岸恵子さん、あの映画「君の名は」がすぐに思い浮かぶ大女優だ。
すでに88歳になっておられるそうで、今は女優はもちろん、
さらには文筆家として幅広く活躍されている。
1957年にフランスの映画監督
イヴ・シャンピと結婚し渡仏(後に離婚)。
長年日仏を行き来する生活を続けていたが、
2000年にパリ在住の娘と二人の孫息子と離れ、
現在は横浜の実家で一人暮らしをしているそうだ。
その岸さんが、『徹子の部屋』に出演し、
一人暮らしを決断した理由をこんなふうに語っていた。
「とにかく孫が可愛くて、可愛くて。
でも、これ以上関わり過ぎてはいけないと思ったんです。
孫の様子を見ても、ちょっと煩わしそうにしたりしていましたし、
これ以上関わったらいけない、離れようと思ったんですね」
これが一人暮らしの直接のきっかけなのだが、
「孤独の裏には果てしない自由があり、夢がある」
「一人じゃないと自分らしくできない」
こういうことに気付いたのだという。
そして、岸さんは〝孤独を取り込む〟という言い方をする。
料理を美しく仕上げるには「灰汁とり」が大切だが、
老後の一人暮らしは人生を美しく仕上げるための「灰汁とり」
そういう意味合いなのもしれない。
「言うは易し」のように思えるのだが……。
五月晴れのLONELY
釣り糸を垂れているわけでもなし、ただ川面を見つめるばかり
なぜ一人ぼっちでいるのだろう?
ただただ黙々と走るだけ