The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

あなたに首ったけ ムニュ・ピノー

2019-04-25 18:02:51 | ワイン
最近飲んだロワールのナチュール。
ガメイやフランでなかなかのナチュールをこさえていたが、2016年に初めて白ワインを造ったとのこと。
造り手はローラン・ルブレ、ダブリューさんがインポートしている。



これがまた素晴らしい出来で、エディット・ピアフの名曲『あなたに首ったけ』の名を冠したというわけだ。
このワインはいわゆるシミジミ、ユルユルではあるものの、エキスが詰め込まれており、実に旨み炸裂のダイナミズムで目が覚める。
ナチュール系も当方としては好き嫌いがはっきり別れるが、このワインは好きだな。
好みかも知れない♪

アルコール度数も12度に抑えられており、ニッポンワインの一つのメルクマールになるワインと言えるだろう。
先ずは飲んでみなはれ。

2003 ラ・ヴィーニュ・ロイヤル ブラン・ド・ノワール タルラン

2019-04-11 22:21:21 | ワイン
よわい65歳にして初孫です。
色白の玉のような女の赤ちゃん(すでにジジ馬鹿炸裂!)が天使のように我が家に舞い降りた。
新米オトーサンは八戸と盛岡を行ったり来たり。
当方金魚すくいの要領で、落ち着かない新米オトーサンを鮨屋に呼びつけ、忙しい合間を縫って一献。
もちろん、乾杯はシャンパーニュのプレステージを選ぶしか無いでしょ。W





イイ感じのレコルタン・マニュピュランですな。
難しいヴィンテージでもシッカリとしたコクがある。
そこへフレッシュな酸味が心地イイ♪

ピノ100の重さもホドホドに、エキスはマッタリとして、さながらモンラッシェのようでもある。
余韻はえんえんと長きに留まり、ヴィエヴィーニュの風情すらあるのだ。

シャンパーニュのこの感覚は発泡酒の中では唯一無二だけれど、これは流石に非日常に楽しむべき物なのだ。
やはりこれだけは『わんこそば』のようには頂けないと思う。

最近富に思う、大人の嗜みは飲む人を選ぶと言うのだが、さてさて・・・
まずは老婆心まで。W

2010 ピラミッドヴァレー ヴィンヤーズ アース・スモーク ピノ・ノワール NJL

2019-04-03 22:33:37 | ワイン
先日のパパジイにタケちゃんがコレをブラインドで登場させた。

まずもって色濃く、血液のような鉄分のニュアンスを意識し、むせ返るような耕作の土の香りを感じ取れた。
フィニッシュには僅かに甘みがあって、アルコールの強さも見て取れたが、かといってもブルピノ以外とは到底思えなかった。
それがニュージーランドと言われたのだから、さすがに腰を抜かしたわけ。



後で分ったのだが、この造り手は1999年の設立で、当初よりビオディナミ農法にて畑を耕し、接ぎ木無しで植樹を行っていたとのこと。
分ったから言うのではないが、そのワインの果実には迫力のあるダイナミズムが宿っていて、その味わいは鮮烈で、極めてニュアンスは変化に富んでいる。

加えて2010年物のホームヴィンヤーズとくれば、ブルピノと見紛う酒質だといってもおかしくは無い。
まあど派手に外したから、そう言うのではないが、まずはビックリしたというわけだ。

このワインは少し寝かせて、またトライしてみたいとも思うのだが、さてさて・・・

1998 アリエント マッサ・ヴェッキア

2019-03-18 23:00:04 | ワイン
初代ファブリッツィオ・ニコライーニが手がけていた時代のバックヴィンテージである。
1986年より標高200~450mの地所に畑を2.1ha所有し、現在は3haとなっているとのこと。

自然な形でワインを表現したいとのことで、一切の化学肥料を使わない有機農法を踏襲する。
醸造においては野生酵母のみ。
木製の開放桶でのマセラシオンを行ない、人為的なコントロールも一切しないという徹底振りなのだ。

