蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

8年前の今日は・・・東日本大震災で亡くなられた方への追悼を込めて・・・

2019年03月11日 15時40分38秒 | 日記

「東日本大震災八周年追悼式」をテレビで拝聴しつつ黙祷。

犠牲になられた方の冥福を祈る・・・

被災地の復興は進んでいる一方で
未だ1万4千人もの人々が
仮設住宅で不自由な生活を送っている。

まさに未曽有の大災害・・・

千年に一度の災害と言われているようだけど
偶然出会ったBlogに書かれていた
「千年に一度 簡単な言葉で片付けないで欲しい」
という言葉が、胸にぐさりと刺さった。

◎2019.3.11 東日本大震災8年 忘れないで

 

人間の記憶は風化し、薄れていく。

悲しいことも楽しいことも・・・

辛いこと悲しい記憶は薄れたほうが楽だけど
忘れてはならない記憶もある・・・

戦争の記憶・・・
災害の記憶・・・
他者に痛みを負わせた記憶・・・

直接的な当事者ではない出来事に関しては
当事者が体験した本当の痛み、苦しみを知ることは難しいけど
出来うる限りの想像力を発動して
心に寄り添おうと努力することはできる。

記憶を蘇らせるために
8年前の3/11のBlogを遡ってみよう。

以下、長文なのでスルーしてください。


▶2011年3月11日

今日の午後、本を読んでいたら突然目の前が揺れ出した。

 あれ?貧血??

まるで、めまいのような感じで最初の揺れはやって来た。
部屋の蛍光灯を見上げると、紐が大きく揺れている。

 え?地震?!

思わず立ち上がると、揺れが大きくなってきた!
隣の部屋にいる息子を呼びストーブを消して
玄関の扉を開けた。

大きな揺れ…
めまいがする時も、こんな感じだけど
これは、明らかに地震だよね。

 テレビ、つけて!

と息子にテレビのスイッチを入れてもらうと
「震度7」の文字が目に飛び込んできた。

 え?!

どうやら東北地方沖が震源地らしい。
その後、関東地方の震度を見てびっくり!
慌てて実家に電話をかけたところ、母が

  びっくりして、外に飛び出しちゃった!
  恐かった…凄い揺れだった…

何はともあれ、無事で良かった。
その母との電話中に東京在住の長男から電話が!

  今、すっごい地震だった!
  あんな揺れ、初めてだよ!
  ちょうどアパートに帰ったところで良かった。
  またすぐ出かけなきゃならないんだけど…
  電車、大丈夫かな…

取り敢えず無事を確認できて、ホッ。
その後、弟や妹に電話やメールをしたが
回線がパンクしているらしく音信普通。
夜になって無事を確認できたが…

午後2時46分頃に発生した地震「東北地方太平洋沖地震」は
「マグニチュード8.8」と推定され
阪神大震災時のマグニチュード7.3よりも
非常に大きなエネルギーが働いたとされている。

今回の地震について「アメリカ地質調査所」の発表では
「マグニチュード8.9クラスで1900年以降の記録上
世界で5番目に大きな地震だった」と発表されて…

その後、テレビで甚大な被害映像が流れ続けている。
特に津波の映像は…
想像はしていたが、そのエネルギーの凄さに戦慄が走った。
原発も危うい状況が続いている…
千葉県では石油コンビナートが爆発炎上!
都内は帰宅困難者があふれている…
東北では、追い打ちのように雪が吹雪いている…
一刻も早く、救援隊や救援物資が到着してくれますように…
………
気仙沼が!!!
物凄い炎に包まれている!!!!
湾岸沿いだから、住民の皆さんは高台に避難しているはずだけど…
………
………
被害が最小限で済むように祈っていたが…
これは…
未曾有の大災害…
どうか…これ以上、被害が拡大しませんように…

 

▶2011年3月12日

更に恐れていたことが…
原発である…

福島原発一号機の建物が爆風で吹き飛んだ。
どうやら五重の壁の一番外側だけの破損のようだが…

炉心が2700℃まで上昇!
現在、海水で冷やす作業が進められている。
ホウ酸を使用し、溶融を防ぐというが
鉄で出来ている格納容器は錆びてしまい
今を切りぬけても使用不能になる可能性を
指摘する専門家が多い。
素人目に見ても「海水?」
昨日、米国が冷却材を空輸してくれると聞いて
ホッとしていたのだが…

いったい何が起きているんだ?

