蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

初☆ゲキ×シネからのイチロー引退会見

2019年03月22日 00時24分37秒 | 日記

初「ゲキ×シネ」鑑賞♪

 

~演劇の感動を映画館で体感する~

という触れ込み。

東京でしか観れない劇団☆新感線のステージを
映画館で気楽に観れるというので
以前から気になっていたけど
いつも稽古にドンカブリで観に行けず(^-^;

昨日は、サリアが信州ガールズ(プロレス)に出演するのと
他にも欠席者がいるため、稽古を休みにした。

お彼岸だ!お墓参りだ!

と思ったけど、家族が留守で車がない(^-^;
お墓参りは後日、家族と一緒に行くことにして
昼間は一日事務作業。

夜は、クボちゃんを誘って映画館へ出かけた。

作品は劇団☆新感線「蛮幽鬼

アレクサンドル・デュマ・ペールの『モンテ・クリスト伯』をモチーフに創作された作品。

ちょっと調べたところ
1971年にTVで放送された『日本巌窟王(がんくつおう)』というドラマがあり
これは『モンテ・クリスト伯』を日本の江戸時代を舞台に翻案した作品らしく
これを下敷きにしたのではないかと思われる内容だった。

劇団☆新感線の座付き作家・中島かずき氏は
歴史をベースにした架空の国家・社会の描き方が素晴らしい。

内容を簡単に説明すると・・・

国家の陰謀によって偽りの罪で流罪された男が
牢獄から脱出し、自分を陥れた人間に復讐を果たす物語。

キャッチコピーは―

 終わることのない復讐をめぐる壮大なドラマがここに始まる―

復讐は新たな復讐劇を生み出し、終わることを知らない。

世界で起きている内乱やテロの根源は
「復讐」という言葉に集約しても過言ではない。

そして、権力や金銭欲に囚われた人間は
邪魔者を抹殺しようとする。
例え親子であろうとも・・・

人間が故の恐ろしさである。

自分の欲望を叶えるために
他者を陥れるというのは
いつの世も同じ。

けど、陥れた報いは必ずどこかで
我が身に返って来る。

因果応報ですな・・・

中島かずき氏は、宗教と暗殺団を絡め
現代の世相を巧みに炙り出している。

いのうえひでのり氏の演出は
華やかでわかりやすくエンタメ性抜群で
観る者を飽きさせない。

劇場スクリーン用に映像&音声が編集されているそうで
とても見易く、役者の表情もバッチリ見ることが出来る。

デジタル編集で、舞台には流れない映像もあり
実際の舞台との違いもあるため
やっぱり生の舞台が観たくなる。

上手いつくりだなー

実は私、生で劇団☆新感線を観たことがない。

以前、知人が新感線のビデオを何本か貸してくれて
その中の1本「朧の森に棲む鬼」があまりに素晴らしく
それでハマって、ビデオを何本か連続で観たことがあった。

一度、生の舞台を観てみたいと思いつつ
東京に行くタイミングでチケット情報を確認するが
いつもチケットは完売、あるいは休演日で・・・(^-^;

2017年3月、東京都豊洲にオープンした
「IHIステージアラウンド東京」のこけら落とし公演として
1年3か月にわたりロングラン上演された
いのうえ歌舞伎の代表作「髑髏城の七人」も
来週からゲキ×シネに登場!

このアジア初の劇場
一度行ってみたいんだよねー

1300人以上の観客を乗せて360°回転する円形の客席が
劇場中央に配置されていて
その客席をステージとスクリーンがぐるりと取り囲むという
素晴らしく斬新で壮大な劇場。

劇場というよりアミューズメントパークかな。

新感線は、従来の演劇の枠を超えて
新たな地平を築こうとしている・・・ように思う。

演劇の面白さは、お客様とキャスト&スタッフが
同時間、同空間を共有することであるのは間違いないが
このゲキ×シネは、その生の演劇を
遠く離れた場所から客観的に
覗き見しているような感覚だった。

