The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2006 ボンヌ・マール グラン・クリュ ブリュノ・クレール

2018-06-30 06:12:27 | ワイン
かの『クレール・ダユ』の約70%の畑を継承して、設立されたのが何を隠そうこの『ブリュノ・クレール』である。
このドメーヌは良質なマルサネの造り手として名を馳せているが、フラッグシップはやはり『シャンバルタン・クロ・ド・ベーズ』であることは説明するまでもない。
ところが実は猫の額ほどの『ボンヌ・マール』も持っていて、今回の『オテル・・・』に登場させた代物がそれなのだ。



そしてこの『ボンヌ・マール』は全てモレ・サン・ドニ側の葡萄とのこと。
したがってそのテロワールは黒い果実のニュアンスが強く、その味わいはタイトで、緻密で、鷹揚なスタイル。
さらにフィネスは充分に感じるも、長期熟成似によってより高いポテンシャルを得られるのだ。
今回ご相伴にあずかったこの06’物は熟成の高原部の入り口に差し掛かったところなのだろう。
実は皆で飲んだ当日よりも、3日置いて味見の最終確認を行った時がテンションマックスだったのだ。
ゴメン!(これ、主宰者へのご褒美です。 笑)



それでもその日のこんな料理とも見事な相性を見せてくれ、実に誠実なブルピノぶりを堪能できた。
このことは数少ないクラシック・ブルゴーニュを垣間見た瞬間と言えるのだろう!
こんな機会を皆で持てたことを大事にしたいと思う。

1976 シャトー・マグドレーヌ サンテミリオン・プルミエール・グラン・クリュ・クラッセ

2018-06-26 22:53:56 | ワイン
先の『オテル・・・』出展ワインで、先ずはこのワインに触れぬわけにはいかんでしょう。
なぜにクラシックなブルピノの06’物がポンポンと登場した後に、忽然とこのワインが登場したのか?
しかもブラインドで・・・

それはマグドレーヌこそ、その日その時の『オテル・・・』の歴史に残るワインの一本であったことが一つ。

もう一つがこのマグドレーヌにとって、1953年という年が意味のある年であるとうことなのだ。
そして1953年は当方が生まれたヴィンテージでもある。
このことはまずはイイとして、何気に当方にとって愛着のあるワインではある。



ここまで書くと、その日その時に同席した人は思い出すと思うが、1969年のMGの優美な艶姿をワタクシは忘れもしない。
そのワインは同業者のN先生がフランス土産で持ち込んでくれた物だったのだが、それはそれは驚異的な旨さだったのだ。

カノンと良く比較されるこのマグドレーヌだけれど、自分にとってさてドコがイイのだろうか?と考えてみると。
それはメルロ比率が多いワインの割には果実の柔らかの奥底にバックボーンがある。
そしてその果実はあくまでもスタイリッシュで優雅そのもの。

加えて40数年余の熟成が過ぎたあかつきには、クラシックなブルゴーニュがそうであるように、色気のある、妖しのブケが立ち昇るのだ。
1953年は意味のある年と言ったが、実はかのムエックス家が買い取って新たなマグドレーヌがスタートした年とのことなのだ。

すなわちこのサンテミリオンは新興勢力!
それであの地味なエテイケットでスタイルの良い左岸よりの味わいを醸し出すのだ。
イケテルとは思いませんか?

そしてその日の『オテル・・・』でも、こんなお料理と見事な相性を見せてくれた。



そんなことで、ワタクシはこのワインが好きなのです。(笑)

とりあえず『オテル・ド・ヤマダ』出展ワインを報告です。

2018-06-24 00:29:33 | ワイン
父の日に『オテル・・・』というのは、ワケありで、まあ書き込むのも野暮なので割愛させてもらうけど、ワケありながらも異様に盛り上がったということだけは報告しておく。
料理の方は?というと、K子シェフは絶好調で、11人参加も名うての寿司職人のように手際よく提供された。
もちろん、塩加減、出汁加減は説明するまでもなく、和洋中何でもござれのワールドワイドなキュイジーヌの展開!
マリアージュであり、アビナメントであり、相性良しの、嫌な言い回しだけれど、ステキなペアリングつうことでした。

