりだったが
陣谷さん始めスタッフさんのご協力で
無事長野公演を終えることができた。

  

JUNKスタッフの皆さま、ありがとうございましたm(__)m

が、しかし・・・

団員たちは皆やり残したことがある様子。

だよねー

もっと出来ることがある…私もそう思った。

彼らの悔しそうな表情は今でも時々思い出す。

本番を経て、自分が出来ていること、出来ていないことが
それぞれ明確になったせいか
東京公演までの2週間の稽古で
団員全員が見る見る伸びるのがわかった。

「自分を知る」

これ、大事なポイント(^.^)

そして、東京公演の二日前に小屋入り。

会場は池袋駅近くのシアターグリーンさん。

東京公演には長野三光スタッフさんに同行していただいた。

キャスト・スタッフ全員の交通費・宿泊費を
負担するのは正直きつかったけど
完成度の高い舞台を提出するためには
信頼できるスタッフに携わっていただくことが必要不可欠なのだ。

三光スタッフさんのおかげで、無事仕込みが完了。

ベースシアターのステージはJUNKのステージと大きさが異なるため
若干演出を変えた部分もあり、場当たりに時間がかかったが
何とか無事初日の幕をあけることができた。

 

東京公演はダンサー青木淳くんが出演し
ステージに華を添えてくれた。
稽古に合流したのは僅か2日とリハーサルのみ。
少々心配だったが、そこは流石プロ。
本番では見事なダンスでお客様を魅了してくれた。

牧さんのバイオリンも素晴らしく
長野公演と同様、選曲を誉めて下さるお客様が多かった。

長野公演を経た役者陣は堂々としていて
とても頼もしく輝いていた。

心配していた動員は・・・

東京在住の元夢幻関係者や
知人の演劇人を通してご紹介いただいた演劇関係者のご協力と
私の古巣劇団東俳のF社長始めスタッフの皆様のご協力をいただき
4回公演のうち3回がほぼ満席となった。

ご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございましたm(__)m

この東京公演を通じて、疎遠になっていた友人や
東京で女優として活躍中の栗生みなちゃんと
嬉しい再会があった。

かわいかったみなちゃんが、美しい女性に変貌を遂げていてビックリ!
彼女が出演する舞台が、同じシアターグリーンで上演されていたことも
何かの引き合わせであったに違いない。

以前オープンエアに出演したことがあるさくらさんと楓ちゃんは
周知活動と受付を手伝ってくれて感謝!

随分前になるが、高崎バレエ団から演劇WSのご依頼をいただき
2年間、講師として通っていたことがあり
その時の教え子・Rちゃんが受付を手伝ってくれた。

また東京に転勤となった須坂直虎公演に出演したメンバーも
受付のお手伝いにきてくれて・・・

本当に有難かった。

皆さんに深く感謝!

東京公演の成功は、ご縁を大切にしてきた結果かもしれない。

これからもいただいたご縁を大切にしながら
より良い舞台を創っていこう!と
改めて決意した2018年の本公演でした。

☆大切なキーワード

 感謝/ご縁/真摯な姿勢/自分を知る