しかも楽な姿勢で、ポップコーンを食べ
ドリンクを飲みながら・・・
これ、劇場では絶対NG(^-^;

安価でこんなに気楽に楽しめるなら
また観に行きたいなーと。

生の舞台は、役者の飛び散る汗や
迫力や緊迫感を体感できるので
普通に舞台映像を撮影しただけだと
生より3~4割減になるものだが
それを感じさせない仕上がりだった。

恐らく撮影段階から映像化を見込んで
音声や映像を様々な角度から録画・録音して
バランスの悪い音声を入念に調整し
ミスもうまーく修正して
仕上げているんだろうなー

ここまで編集できれば演劇も映画として楽しめる。

地方に住む人間としては有難いことだが
当然のことながら、そうは言っても
生のライブの面白さには叶わないよね・・・

いやいや贅沢を言っちゃいけません。
なにせ1800円!
そう考えれば十分だわ。

クボちゃんは、初めて観たらしく

 殺陣、かっこいいねー

を連発(笑)

はい(*'▽')
かっこ良かった!

もしかしたら速度を調整してる?
と思ったシーンもあったけど←単なる憶測(^-^;

上川隆也vs堺雅人vs早乙女太一

それぞれ個性のある殺陣で
見せ場もあり、科白も絶妙に入れ込んである。

演技的にも・・・

上川孝也さんの憎しみに満ちた目の迫力
あっけらかんとした笑顔が狂気に見える堺雅人さん
見事な殺陣の早乙女太一さん
千葉哲也さんの変貌ぶり
稲盛いずみさんは美しく
高田聖子さんはいつもながら個性的で
見応え充分なステージ♪

皆さんも一度ゲキ×シネに足を運んでみては?

長野市では3/23~29日まで
「髑髏城の七人 season花」
そして、4/27~5/3まで
「髑髏城の七人 season鳥」が
相生座・ロキシーで上映予定。

この「髑髏城の七人」は、いのうえ歌舞伎の代表作で
花・鳥・風・月・極シリーズあり。

好みを超えて楽しめるエンタメだと思うので
ご興味のある方は是非!!

帰宅して遅い夕食を食べ、TVをつけると
イチロー引退の記者会見?!

50歳まで現役を続ける!と
聞いたことがあり、あまりの急展開に
本当に驚いた・・・

とにかく、これは見ておきたいと思い
久しぶりに長時間TVの前に鎮座(笑)

イチローの最後のステージとなった
今日の試合が映し出され
東京ドームを埋め尽くした観客の声援が
なかなか鳴りやまず・・・

記者会見が始まり、記者の質問に対して
一つずつしっかりと返答をしていくイチロー。

時々・・・

 おかしなこと言ってます?ぼく。
 大丈夫?

と聞き返し、質問の意図に答えているかどうか
確認するところが、妙に新鮮だった。

印象に残った言葉の数々を備忘録として書きとめておこう。

●貫いたことは「野球を愛したこと」

●言葉にすることは目標に近づく一つの方法

●自分の限界をちょっと超えていく。
 そうするといつの間にか
 「こんな自分になっていた」となる。
 少しずつの積み重ねが・・・

●人より頑張ることなんて、とてもできない
 一気に高みに行こうとするとギャップがあり過ぎて
 続けていけないと思っているので
 地道に進むしかない。
 時に後退しながらも
 自分がやると決めたことを信じてやっていく
 それが正解とは限らない
 間違ったことを続けてしまう場合もあるけど
 遠回りしないと本当の自分と出会えない

●子どもたちへのメッセージ

 ◎やりたいことをやる
 ◎夢中になることを見つける

 そうすれば、目の前に立ちはだかった壁を
 乗り越えていくことができる。

一つ一つが腑に落ちる言葉だった。

「楽しいと思うことはなかった」という
厳しいプロの世界で19年間
自分と真摯に向き合い挑み続けた人間の
生きた言葉がそこにあった――

本当にお疲れ様でした。

これからもやりたいことをやり続けてください。