寝床はもう、完全な真冬支度だ。
上布団と毛布の重ねだから、特に変わっているわけではないが、
実はこの毛布が耐寒、保温性に優れ、
11月末まではこれ一枚で十分に過ごせる。
だが、12月に入ると、「寒くない?」と妻が案じるように聞き、
そう言えば、空気が冷たくなり、
肩のあたりに少しばかりの寒さを感じるようになってきた。
それで、妻が「よいしょ」と上布団を抱えてきて、
二人でカバーをかけ、ほかほかと心地良く眠れる準備が整った。
「今夜はちょっと冷えているな」と思えば、
寝る前に温風器で寝床を温めておく。
そんなことさえしているから、
我ながら「爺臭くなったものだ」とあきれる。

もともと寒さに弱い。
何年前だったか、ゴミを出しに行った時「ゾクッ」ときた。
あわてて家に戻り、布団の中に潜り込み何とか震えを抑えた。
だが、夜中に発熱、ガタガタと震え、
あれこれ引っ張り出して重ね着し、寒さから逃れようとしたが、
今度は汗が噴き出してきた。下シャツを4枚替えた。
以来、この「ゾクッ」がトラウマになっており、
わずか往復100㍍ほどのゴミ出しには、
万全な防寒スタイルで行くのが常となった。
たまに、それを怠ると「ゾクッ」と襲われ、
慌てて家に駆け込む始末だ。
人の体温は36~37℃ほどで調節される仕組みになっている。
しかし年齢を重ねると体温調節の機能は低下する。
加齢や運動不足は汗腺の機能も低下させるため、汗の量も少なく、
汗をかきにくくなることで体温が調整しづらくなるのだ。
そのため、高齢者は暑さや寒さに適応することが難しくなってしまい、
夏は暑さを感じにくく熱中症に、
冬は寒さに気づかず低体温症になってしまいがちなのである。
古希は何事もなく元気に迎えた。
だが、かかりつけの女医さんはこう言った。
「これからですよ。古希を終え72、3歳になった頃から
いろいろ出てきますからね」
この女医さんの予言は的中。あれやこれやの不調が襲ってきた。
友人からのLINEにシニア川柳20選があった。その一首。
老いるとは ふえる薬と 減る記憶
カードケースの中に10枚の診察券。
いつ、なぜだったか思い出せないものが数枚ある。
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