蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

信州・まつもと大歌舞伎

2012年07月18日 01時09分58秒 | 日記
朝7:00、特別出演のKさんが
ケンジ君と私を迎えに来てくれて長野を出発。
向かった先は、まつもと芸術館。
目的はもちろん「まつもと大歌舞伎」の観劇!

ずっと気になりつつも
過去2回上演された芸術館での歌舞伎は
毎回オープンエアシアターの稽古と重なり
行きたくても行くことが出来なかった。

そのたびに、松本市の盛り上がり方を風の噂で聞いて

  一度は行きたいなぁ…

と思っていた。

今年も最初は諦めていたが
新・市民会館会館建設に市民WS委員として
関わっていることもあり

  やっぱり今年は観に行こう!

と思ったのが先月。
で、早速火曜日の稽古を休んでも良いか
劇団員とキャスト陣に相談して了解をもらい
芸術館のチケットフォームを見たところ既に完売状態。。

  ああ~せっかく予定がついたのに…

と諦めていたところ、先週当日券が出るという情報が入り

  よし、もう一度相談してみよう。

と思ったんだけど、多忙にてつい忘れてしまい…
昨夜の稽古後、ケンジ君から

  明日の歌舞伎、どうしますか?

と聞かれ、ハッと思い出し、慌ててメンバーに相談。
他にも行きたいというメンバーがいてくれたおかげで
本日、当日券並びをすることになったというわけ。

8:25、芸術館到着。

  ぐ…大行列だ……

既に長蛇の列が出来ている。

  確実に百人以上いるよね…
  当日券、何枚出るんだろう…

と不安に思いながらも、取り敢えず最後尾に並び
整理券の発券を待った。

事務局の通達によると、発行枚数は120枚。

私たちの整理券番号は…130番台…

  だめかも…

と思いつつも、諦めきれず16:30の当日券引き換え時間まで
安曇野方面に足をのばして、時間を潰した。

16:30、再び芸術館へ。

事務局より、発券枚数136枚と通達があり

  良かった!これで観れる!

だってねぇ、稽古を休みにしてまで来たのに
観れなかったら、一日ただ棒に振ったことになるものね。

もし観れなかったら…

  休暇だと思うことにして
  映画を観て帰ろう!

ということにはなってたんだけど…

座席は三階席の一番端で、確かにみづらかったが
雰囲気は充分感じられたし、上から観れたので
構図はとてもわかりやすかった。

もっちゃんも仕事を終えて合流。
関係者4人で、観劇しました!

  演目  天日坊〈てんにちぼう〉
  原作  河竹黙阿弥
  脚本  宮藤官九郎
  演出  串田和美

コクーン歌舞伎とも呼ばれるのこの歌舞伎は
若手の歌舞伎役者が中心で、歌舞伎未経験の役者も出演。
現代的な要素を取り入れ、歌舞伎の知識がない一般大衆が観ても
充分楽しめるので、現代版歌舞伎と言ってもいいだろう。
ラストシーンでは、公募市民によるトランペット隊が登場し
主演/中村勘九郎さんの最期を劇的に演出。
トランペットの音に関しては好みがあるかもしれないが
殺陣も入る大立ち回りからラストにかけてのシーンは圧巻だった!
特に拍子木のリズムと七五調の台詞のリズムは
ピタッとはまっていて、何よりも気持ち良かった。

そして、生まれた時から歌舞伎界で訓練を受けている
歌舞伎役者の凄さを改めて実感した舞台だった。

ケンジ君には、とても良い刺激になったようだ。

それに、何と言っても宮藤官九郎さんの脚本が面白い♪
クドカンさんの脚本は、舞台だけじゃなくて
テレビも映画も面白いが

  歌舞伎??
  現代劇じゃなくて歌舞伎だよね…
  どんな脚本なんだろう?
  口語体が多いのかな…

と想像していたが、歌舞伎調の台詞も残しつつ
早めの良いテンポで入って来る口語調は
笑いを誘う台詞が多かったが
べらんめぇ調の台詞も迫力があって
違和感を感じなかった。

クドカンさんは、河竹黙阿弥さんの原作を読んで
ある一つの言葉が立ち上って来たと言っている

それは

  俺は誰だぁっ!

という台詞。

この言葉が、この芝居の柱となり
巧みに伏線が張り巡らされていた。

「自分の正体は一体何なのか」

これは、思春期に大抵の若者が考えるテーマの一つ。
人間が生きていく上での究極のテーマとも言える。

  俺は誰だ!

