Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

あなたを愛していいですか

2021年10月10日 13時07分35秒 | エッセイ



      「あなたを愛していいですか」
      「すべてを奪っていいですか」
      79歳の爺さんが、照れもせず迫る。
      我ながら少々、いや相当気色悪い。
      いや、いい。
      ここはスタジオ、「あなた」がいるわけではない。
      どこの誰か知らない「あなた」を想像しながら、
      布施明のごとく腹の底から声を上げる。
      それだけで満足なのだ。


      やはり、歌うのが好きなんだな。
      自分でもそう思う。
      昨年2月以来、休んでいたボーカルのレッスンを再開した。
      厳密に言えば、7月初めに再開していたのだが、
      運悪く再びコロナの感染拡大により
      再度の自粛となっていたのだ。
      ようやく緊急事態宣言が解けたのをみて、
      再々度の再開となった。

        

      この日、歌ったのはさだまさしの「無縁坂」、
      それに「僕に任せてください」、
      浜田省吾の「傷心」、これらは以前から歌っていたものだ。
      これに新しく、布施明の「姉妹坂」を練習することにした。
      なぜ、この歌を選んだのか。
      格別、歌詞やメロディーが気に入ったからではない。
      言うように、79歳の爺さんが歌うには
      相当照れくさい歌詞だ。
      なぜかと言えば、この歌は腹の底から声を出せることだ。
      大きな声で歌えることだ。
      コロナをはじめ、このところの鬱々たる気分を
      全部吐き出してやる。

      「姉妹坂」─初めて歌う。
      それも長年レッスンしていただいている
      大塚先生のギター一本の演奏でだ。
      あちこちと間違ってしまう。
      構わない。サビのところ
      「あなたを愛していいですか」
      「すべてを奪っていいですか」
      ここさえ声を出せればよい。
      臆面もなく声を張り上げた。
      よし、よし。これでよい。
      多少なりと気分は晴れた。

      高まった気分を鎮めるように、
      最後はサイモン&ガーファンクルの
      「Sound of Silence」だ。
      先生と気持ちよくハモった。
      やっぱり歌っていいな!





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2 コメント

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Unknown (keiko)
2021-10-11 06:13:13
素敵!素敵です。
ハスキーな声が聞こえてくるようです。
メロディーにのせて、声を出すっていいですね♪♪
心も体も満たされる気がします。
いいなあーー!
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Unknown (Toshiが行く)
2021-10-11 07:44:10
keikoさん おはようございます。
あなたもJunさんのギターで歌われたらどうですか。夫婦二人のそんな姿、あったかいですね。
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