まずはヴェルメンティーノ100%というのには驚かされた。
しかもアルコールは12%に抑えられている。



山吹色の液体には、無論濁りがあり、マッタリした様相だ。
飲んでみると濃密なコクがあり、それでもフィニッシュはいさぎよい。
蜂蜜、蜜蝋、シナモンときて、イエローチェリーにプラムとくる。
総体的には正しくこれはガストロノミックなワインであり、食事が中心にきて煌びやかにそれを引き立ててくれるのだろう。

アリエント、素朴ではあるが宝物になりうる白ワインといえる。
また違ったタイミングで、再度トライしてみたいものだが?
さすがに、ムリか・・・

2015 アルヴァリーニョ カーヴ・ドッチ・ワイナリー

2019-03-14 23:32:31 | ワイン
ご存知の通りアルヴァリーニョはイベリア半島で栽培される白葡萄だけれど、ここ最近ニッポンワインの造り手でもチラホラ見られるようになった。
聞く所に寄れば高温多湿でも良く育ち、日本での栽培でも、ある程度のレベルの葡萄が出来うるというわけだ。

実際この表題のワインを飲んでみて、ビックリするほど美味しく飲めた。



桃やアプリコットの香りよろしく、ミネラルもタップリと♪
そこへ持ってきて、わずかな苦味はいかんともならないが、エキスが豊富で旨みも充分に味わえる。

飲んだイメージはヴィオニエやプティマンサンと言う感じなのだけれど、この造り手のティピシテは我の好みと言えそうだ。
リアス・ヴァイシャスやヴィーニョ・ヴェルデのあの清廉さもそれはそれでイイけれど、このニッポンワインのアルヴァリーニョもアリかな。

まずはもう少し追い求めてみようと思う。W

2009 ジュブレイ・シャンベルタン レ・シャンポー ベルナール・デュガ・ピィ

2019-03-12 23:02:24 | ワイン
凝縮したヴィンテージだからこそ許されることもある。
例えばこの造り手・・・
いつもその壁に跳ね返されるこの造り手などはイイ例かもしれない。

すなわちブルゴーニュの赤の例外的な当たり年を、たかだか10年のこのタイミングで開けるという暴挙でも、美味しく飲めたというこの事実のことだ。
フツーは考えられないが、例外的な当たり年には濃密なエキスがあって、それがネガティヴ要素を包み込んで粗が見えなくなるのだ。





その瞬間は遅い時間に現れる。
それにはゴーモンみたいな辛抱が必要となるのは説明するまでも無い。

もちろん後10年も待てればよいのだが、その時代にワレは元気で飲めているかどうかは疑わしいのだ。
その時にデュガ・ピィの実力を少しであるけれど、垣間見れた思いがした。

2007 ポマール レ・ペズロール ミッシェル・ラファルジュ

2019-03-03 23:01:44 | ワイン
先日急遽U杉先生のご来盛の知らせを聞き、タケちゃんとワインを持ち寄ったところがこの流れとなった。



ともすれば最近の傾向として、ニッポンワインやナチュール属が入るのだが、この日は違う。
何と最初から最後までフレンチの保守本流!
すなわちシャンパーニュとブルゴーニュ三昧となったのだ。

その中でもワタクシが一番美味しく飲めたのが、この表題のワインだったのですわ。
コレらを飲んで思うのは、かのミッシェル・ラファルジュの手にかかれば、ポマールも優美で羽衣のような果実を楽しめるんだということ。





07’ともなれば、すでに熟成の高原部をひた走り、果実は細かく練れて、香りも複雑みを帯びている。
そこにはミネラルとハーヴとセミドライのプラムがある。
待てばエキスに粘性が現れて、忘れがたいニュアンスに心引かれるのだ。

ヴォルネイの雄はポマールでも凄い!
ラファルジュ、さすがと思うのであった。

2005 エミリア・ロッソ マッキオーナ ラ・ストッパ

2019-02-22 22:01:06 | ワイン
この造り手の2代目当主エレナ・バンタレオーニ女史がガンベロ・ロッソの最優秀栽培家に選出されたからそういうのではないが、このワインを飲んでやはりワインは葡萄の良し悪しが全てだ、ということに尽きる。

マッキオーナはラ・ストッパのフラッグシップでバルベーラとボナルダの混醸で造られているとのこと。
味わいは凝縮した果実に程よい酸味があり、それが口の中で見事に広がり、ニュアンスに富んだ底味のエキスはスムーズな喉越しとともに消えてゆく。