単純だけど、わかりやすくて的確な台詞に感動♪♪

現代音楽のリズムと、歌舞伎の七五調の台詞のリズムの
若干のズレは気になったけど、面白さと巧みさのほうが
圧倒的に勝っていて、本当に観れて良かった!

ふと思ったのは…

  新しきもの
  古きもの

この二つの関係。

必ずしも新しいものが良いとは限らないと
私は常々思っている。

が、古いものは、時々新鮮な空気を注入しないと
徐々に腐り始めてしまうんだよね。

古きものに、現代と言う新風を入れ
朽ちることなく鮮度を保ったまま
未来に受け継いでいけるように…

制作側にはそんな願いがあるのかもしれないね。

色々な意味で勉強にもなった舞台でした。

終演後、食事をして帰宅したのは午前0時過ぎ…
17時間に及ぶ観劇ツアーでした。

Kさん、運転してくれてありがとうございました!

もっちゃん、ケンジ君、お疲れ様でした!

長時間稽古開始!

2012年07月16日 23時03分33秒 | 日記
今日は、13:00~21:30の長時間稽古の一回目。

去年から連続参加のメンバーは体験済みだが
初参加のメンバーは、今日が初めての体験。

来週からは、本番前週まで毎週末が長時間稽古になる。

大切なのは集中力。

長時間集中って、苦手な人の方が多いんじゃないかな?

けどね、みんなで取り組むと出来ちゃったりするんだよね。

あ、好きでやってることだから、だと思うけど。。

10年以上の経験から、小学生も3時間
集中して取り組めるという結論が出ている。
もちろん導き方の工夫は大切だが…

今日は、どうしても2シーンの目途を立てたかった。
一つは演出的に見せ場の一つになるシーン。
もう一つは、ほぼ全員が舞台上にいるシーン。

両シーンとも、かなり難易度の高い場面。

が、みんなが集中して取り組んでくれたおかげで
何とか目途を立てることができ、ホッ!

みんなの反応が徐々に速く成って来て
恥ずかしがらずに演じることも出来るようになってきた。

うん♪
このままテンションが上がっていってくれれば…

本番まで、残すは40日余り―

根っこのワード

2012年07月15日 23時01分17秒 | 日記
12日(木)~14日(土)までの三日間、ダンサーのJ君が
群衆ダンスの振り付けのために長野入り。

平日の夜も大勢の出演者が参加し
J君の指導を受けてくれたおかげで
特にオープニングダンスは迫力が加わって
見応えのあるシーンになって来た。

ただ…まだ何と言うかその…
広がりが感じられない。

J君は、歌詞からイメージを膨らませ
振り付けを創作してくれている。
みんなが歌詞の意味を理解し
イメージを持ちながら踊れるようになれば
もっともっと感動的な踊りになるだろう。

しかも、どの歌の詩もこの台本の
根っこになるワードが含まれている…

Moriさんが、振付DVD用を撮影するために
J君が一人で踊っている姿を見て

  感動しました!

と仰ってました。

歌詞の意味が…心が伝わる踊りだったからに違いない。

そうか…

全員が歌詞を覚え、噛み砕くことが出来れば
この作品の意味を体で覚えることが出来る!

歌いながら踊れるようになれば完璧だよね。

とは言っても、プロの声楽家が歌う歌だから
音域的に無理がある。

けど、口ずさむことなら可能かも…

よし!

歌詞を覚えてもらえるように、促がしていこう。

14日(土)は、声楽隊の皆さんも稽古に合流。
前半の通し稽古を行った。

声楽隊の皆さんは、キャスト陣のエネルギーに
大変刺激を受けたようだった。

Moriさんも

  稽古を見ると「頑張ろう!」っていう気持ちが湧いて来るです!

と。

役者陣も声楽隊の歌声を聞いて

  かっこいい!
  感動した!

と。

オープンエアシアターは、役者・演奏家・声楽科・ダンサー
それぞれ異なる分野のメンバーの心が一つになって始めて
大きなエネルギーが何乗にも膨れ上がり
その膨れ上がったエネルギーの波動が
会場中に響き渡り、お客様の五感を揺さぶるのだ。

心が一つになるには、お互いに触発を受け合うことが一番♪
そうすれば、言葉で

  心を一つにしよう!

なんて音頭を取らなくても、自然と一つになっていく。

前半の通し稽古を終えて

  今年も良い舞台になる!

と確信した。

残りの時間は、声楽隊は別室で歌の練習
役者陣は、明朝東京へ帰るJ君から最後の指導を受けた。

稽古終了後、J君を囲んでの飲み会♪
大勢集まってくれました!