しかも避難勧告地区で逃げ遅れていた人たちが
外でヘリコプターを待っている時に
一号機の爆発が起き、その後
三人の方の検査をしたところ
被爆反応が出たらしい。

これは、政府の説明を聞く限りでは
爆発の影響ではないということになる。
ということは、放射線濃度の状態を調べずに
人々に移動を促したことになる。

情報がどこまで行きわたっているんだろう。
外野はテレビで情報を得られるが
被災者の皆さんはテレビを見る環境にないし
電話すら繋がらない状況が続いている。

弟のお嫁さんの実家も未だに連絡が取れないらしい。

四年前に上演した「火狩るタマゴ」は
チェルノブイリ原発事故を元に創作した作品。
あの時、調べた諸々が脳裏に蘇って来る…

何とか原発炉内の温度が下がってくれますように…

作業にあたってくれている作業員の皆さんは
命の危険を顧みず取り組んで下さっている。
ありがとうございます。

自衛隊には原子力工学などに関する専門家が乏しく
防衛省の一部で原子力に関する研究が始まったばかりだという。
装備品でも、深刻な原子力災害を想定しておらず
放射能物質の放出の際には除染や防護を行うことを想定している。
(日本経済新聞より)

要するに、あくまでも住民救助・避難誘導がメイン。
いざ放射能汚染が重度になった場合
どういう対応をしてくれるのか…

住民にとってはもちろんのこと
日本国民にとっても、政府にとっても
想定外の災害になってしまった。

だから仕方ない…
ということなのか…

今は、作業にあたって下さっている皆さんの
ご無事とご成功を心から祈るのみです…

 

▶2011年3月19日

三日間格闘した末
ようやく台本第一稿が完成。
今日、無事に配布を終えた。

被災地の状況が気にかかり
原発の行方が気にかかり
被災地や関東地方にいる人々も気になり
長野県北部地方のことも気にかかり…
日常、殆どテレビを見ない私なのに
先週からずっとテレビをつけっぱなし。
かぶりつきで見ているわけではないが
半日見ないでいると、とんでもないことが起きていたりして
目が離せない緊迫した状況がずっと続いている。

この未曾有の大災害…
東海地方で起きた地震は
あわや東海地震勃発?!かとひやっとして…
東北地方の大地震の影響で
太平洋プレートが滑りやすくなっているのでは?
などと素人考えで、考えてみたり…

今回の震災で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りする日々…
そして被災された皆様が一日も早くお元気になられることを祈りつつ
被災地復興のために、一日本人として何か出来ることを・・
と考えつつ…

台本になかなか集中出来なかったが
私が台本を書き終えないと何も始まらないし
関係者を困らせる結果となってしまうため
ここは頑張らねば・・・と根性で書き上げた・・・・・


8年前の今日、私は劇団本公演の台本執筆の真っ最中だった。

大震災を目の当たりして「生きる」ということを
もう一度熟考した。

そして、創作したのが「ペルソナ」・・・

劇団員になった賢治の初舞台作品。

何があっても、どんな苦しみに見舞われても
どん底から這い上がり
逞しく生き抜くことが出来る人間を育てたい・・・

そんな願いを込めて執筆した作品。

演劇にはその力がある、と思っている私は
この日の出来事を頭の片隅に置きながら
走り続けた8年だった。

それは今も続いているー

自然災害は人間の力ではどうすることもできないが
自然の恩恵があるから豊かな営みができているわけで・・・

けど、人的災害は防ぐことができる。

知恵で災害から身を守り
体力と精神力を養い逞しく生きる!

演劇を通して、そういう若者を育てていきたい。

何のために演劇を続けているのか―

原点を思い出した日―