これが出来た葡萄に何も足さず何も引かず、いわゆる自然なスタイルで醸造されたもの。
否定的な香りなどは全く感ぜられず、実に優しく沁みる風情がそんな造りであることを証明する。

食中酒でありながらも、ちびりとコレだけ飲んでもイケルというのだから凄いのだ。
最近のイタリアのナチュールの範疇で、これほどスッと飲めたのも特筆すべきだと思う。

意外にスキかも・・・
いやむしろ、すきすぎて困るほどなのだ。

事件を呼ぶナチュール、抑えて置くべきだと思う。W

2014 コス ネッロ・ディ・ルーポ シチリア

2019-02-17 18:28:56 | ワイン
その昔はバルク売りや醸造用の葡萄の供給地であったシチリアの南端ヴィットリーア地区。
そのクオーリティワインの産地ではなかったその地区に『COS』はあるとのこと。
何かのきっかけでこの造り手を知ったのっだが、今はそれも忘れてしまった。
いずれにしてもセラーの端っこに眠っていたこのワインを引っ張り出し飲むこととなった。





およそワインのボトルとは思えないずんぐりむっくり体型にイタリアっぽいエティケットが巻かれている。
色合いは少し熟成を感じさせる中庸のガーネットを呈している。
いかにも旨そうな色合いだ。



『ネッロ・ディ・ルーポ』とはフォッサ・ディ・ルーポ区のネッロ・ダヴォーラ100%の仕込みとのこと。
風味にはネットリとした赤い果実とプラムのセミドライな感じを見つけるも、そこには明確なミネラルのアクセントがある。
そしてネッロ・ダヴォーラの纏わり付くようなくどさはない。



むしろ和風の御出汁感とバランスの良いエキスに魅了されるのだ。
いやまいった!旨いではないか・・・
思いがけずのフィネスとの邂逅に南部イタリアの未来への曙光を見た思いがするのは、さてワタクシだけではないはず。
追い求めてみようと思う。

1997 ジュブレイ・シャンベルタン クール・デュ・ロワ ベルナール・デュガ・ピィ

2019-02-10 16:49:49 | ワイン
どうしてこの造り手にこだわるのか?と聞かれることが一番つらい。
それはその答えに窮するのが目に見えているからだ。
唯一敢えて言わせてもらえば、それはセラーの中にこのワインが納まっている図柄がクールと言うことなのだ。
たとえば倅どもが秘密裏にセラーを覗いたとしよう。
その時にへ~!おとっつぁんはナゼにこのワインを集めていたのだろうか?不思議だ・・・とね♪
まあ自分の中での妄想めいたことなのだけど・・・

これまでクール・デュ・ロワを随分飲んだけど、本当に美味しく飲めてはいない。
それは登頂の半ばで振り返ってみた景色のようで、まだその先があるのを分っていて登りきれないジレンマのようなものをいつも感じている。

クール・デュ・ロワはジュブレイ・シャンベルタンの古木の複数区画をアッサンブラージュしたもので、その対角にくるのは単一区画のレ・エヴォセル。
ワタクシはいつもこのクール・デュ・ロワに標準を合わせる。
デュガ・ピィの中では買いどころであり、コスパもイイと思って間違いないのだろう。

聞くところに寄れば、この造り手は恵まれないヴィンテージでさえも手を緩めることはしない。
そのワインはとびきり濃厚な色調でその味わいは緻密で肌理の細かな質感を約束してくれる。

さて年末のワイン放談会に登場した1997年物はどうであったであろうか?
そしてもしこのタイミングではなく、もう少し待っていたならどうだったであろうか?





ともかくデュガ・ピィの1997年物はいささか篭り気味、果実が伸びきれず、香りも焦げてダークに姿を見せず。
果実は軽く平坦でまだまだその先があるのだろう。
こうしてこの造り手からまた一つの宿題をもらう。
いつまで続くのか?と思うのだけれど、あけっぴろげの秘密一切無しの構えも興味は尽きないのだ。

こんなクールでシリアスなブルゴーニュに付き合う輩はこの指と~まれ!
さてどんなものだろうか?