またもや徹夜で語り明かし、気付くと朝の5時!
その直前、おかしな〈?!〉出来事があり…

 「幻の神隠し事件」

ここにまた伝説が誕生?!

そして、J君は早朝のバスで東京へ向かいました。

皆さん、お疲れ様でした!

J君、三日間のご指導、ありがとうございました!!

これまでに経験したことのない・・・

2012年07月14日 09時54分02秒 | 日記
今朝の新聞記事より―

豪雨に見舞われた方々が口にされているのが

  こんな雨は初めて―

という言葉。

気象庁も

  これまでに経験したことのないような大雨

との表現で警戒を呼び掛けている今回の豪雨。
不安を煽っているようにも聞こえるが
危険な状況が続いていることを認識するには
必要な表現かもしれない。


どうか被害が拡大しませんように…
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます…


「これまで経験したことのない」ことの“経験”…

命や生活の危機に瀕することや
精神的に辛い出来事や悲しい出来事は
可能なら経験したくないけれど
嫌でも経験せざるを得ないのが人生だ…

そして、学ぶことが多いののも、そんな時…

今、オープンエアシアターの稽古は佳境に入っているが
今回初めて参加した皆さんは、きっと

  これまで経験したことのない経験

をされていることだろう。

日常、こんなに身体を動かす場面に遭遇しないだろうし
大きな声を出せる場面も少ない。
これほど年代幅の広い世代間交流をする機会もないよね。

きっと色々な気付きや学びがあるんじゃないかな?

オープンエアシアターの目的は野外劇の創作・上演。
けど、その過程には、生きていく上で大切なことを
学ぶチャンスがいくつも転がっている。

それを拾うか否かは、自分次第…

一昨日から、バレエ・ダンサーのJ君がダンスの振り付けと
ダンス指導のために来長している。
積極的に参加するメンバーもいれば
諸事情で参加出来ないメンバーもいる。

基本的に自由参加だし、都合が付かなければ仕方ない。
けど、こんなチャンス滅多にないんだよね。
だから、勿体ないなぁ~と思う。

積極的に参加したメンバーは
着実に身体の動かし方を覚え始めている。

参加出来なかった皆さんは
ぜひ参加したメンバーにくらいついて
教えてもらったことを聞いてもらいたい。
教える側も、教えることで不明確なところがはっきりするから
お互いにとって良いことなんだよね。

今月のJ君の指導は、今日が最終日。
次回は、来月初旬に女性ダンサーのNちゃんと一緒に来長予定。

稽古をする中で、これまで経験したことのない経験を重ねながら
みんなで成長していけるといいね♪

4曲目☆

2012年07月12日 11時32分54秒 | 日記
昨夜、午前1時28分にMoriさんから新曲が届いた。

  Moriさん、深夜までお疲れ様です!

2曲目のダンス曲でもある。

早速、拝聴♪

  きれいな旋律…

オープニング曲とは異なるリズムと調べで
美しさと広がりと切なさが同居した音楽。
時間が足りなくて完成形ではないが
完成した暁に、生演奏と歌声が加わって
この曲を聞いたら、更に感動は深くなるだろう。

音楽はつまるところ好みかもしれないが…

演劇にしても絵にしても芸術と言われる分野は
全てそうかもしれない。

…というか、人間って殆どの物事を
「好み」によって判断しているよなぁ~

食べ物・衣服・建物・生き物・趣味…
付き合う人も…

好みでなくても受け入れるのは

親族・仕事関係・法律・国家政策…

義務と権利が同居している事柄か…

話がずれた。

舞台音楽を決定する上での私の基準は
好みだけではなく、空間の全体的な色・空気・触感に合う
リズム・旋律・楽器。
楽器に関しては、毎年演奏家が異なるので
制限があるのは確かだが
その中での最善を探していく。

音楽は、空間を支配する力がある。
だから好みを超えたところで判断する必要あり。

Moriさんが作曲して下さる曲が、私は好きだ。
そして、面白い!
ダンサーや出演者からも大好評♪

今年もきっとお客様を魅了してくれるでしょう♪

今日から、バレエ・ダンサーで振付をしてくれるJ君が長野入り。
本番までの日数を逆算すると
今回で、振付を完了してもらわなければならない。
そのためには、何としても曲が必要で…

しかも今週日曜日には演奏隊・声楽隊合同打ち合わせ&稽古の予定。
あと三日で全ての楽曲を仕上げるのは容易なことではない。

夢幻パラレル・ワールドの創造には音楽が不可欠。

Moriさん、よろしくお願いします!