The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2015 ラミディア ロッソ・カルボ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ

2018-08-28 23:12:33 | ワイン
『そのまんまH』という芸人がいるが、このワインもいわゆる『そのまんま』
何がそのまんまか?と聞かれれば、葡萄がそのまんま、すなわちダブルッツォのモンテプルチアーノの葡萄がそのまんまなのだ。

これはアル意味オドロキで、これだけ気持ちよくナチュールを意識できたワインもそうは無いだろう。



このワインは砂交じりの粘土石灰土壌に育つ樹齢40年のモンテプルチアーノで出来ている。
除梗なし、破砕なし、全房でマセラシオン・カルボニック。
セメントタンクで14日間の発酵をし、ピジャージュなし、ルモンタージュもなし。
醸し期間を入れれば3週間でワインは出来上がり。

そしてフレッシュなベリーの酸味丸出しの果実味タップリのワインに昇華する。
イチゴ、ラズベリー、赤いサクランボをマッシュして、そこにバラの花のアクセントがあり、塩気のオマケつきなのだ。

これだけ曝け出せるワインって、凄いですよね。
漏れ聞く話では、ここの造り手はジャン・フォアイヤールで研修しているとのこと。
なるほどね・・・

それにしても、いさぎよさに一票!
好いワインだと思う。

2004 ムーラン・ナ・ヴァン マルセル・ラピエール

2018-08-26 05:44:54 | ワイン
ラピエールの『ムーラン・ナ・ヴァン』が出てきたときには、にわかに信じられなかったのだが、間違いなく存在するようだ。
しかもフィリップ・パカレの甥のクリストフとの共同名義となっている。
なにか曰くつきのようだが、それはさておいて、ともかく河南ディストリクトのあのお店でご相伴にあずかったのだ。

ラピエールと言えばモルゴンなのだが、さてムーラン・ナ・ヴァンはどう来るのか?
それは他の様々な造り手と同様に、モルゴンほど濃密さは無いが、総体的にエレガントで、赤い果実の香りが高い。
そこへ加えて2004年物という古酒なのだ。





清廉な美しいイチゴやサクランボに、乾燥したバラの花、リコリス、黒胡椒、石灰などの香りがする。
味わいは極めてスタイリッシュで、言い古されている言葉で言うと、ピノ・ノワールのよう。
しかしながら、そのピノはブルゴーニュではなく、ジュラあたりのピノを連想させるのだ。

もちろん、何の引っかかりも無く喉越しはスムーズそのもので、それもガメイとは思えない。
スルスルと飲めて、麻薬のような液体と言っては言い過ぎか。

ラピエールの魔術はモルゴンに留まらず、ムーラン・ナ・ヴァンにまで及んでいるというオハナシ。
まあ無いと思うけれど、あったらまずは飲んでみることだ。

2001 サッシカイヤ テヌータ・サン・グイード ボルゲリ

2018-08-15 16:44:01 | ワイン
その昔、イタリアワインがどうしてもいけてなかった時代に、スーパータスカンと称して颯爽と登場したのがこのワインだった。
カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランのボルドー・ブレンドで、生産地はトスカーナのボルゲリ。
造りは『テヌータ・サン・グイード』が全霊を込めた最高品質。
誰もがこのワインを飲んでみたかったし、あればもちろん若いうちから片っ端に開けた。
しかしながら、ブレンドのボルドー品種はイタリアだからといって若飲みできる筈も無く、固く凝縮したサッシカイヤをそうゆうものだと刷り込まれて飲んでしまっていたのだ。



今ココに、このワインを小脇に抱えて『パパジイ』に馳せ参じた珈琲店主氏に一票!
18年熟成の『サッシカイヤ』をご相伴に預かる機会を得ることが出来た。
こげ茶色の液体は濃密で、練れて、飛びぬけたエキスがある。
ガトーの香り、湿った土、ドライなブラックカラント、そして最後はスパイシーに香る。
一方18年熟成のボルドー・グラン・クリュ・クラッセのような複雑性は無い。
しかしながらコンデンス、加えて甘くとっぷりと悪魔的な色気は隠しようも無いのだ。
さて同価格なら、あなたはどっちを取る?
飲めなければ出来ないワインのエクスペリエンスを頂きありがとう!
出展者に感謝を忘れてはならないのだ。

2003 バローロ ブルナーテ チェレット

2018-08-14 15:19:13 | ワイン
このバローロは先の『パパジイ』にワタクシが持ち込んだ物だ。
2003年産なので15年の熟成期間で、そろそろイイ感じに練れてると思い開けることにした。

チェレットほど値ごろ感が良くて、安定したバローロも少ないのではないかと思っている。
ただし今時のナチュール系ではないので、若いうちに開けるべき物ではない。
熟成して初めてそのバローロ然とした、ネッビオーロの王道の香りと味わいを堪能できるのだ。

ブルナーテはブリッコ・ロッケの次にくるラ・モッラ村の単一畑で、繊細さと力強さを併せ持つ熟成に足る地所とのこと。
ブリッコ・ロッケは出来の良い年のみの生産なので、チェレットのバローロのねらい目はブルナーテということになるのだろう。



飲んでみて、実に素晴らしい状態だった。
スミレ系の花の香気に、ステアすればチョコやトリュフをも見つけられ、その味わいはスタイリッシュでエレガンスの局地なのだ。
この果実感は熟成したバローロのみで味わうことが出来る代物で、何ものにも変えがたい。

今回はボーイズとクラシックの中間に位置するこのチェレットを、上手に楽しむには我慢と忍耐が必要なのだ、というオハナシ。
まずはココだけのハナシだが、若いブルナーテを買い置き、10年のセラーでの放置プレーを推奨したいと思う。

2015 モルゴン コースレット ジャン・フォアイヤール

2018-08-11 23:44:07 | ワイン
月並みですが、ここの造り手好きなのです。
で、『コート・ド・ピィ』はもちろんのこと、『コースレット』もエッジ厳しいですが、果実のふくよかさにゾッコンなのですわ。
思えばヌーボー狂想曲の折、さてどのヌーボーが旨いのか?となった時に、飛びぬけて旨かったのがこれ!



造りは説明するまでもなく、お師匠さんはマルセル・ラピエールなのだけれど、そこまでビオってないのもイイ♪
飲めば抵抗感なぞありゃしない。
そこへ南ローヌのような凝縮して焼けた感じやスパイス感が楽しめるわけだ。
何よりの香気にチャーミングな果実がありゃあ、そりゃ誰でも惚れるよな。
またモルゴン飲んでしまった。
ゴメン・・・