朝6時、いつものように家中のガラス戸を開けると、
どわーんとした暑気に身が重くなる。
風がない。いつもならガラス戸を開け放つと、
すーっと部屋の中を通り抜けていく涼しい風が今朝はない。
その風に当たって、すがすがしい一日が始められるのに、
今朝は何だか心身とも重い。
それでも振り絞ってウォーキングに出かけてみたが、
ほどなく背中がじっとりとしてくる。
川面に映る周囲の家々もそよぐことなく、
くっきりとその姿を落としている。
住む世を思えば、風がそよりともしないと
住みよいのか、住みにくいのか
分からないままどんよりとその日その日を送ってしまう。
右から、左からほど良い風が感じられれば、
何だか安心できる。
右からでも、左からでも、一方からの強風、暴風だと
僕たちは逃げ惑い身を潜めなければならない。
それがいつ止むかも知らず。