イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

金箔貼り 続き

2015年03月28日 | イコン
「イタリアの金箔じゃなきゃだめよ」とイコン画家の白石孝子さんに度々言われましたが、
イタリアの金箔は白石さんが使えばよろしくて、
オリエント美術館のイコン教室では
生徒に洋金のシール金箔を使わせていた上に
「私にしか売らないのよ」と自慢されていて、
金箔のことを知らない人なんだなと思いました。

白石さんが売っていた洋金の金箔シールは古いものを買わされていて
私も他の生徒もイコンから剥がれていました。
このシール金箔は製造販売を辞めるので
売れなくて在庫があり、
古いので売り切りたいシール金箔ですから、
箔屋も「白石さんにしか売りません」と言ったのだと思いました。
そんなものを生徒は白石さんから買わされていたわけです。
普通は、そんな裏事情は生徒には黙ってシール金箔を販売すればいいわけですが
「私にしか売らないのよ」と何度も言われるので
そんな金箔の独占販売はあり得ませんから、
生徒が不信感を持ったわけです。

私はここは日本ですから
わざわざイタリアから金箔を送ってもらう必要はないと思っていまして、
日本の金箔でも、
日本画材の専門店に
別打二枚掛という普通の金箔より分厚い金箔を売っていましたので
それを使ってみたことがありました。

別打二枚掛を使ってみたものの、
普通の金箔の厚さより厚く重いので、
あかし紙につけても落ちます。
金箔に慣れてきた私でもダメでしたから
初めて金箔を触る人なら、
さらに扱いにくいものでした。
イタリアのイコン用金箔は一般にも使われているそうですから、
日本ではおそらく、別打二枚掛のように扱いにくいはずです。
それは、気候が関係しており、
日本は湿度がありすぎますから
厚みのある金箔は非常に扱いにくい。
なので、今のような薄い金箔の厚さになったのではないかと思っています。

実際、普通の金箔を二重貼りする方が
金箔には素人の私が貼るには
扱いやすいのと、成功率が高いのです。

昨日早朝、一回目の金箔を貼ったあと、
5時間後の8時半に二回目の金箔貼りをしました。

一回目の乾いたところですが、
盛上胡粉のところがうまく貼れていません。



また、軽く面蓋をして、二回目の金箔貼りをしました。



一回目の失敗は全く気にせず、
二回目を貼ります。
二回目は金箔同士がくっつきやすいので、
すぐに貼れますから
一回目にボロボロになっても気にしない。
ただ、金箔代金はかかります。
私は安い洋金ですぐに変色するよりは
高い純金をしっかり貼った方が
結果、安上がりだと思っていますので、純金を使います。
今回、二回の金箔貼りで金箔を6枚使いましたから
金箔代金は1700円くらいです。
それでも安い方だと思います。
洋金シールとは、比べ物になりません。

二回目を貼り終えたところです。



はみ出た金箔を、この段階で取ればいいのですが、
そのときに取れない金箔を取るために
無理矢理、画面を引っ掻くようなことはしないで
はみ出たままにしておいた方が無難です。
あとから絵具を塗るので、
はみ出た金箔は隠れてしまいます。
厚みと色が一回目とは全然違うのがおわかりかと思います。

↓ 貼った直後です。



それから、父の輸血に行って6時間後に帰宅しましたら
二回目も完全に乾いていました。







一回目よりはるかに「金」ですね。

白石孝子さんは
イコンは鏡面ということにすごくこだわっていましたから
私の貼った金箔にシワがあるのが許せないわけです。
ならば、私に頼まずに箔屋に金箔貼りを頼め、と思いましたね。
自分の理想ばかりを人に要求する画家でしたから、
自分でなさればいいわけです。
イタリアの金箔も自分で買えばいいわけですが
生徒にはあんな古いシール金箔を平気で買わせるわけですから、
先生としては、レベルの低いものだと思いました。

私の知る女性画家の中では、
教え方も絵に対する思考もワースト1です。
白石さんには「こんなにダメだしの多い、生徒をけなしまくる絵の先生には
初めて会いました」と伝えてあります。
白石さんの娘さん、アワプラネットTVの白石草さんにも伝えてあります。
女性の日本画家で、こんなメチャクチャなことを平気でする先生には
出会ったことがありません。
「私を敬いなさい」と生徒に言うわけですから、
自分がすばらしいと信じている画家ですが、
母の聖人を全く違う別人に間違えて描いて
母は欲しくもないのに白石さんからもらいましたから
本当にイコン画家かな?
イコン画家が聖人を間違えて描く?
自称でないのかな?と家族で話しました。
聖人を平気で間違えて描くイコン画家を敬うことはとてもできません。
母は気持ち悪がりました。
間違えたイコンは白石さんに送り返しました。
私や母にとっては、
非常に珍しい出来事でした。

繰り返しますが、
ここは、ロシアでもイタリアでもなく
湿気の多い日本ですから
日本の気候に合った画材を使わないと失敗します。
日本画は日本の気候に合った画材や手法ですから
日本画材をイコンに使うのも
いいのではないかと思って描いています。

私は白石さんみたいに
高額なイコンを描けるプロのイコン画家ではありませんから
うまく描けませんが
イコンは誰が描いても
へったくそでもいいわけですから、
描きたい気持ちのある方は
ぜひ、チャレンジしてみてください。

神様は、どんなへったくそなイコンでも
ブスなマリア様や
小生意気なキリストに描いても
全て、許してくださると思っています。


なお、貼った金箔をメノウ棒で磨くことと言われますが、
支持体が石膏のときに磨くので
このような、ドーサ引きのみの板のときには磨きません。
私は鏡面にはこだわりなく描いていきますので
金箔に素人な私が、
へたに磨くとボロボロになります。
私の描くイコンなど、聖なるイコンでもなんでもなく
ただの絵です。
イコンという形式の絵です。

ただ、この段階で金箔用のニスをスプレーしておきます。
金箔用のニスは日本画専門店や仏壇製作所のホームページに紹介されていますから
検索して探してみてください。
1本、1300~1500円くらいです。
ホームセンターにもあるかもしれません。
金箔用スプレーをかけると確かに傷がつきにくくなります。
これから描いていくので、かけておくといいのです。

これは、2年前に描いて
そこいらに置いておいた小さめサイズのものです。
アクリルとピグメントで描いたもの。



今回と同じように金箔を貼り
スプレーをかけましたが、
剥がれていませんから
金箔二重貼りで金箔用のニスのスプレーをかけるといいのだと思います。
ただし、鏡面にしたければ、
箔屋に金箔貼りを頼んでください。
小さなものでも、金箔代金+手数料で1万円くらいからだそうです。

こちらも2年前に描いて、
ほったらかしていたもの、
縁まわりはアクリルですが、
中は純金箔です。
金箔って一度定着すると、
やはり金属で非常に強いです。
木材を守る役目もあるのだと思います。



これもどんどん描いていく予定です。

完成したら、東北の教会に贈るか、
売って、金に替えて
被災地から岡山に来られている母子のために使いたいと思います。

イコン、宗教画を描く技術を持つ者は
自分の名誉や賞賛のためでなく、
世のため、人のためにあるもので、
それを勘違いしていると
とんでもないことになると思いますね。
ですから
「イコンを生活の糧に金に替えてはならない」と
厳しい戒めを定めたのだと
私は解釈しています。
















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花時計