幾つになっても、〝ときめき〟をなくしてはいけませんね。
むしろ、年を取るほどに〝ときめき〟が必要かもしれません。
お断りしておきますが、女性とどうだといった浮いた話ではありませんよ。
生きていく力の話です。
コーヒーを手に、目の前に座っておられる紳士は80歳になられる。
体にも格別不調なところはないそうで
その顔、特に目の輝き・力強さに、「なるほど」と
ためらいなく頷かせる説得力がある。
何せ多芸な人だ。小唄や日本舞踊は何10年来で
あちこちから宴席へお呼びがかかる。
ピアノを置くクラブではシャンソンを弾き語りし
カラオケのあるバーでは選曲に忙しい。
ピアノ教室に通っている小学3年生の孫娘が
『ハロー・ドリー』という曲を弾いているのを聞けば
「楽しそうな歌だな。よし、覚えよう」となり
すぐにYОU TUBEを開くといったあんばいだ。
なんと、エアロビクス教室へも通い始めたという。
「ほとんどが女性だが、臆することなく楽しく踊っている」
そうだから恐れ入る。
体だけではない。囲碁で頭も鍛えている。
この方にとっては、これらすべてが心弾ませる〝ときめき〟なのである。
〝人生100年時代〟という。日本人の平均寿命は、
女性が87.32歳、男性が81.25歳(厚生労働省2019年7月発表)
過去最高を更新し、世界の最長寿国の地位は不動だ。
〝100年時代〟に近づいているのは確かだろう。
喜ばしくはあるが、それでも手放しというわけにはいかない。
健康寿命=「健康上の問題で日常生活が制限なく生活できる期間」
こちらに目をやると自慢話は途端に引っ込めざるを得ない。
平均寿命と健康寿命の差が、女性で12.35年
男性で8.84年(世界保健機関2016年発表)もあるのである。
この数字は、「日常生活に制限のある健康でない期間」
ということを意味しており、「日本は長寿国ではあるが、
〝寝たきり大国〟でもある」と揶揄されてもいる。
悔しくはあっても反論できないのが現実だ。
PPK、ちょっとくだけて〝ピンピンコロリ〟と言う。
「病気に苦しむことなく、元気に長生きし病まずにコロリと死のう」
誰もが理想とする死に方ではあるが、多くがままならず生涯を終える。
「せめて〝ネンネンコロリ〟とならぬよう
あなたも背筋をピンと伸ばし、何か心ときめくことをやりなさいよ」
背をポンと叩かれたような気がする。
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