The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2008 パタポン ルージュ ドメーヌ・ルブリゾー

2012-10-31 05:44:34 | ワイン
さあ10月の最後の日となりました。

今年の冬の前半は暖冬気味との予報ですが、
さて気象庁の長期予報はハタシテ当たるのでしょうか?

地球温暖化と言われますが、夏は涼しく、冬は暖かくと、
都合よく行って欲しいと思っているのは、ワタクシだけでしょうか?

でも、過しやすさの追求は、農作物へのストレスになるでしょうから、
そんな身勝手なことは言いません!

自然のあるべき姿を壊さないように、地球の住人たる人間は、
常にそのことに心を傾注しなくてはならないわけでして、
その意味では反省すべきはその人間という事になるのでしょう・・・

さて、一昨晩は仕事帰りの道すがら『ざくろ』で『生姜焼き定食』を食べて、
家に帰ってユックリとした時間を過し、この分では酒を飲まずに寝れそう・・・
と21時まではそのように考えていたのですが、そういえば月曜日だ!ということを、
TVのチャンネル回して、後で気がついたんだわさ・・・

で、偶然BSの『吉田R・・・』が始まっているのを垣間見、酒飲み中枢が刺激され、
寝酒じゃ、寝酒・・・酒モッテコイ!とは言える立場ではありませんので、
キッチンに行くついでに、セラーを覗き込み、表題のワインを静かに取り出した!
と言う顛末でした。

『パタポン・ルージュ 2008』は『ショサール』の遺品のようなワインです。
ピノ・ドニス80%、ガメイ10%、コー10%の混醸で、実に優しいお味。



いかにも『ショサール』らしい味わいでした。

トップにはシッカリとしたミネラルがあって、甘いフレッシュな赤い果実を楽しめ、
アロマの中にも明解なプロヴァンスのハーブとオリーヴの香気が渦巻いている。

色濃く、ソレに見合うだけのフルーツが美味しく、しかしながらタンニンは滑らか!
酸度はピノよりも緩く、飲み口は穏やかなんですね・・・

イキイキとして、健康的、しかも待てば待つだけダンダン良くなる正気に帰る!てな調子なんですわ!

このワインを造った場所で飲んだら、どれだけ美味しいんだろう・・・
そう思わずにはいられない一杯、11’以降は飲めなくなるのは極めて残念!
返す返すもソウ思います。

2007 ボーヌ プルミエ・クリュ ペルチュイソ ドメーヌ・ポテル

2012-10-30 22:46:23 | ワイン
ニコラ・ポテルのメゾン物は皆さんご存知の通りですが、
ドメーヌ物はワタクシの記憶に間違いが無ければ、
おそらくこのヴィンテージがファースト・ヴィンテージであります。



何本か買い置いていたものですが、この1本だけがセラーの奥のほうに残っていました。

蝋キャップをウヤウヤシク穿ってコルクをむき出しにして、
さっそく抜栓してみまして、グラスにユックリと注いでみますと、
甘い果実の香りに、優しい滋養を連想させる括れた香りがありまして、
香りだけで引き込まれそうな感じがするんですね・・・

グラスを満たして、少しばかり待ての状態で我慢をしていますと、
スパイシーなニュアンスと東洋系の香辛料が立ち上がり、
いっそう複雑味が増してくるんですわ・・・

そこで一口飲んでみますと、フルーツは思いのほかスリムでスタイリッシュ、
それでも濃くは無いが内実があって、エキスタップリ系なんですね・・・

ですから、『季節の野菜のペペロンチーノ』『熟成ロールキャべツ』はもちろんのこと、
『大根サラダ』などにも、どんな形であれグッドな相性を見せてくれました。





コレは気のせいかもしれないのですが、
チョット昔の『プスドール』に似ていると感じるのはワタクシだけしょうか?

少しだけですが、そう思いました。

NV シャンパーニュ ブリュット J.ラサール 

2012-10-29 22:40:29 | ワイン
NVのシャンパーニュを然るべき所・・・
ここではT商店のことですが、そこで20年にも及ぶ寝かせ期間があって、
このたびお披露目になったのがこの『J.ラサール』なんですね・・・



まあ、ビックリ致しました!
熟成って凄い、熟成って素敵だ!

思わず叫んでしまいたくなるほどの、見事な熟成ぶりなんですね・・・

色合いはほんのりとオレンジに染まり、泡も柔らかに接触する。



微かに薫るフィノシェリーの香り、摩り下ろしたリンゴ、カリンの砂糖漬け、
締まったミネラルに草原の香りが渦巻いている。

酸味の集中する、エキスタップリのロングストローク!
滋味が豊富で余韻も後ろ髪ひかれるもの。

こんな感じでシャンパーニュを飲めたなら・・・
いつもそう思っております。

1997 サヴィニー・レ・ボーヌ ラ・ドミノード ブリュノ・クレール

2012-10-28 14:05:49 | ワイン
ここ数日、いろいろな行事がありまして、書き込みサボってしまいました。

昨日は業界の高校同窓生の集まりがありまして、
同じく同窓生で『中国茶』『気仙茶』の焙煎・販売の工房を主宰している、
前田千香子さんを講師としてお招きをしてのご講演・懇親会でしたので、
それに出席をして参りました。

で、この写真はその時御相伴に預かった中国のプーアル茶。
南部鉄瓶で沸かしたお湯で蒸らしたもので、薫り高く美味しくいただきました。



そしてですが、結局、旧知の仲間が集まっての懇親会ともなりますと、
行き着くところは、決まって轟沈!