で、まずはこの際、登場したワインの流れでもご覧あれということですわ。

1.2017 Nakai Muller Kondo Vineyard

2.2012 Della Soul Hitomiwinery

3.2014 Krisawa Blanc Nakazawa Vinyard -Blind Item

4.2011 Alsace Grand Cru Pfersigberg Gerald Schueller



5.2015 Les Gaudrettes Cote du Jura Chardonnay Phillipe Bornard -Blind Item

6.2014 Meursault Pascal Clement

7.2006 Meursault Charm Comtes Lafon-Blind Item



8.2003 Kusuda Pinot Noir Martinborough-Blind Item

9.2006 Pommard Grand Clos des Epenot Coursel

10.2006 Bonne Mares Bruno Clair



11.1976 Ch. Magdlaine Saint Emilion 1er Grand Cru Classe-Blind Item

12.1995 Ch. Guiraud Sauterne



さて、どうでしたでしょうか?
すなわち、決まりごとではないスタイルです。
保守本流をメインに、ナチュールもニッポンワインも鏤められている。
まあ全方位の品揃えつうことでしょうか?
これをよしとするかは個人の好き嫌いのモンダイだけど、世の中にはこれだけのステキなワインがあるって事なのです。

次なる投稿には、これにあわせたお料理なども掲載させていただくことにして、まずはこの辺で。
では・・・


1999 サンセール レ・モン・ダネ パスカル・コタ

2018-06-13 21:22:51 | ワイン
一昨日のことになるが、最近急速にワインに興味を持ち出したある若者から、とあるお店に招待を受けた。
そこは盛岡は桜山向かいの路地裏にある、予約オンリーの和食屋さんで、名前にも庵と付く通り、セピア色の昭和然とした趣きのある佇まいだった。

そこで招待してくれた彼が言うには、このワインを一緒に飲んで、意見を聞きたいといことだった。
それがこの表題のワイン、パスカル・コタのサンセール、しかも99年物だったのだ。



ロワールはサンセールの忘れられない造り手を挙げよと言われれば、アンリ・ブルジョワとデディエ・ダグノーがまず浮かぶ。
さてパスカル・コタ・・・
おそらくこの日がこのワインを飲むのが初めてだったと思う。

まあそれが開けてビックリ玉手箱。
いわゆるサンセールの概念を根底から覆すような代物だったのだ。

何が凄いかって?まず甘くリッチで、濃密極まりない酒質であるということ。
そしてそこへ唯一無二の香気が漂い始めるのだ。
野生のハーヴ、ライム、マルメロ、洋梨の砂糖漬けなどなど・・
そして飲み終わった後の絶えることの無い余韻が半端じゃあないということなのだ。

その日のそのお店の、こんなお料理にステキな相性を見せてくれた。





このサンセールはワインだけでも素直に飲めて成立する。
しかしながら、あくまでもガストロノミックな裁量は桁外れだと思う。

おそらく、若くても美味しいのでは。
あったら探してみたいと思う。

セクレ(secret)No.2 フレデリック・コサール

2018-06-13 06:00:09 | ワイン
説明するまでもなくコサールのネゴス物。
エティケットに書かれている通り、中味はゼッタイにヒミツなのだそうだ。



飲んでみると、威風堂々の実に飲み応えのあるブルピノで、そこには凝縮した果実の味わいと黒系の果実のアロマがあって、少し熟成したニュアンスもある。

その日は、河南ディストリクトの『グラスト』さんで、サーロインを炙って頂く算段だったので、正しくジャストミートだったのだ。



漏れ聞く話によれば、仕込まれた葡萄は80%がヴォーヌ・ロマネの有名なドメーヌの畑のもの。
そして残りの20%はシャサーニュ・モンラッシェ近郊の畑のものとのことらしい。

ヴォーヌ・ロマネの有名な造り手って誰よ???
30年以上もワイン飲んでて、これをスルーする訳にはいかないよね。

グロ・ファミリー?ジャン・グリヴォ?はたまたジョルジュ・ミュニレ?
と疑えばキリが無いけれど、今思いついた一つのドメーヌにはこんな味わいのメタファーがフラッシュバックされたのだ。

それは『ルネ・アンジェル』・・・
違うかな?(笑)

いずれ、そんなことなど思い巡らせながらのワイン生活。
いろんな意味で開放されるよね。

それにしても、コサールはお見事でした。