イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

山下りんさんのイコン

2015年03月15日 | イコン
なるべく日曜美術館は観るようにしているのですが、
ふたりの介護で予定通りには全くいきません。

先週の日曜美術館で、山下りんをしていたことも知りませんでした。

今晩の日曜美術館も観るつもりはなく、
息子が珍しく赤ワインを手に下げてきて
それを飲みながら
イッテQの手越くんの麺作りを観ていましたら、
突然、りんさんのイコンがテレビ画面に出ました。

なぜ突然、りんさんのイコンが画面に現れたかといいますと、
霊的なものでも、何でもありません。

原因は、テレビに登っているくーちゃんです。

これはまだ手越くん。
手越くんの金髪です。



突然、画面が切り替わり、
りんさんのイコンが出てきました。
くーちゃんが、テレビの上のチャンネルを触ったのです。











私が習ったオリエント美術館のイコン画家の白石孝子さんが、
画家としての欲が強すぎました。
(オリエント美術館に紹介したのは私です)
人吉のイコノスタスも手伝いましたが、
あまりにもひどい自分勝手な指導で驚きました。
若いときに、お寺の多宝塔の内陣を描く手伝いをしましたが、
それとはあまりにも違いすぎて
イコンとはいえ
白石さんの手伝いなど、うんざりだと思いました。
姜 尚中さんも話されていましたが、
イコンに個人の欲を入れてはいけない。
個人の画家としての作品は、全く別であるのです。
祖母の仏画も同じでした。
画家の我欲を入れてはいけないのです。

「私は神父の娘なんだから、私のイコンはきくのよ。
だから、私の言うことを聞いてイコンを描きなさい」と繰り返し言われたのが
ものすごくストレスでした。
「私の言うことを聞いてイコンを描いていれば、いいことがあるのよ」と言われ
まるで胡散臭い宗教と同じやり方だと思いました。

柳井原教会の十二大祭を描いてみたかったのですが、
白石さんから
「タダで描いちゃだめよ、絵具代を出させなきゃ」
と言われてがっかりしました。
自分はプロのイコン画家だから、
タダで描くなんてとんでもない、と言います。
その場には、鐸木道剛先生もいらっしゃいました。
これだけ絵具や材料はあるのに、
小さいサイズくらい手持ちの画材で描けたのです。
関東大震災後、祖母はたくさんの慈母観音を描いて
子や親を亡くした人々に配りました。
祖母は鏑木清方の孫弟子でしたから、清方の指導でもありました。
イコン画家もそうだと思っていましたが
全く違いました。

正教会公認のイコン画家だから
教会から絵具代を出させるのだろうか?と思いましたから
ニコライ堂にお聞きしましたら
公認のイコン画家ではなくて、
自分が好きで描いている画家だそうです。
別に絵具代を教会からもらわなくでも
私たちがイコンを描いて献納
(信徒でない方は寄贈)
するのは構わないそうです。

イコン画家の個人の欲に
非常にうんざりしましたし、
母のイコンの聖人を間違えて描いてよこしたりしましたので
イコン画家と絶縁後、
私はイコンから離れるのだろうと思いましたが、
くーちゃんが偶然、りんさんのイコンを見せてくれました。



イコン画家に私が試しに描いたイコンを
「こんなのはイコンじゃないわよ」とも
言われたことがありましたが、
私はまた描こうと思います。
日曜美術館内で岩手の代々、信仰をされているご家庭に
大切に飾られた様々なイコンを見ましたら、
イコンがうまいとかヘタは全く別の話だと思いました。
白石さんから
「年寄りばかりみていないで
イコンを描きなさい」と言われましたが、
私は両親ふたりを介護しながら描きたいと思います。

山下りんさんのイコンは、とても暖かいです。
無欲だから、とても純粋なものを感じます。
日本のイコンのもとは、
ビザンティンイコンではなくて、
やはり、りんさんのイコンのように私は思います。
日本には日本のイコンがあっていいのだと思います。

日曜美術館の山下りんさんを観まして
私もイコンを描いて、
それをイコン制作の実費程度で売り
福島で被災されたお母さんと子どもたちのために使いたいと
すごく思いました。
「イコンを金に変えてはならない
生活の糧にしてはならない」と言われていますが、
そのためなら、神様も許してくださると思います。
私は描こうと思います。

くーちゃん、ありがとう。






白石孝子さんのイコンの指導には
私が辞めたあとも
イコン教室内から
自分勝手な考え方や金銭トラブルがあり
詐欺ではないか?ニコライ堂に確かめて欲しい、
との連絡がありましたから
ニコライ堂に連絡しました。
オリエント美術館、毎日新聞、山陽新聞にも
「イコンについて、正しいことは白石さんではなく、
ニコライ堂に聞いてから書いて欲しい」と頼んでいます。
アワプラネットTVをしている娘さんの白石草さんにも知らせています。
私はアワプラネットTVにカンパなどしたくはありません。
白石夫妻に岡山は散々バカにされてきましたから、
カンパなどするはずはありません。

いくら神父の娘でも、
一般社会で非常識な行動をされては
教会も信徒も困るのです。
私もイコンという絵を習いたかっただけですが、
白石さんの奇妙な妄想に巻き込まれそうになりましたところ
両親やまわりの方々が
「普通の宗教画家の考えとは違うから
離れなさい」と言われて全く離れました。
洗脳のようだったと思います。
イコンは白石教でなく、正教会が守ってきたものだ
ということを
今回の日曜美術館で改めて理解しました。

白石さんの口癖で
「私たち夫婦は立派な仕事をしてきたんだから
それを崇めない敬わない岡山の人間はバカばかりだ」とよく言われました。
たくさんの若い作家の前で公言していましたが、
私は白石さんを崇めたり敬ったりはしません。
私が崇めたり敬うのは神様であり
りんさんのような画家です。
画家は、ただの絵描きであって
自分を敬え、なんて奇妙なことを言うのがイコン画家でしたから
おかしいのだと思いました。

私の祖母が
「画家は絵だけ描いていればいい」と話していましたが
山下りんさんの人生を考えましても
本当にそうだと思いました。

私も絵の勉強を続けていきます。









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花時計