最後はドロドロになって帰って来たしだい・・・

で、一日休みのご報告なのですが、一昨晩は当方宅に来客がありまして、
『NV シャンパーニュ ジュール・ラセール 』と表題のワインを開けましたので、
まずはその流れについてのお話をさせていただきます。

とりあえず、オレンジ色に染まった、不思議な色合いの『ラセール』については後ほど!
このシャンパーニュは、最初の『野菜のグラタン』に合わせて登場させ、
実に素敵なマリアージュを見せてくれました。



そして、葡萄の実をあしらった『イタリアン・サラダ』でお口直しをして、



メインディッシュの『ロール・キャベツ K子風』が登場するわけですが、
この料理に実に相性の良い『サヴィニー・・・』を合わせることに相成ったというしだい!



この『サヴィニー・・・』が凄かった!

1997年ものと言えば、熟成期間は15年目を向かえ、
程よい錬れ具合なわけですが、元よりこのワイン、特別な地所なんですね!

すなわち、『ブリュノ・クレール』の『ラ・ドミノード』の1.7haの内、約1ha強は、
樹齢100年を越す超ヴィエ・ヴィーニュ(古木)!

聴いて驚く1902年の植え付けとの事なんですね・・・

まずはこの色合いをご覧下さい↓



濃厚なヴァイオレットがエッジからガーネットに染まり、
その中心は黒瑪瑙のような神秘の心眼を思い浮かべさせます。

注がれるとすぐに、色香タップリのアニマリックな香気を漂わせ、
土の風味の中には、イスラムのモスクに迷い込んだかのような佇まいを意識するわけだ!

それはより深く、より濃密で、忘れがたい残像を残します。

そして程なく霧散したあとには、ブラックチェリーとプラムのジャミーなアロマが絡み合い、
濃厚なフルーツを楽しめるんですね・・・

味わいには確かなタンニンと愚直だが適切な酸度があって、
それが熟成の高原部に差し掛かった錬れた果実に見事なまでに溶け込んでいる・・・

そして、ジックリと煮込んだメインディッシュと劇的な相性を見せてくれました。

ガルシア・マルケスの『百年の孤独』じゃあない『100年の古木』!
凄い物を飲んだ心持でありました。


2002 カマルカンダ マガーリ トスカーナIGT ガヤ

2012-10-26 13:27:30 | ワイン
昨日の木曜日は、午前中かけて帳簿を整理して、会計事務所に届けるなどをし、
昼時間は久しぶりに『Yまや』にお邪魔をして、盛りの『ひきぐるみ』を2枚を食べました。



帰りは『Mossビル』によって、『Jンク堂書店』を3周ほど歩いて腹ごなしの算段です。
もちろん、ワイン本コーナーを覗き、文庫本コーナーへ行って、
また戻るを繰り返し、その途中で新着の『ブルゴーニュ・ワイン大全』を発見!



まあワイン本もココまで来たか!と暫し立ち読みをしながらも、
こんな本を誰が買うのだろうか?と思いを巡らしてはみましたが、
まずあの人でしょ、それからこの人、などと数え歌のようにナゾッテみますと、
一番買いそうなのは自分ではないか、との結論に行き着く、このテイタラク・・・

アブナイ、アブナイと我に自重を促しその場を去りました。

ということで、夜になって、鍋焼きうどんとサラダを食べ、
軽く『ロールキャベツ』の出汁の残りの『バーデン産』の『シュペートブルグンダー』を舐めて、
一段落して今日は『1Q84』の続きを読もうか?と考えていましたら、
珍しく早い時間に、絶妙のタイミングで83’息子が帰ってきたんですね・・・

しかも、何かワインでも飲みたい気分だとのたまうわけだ!
ワタクシとしても、血中濃度は十分ではなくて、チャンスが有ればもう1本、
のイキオイでしたので、いわゆる『渡りに船』になった、のも無理は無いでしょ!

で、早速セラーを開けて、濃厚ワインを好むムスコゆえ、
選んだワインが表題のワインとあいなりました。



10年の熟成期間を得て、トップリとタンニンを溶け込ませ、
甘く、濃密に、熟したマガーリは、今正に熟成の入り口に到達したようです。

実に美味しい!

リコリスに焙煎珈琲にハーブのアクセントがあって、
濃厚なカラントにプラムのジャミーさが絡みつく。

グラスでの自然シャンブレで見事に時間とともに変貌し、
このトスカーナは飲み手を決して飽きさせないんですね・・・

さて食べ終わった後なので、つまみに『白いバカウケ』を試してみたんですが、
その味わいのビミョーさ極まりなし。



むしろそれだけ飲んでも楽しめるんで、小技を使って飲むのは止めまひょ!

ガヤはこのクラスでも、シッカリとした仕事をしているわけだ!
イタリアワインの熟成待ちもこのクラスなら、試してみるべきでしょう。