The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2009 ヴォーヌ・ロマネ クロ・デ・レア ミッシェル・グロ

2016-12-30 13:25:39 | ワイン
29日の盛岡ワイン大放談会に、このワインを持ち込んでくれたのは、他でもない月光仮面氏なのだ。
満を辞しての感ある、このワインの登場なのだけれど、今更ながらにミッシェル・グロのこの畑への思いを感じることができる、素晴らしいヒトトキだった。

2009年というヴィンテージはグロ家が『クロ・デ・レア』の畑を入手して、150年の節目となる年にあたる。
この黄金に輝くエティケットは、1860年のドメーヌ・グロ・ゲノー当時の復刻ラベルとのこと。



なぜにミッシェル・グロはかのリッシュブールを手放したのか?
このことはブルゴーニュ・ファンならずとも、全てのワイン・ヒートのナゾでもあるのだ。
しかしながら、良く考えてみて欲しい、5代150年の長きに渡るモノポールの管理耕作を経ての長男ミッシェルの思いを・・・

そしてその土地は、土壌の組成もさることながら、水はけ良く、日照の恩恵を充分に得ることが出来る、マイクロクライメットの優れものなのだ。

2009年という長熟のヴィンテージ、そして150周年の記念碑的このクロ・デ・レアに、充分過ぎるくらいの焼きの入りのいい樽で仕込む。
この土地のテロワールは、タンニンはしなやかで、果実はなめらか、酸度は低く、若くても飲み良いのだが、2009は樽をおまじないの如くに、強くかけそのクラシック・スタイルに磨きがかかっているのだ。

焙煎強めのモカマタリの香気に、スー・ボワ、シャンピニオン、トマトジュースときて、厳然たるブラックベリーとカシスのアロマが香る。
味わいはモノホンのクラシック・ブルゴーニュの見本のような塩梅だ!

ジュゼッペ・リナルディと並んだ、黄金コンビのエティケットは29日の夜会の凄まじさを、ものの見事に物語る。
まずは月光氏に感謝するしかない。



ありがとう!

2004 バルベーラ フリザンテ カミーロ・ドナーティ

2016-12-25 22:47:23 | ワイン
ある日の食事でのことだったのだが、ソーセージをカリッと焼いてもらって、そこへドイツ風に男爵と玉葱も甘く焼いて、そしてディジョンのマスタードを添える。
それだけではとどまらず、アーリオ・オーリオの塩系パスタも並んで、さてさて・・・となったわけだ。





で、その時考えた挙句にセラーから取り出したのが、この表題のフリザンテだったということなんですね。



このアジェンダは、現当主カミーロの祖父が自家消費用としてワイン造りを始めて、その後紆余曲折があったものの、カミーロが生産を商業化させて今に至っている。

そして畑においては有機農法、ワイン造りは伝統的な手法にのっとり、全ての葡萄にマセレーションをし、温度管理を行わず、フィルタリングも木綿の袋で重力のみの軽めの行程のみ、野生酵母で瓶内2次発酵を行なうとのことだ。

見よこの微発泡の滑らかで、マッタリ、シミジミのヴィオレットのフリザンテを!
食事が嬉しいったらありゃしない!



エミリア・ロマーニャの食材も喜ぶこと必至のフリザンテ、あったら一度試して欲しい。
心底そう思うのだ。

2008 100% (サン・プルサン) クロ・ド・ラ・ブリュイエール(ジュリアン・クルトワ)

2016-12-23 16:44:08 | ワイン
もちろん飲むのなら赤白がイイだろうと、変態ワインの会にジュリアン・クルトワの100%も持参した。
思い出してみると、この造り手の2004年もの、その時代のエティケットはシルバーに青の文字のこざっぱりとしたもので、すっかりと失念していたのだが、実は飲んだ経験があったのだ。
現在のエティケットはこの通り、ジュリアン・クルトワのマオリ族出身の妻が描いたもので、印象的なトンボの図柄となっている。



100%(サン・プルサン)とはガメイ100%だからとのことで、このワインこそトゥーレーヌはロワールのガメイの真髄を存分に楽しめるワインと言える。

『畑のためなら何でもやる!』との信念のもと、自然農法による完熟葡萄を使い、何も足さない、何も引かない、いわゆるナチュールの彼自身の定石を積み上げてのワイン造りを踏襲しているとのことだ。

野生酵母、果汁は重力のみによるグラヴィティーフローによる移動、完全除梗、SO2不使用、ノンフィルトレなどなど、自然な造りの定石は枚挙の暇も無い。

飲んでみると、意外に色は薄く、僅かな還元香は感じるも、それもステアーすることによって即座に霧散してくれる。
そうなるとボジョレーのガメイ特有の田舎仕立てのモッサリ感は微塵もなく、むしろスミレの花や、ラズベリー、レッドチェリーなどの美しい香気が鼻をくすぐるのだ。
果実は思いの他スタイリッシュで、変態度はやや低め(笑)、しかしながら軽やかだけれどエキスが半端じゃなくて、その余韻たるや、凄うでのブルゴーニュの造りをも凌駕するイキオイなのだ。

そしてこのワインが3000円そこそこで買えるのだから、これもオドロキと言える!
この際ともかく、このワインをもう少し追い求めてみようと思う。

2014 レストン・ナチュレ ピノ・ノワール クンプフ・エ・メイエー

2016-12-20 22:21:01 | ワイン
ややキャラクターの強いワインが続いて、終盤の熟成ボルドーが出て、最後にこのアルザス・ピノが出た。
実はこのタイミングが絶妙で、アルザス・ピノの果実味が心地よかったのだ。



やはりブルゴーニュ・ピノとは違う。
そのザックリとした素朴な果実の味わいが素敵なんですわ・・・
赤系のフルーツ満載のトップに、カチッとしたミネラルと、僅かな草原の輝きも見れるわけだ♪

今ナチュールの流れに乗って、この地所のピノがいたる所でココロに沁みる。
クンプフ・エ・メイエーまたこの造り手にやられてしまった!

2005 エスキス ジュリアン・クルトワ

2016-12-18 19:30:18 | ワイン
変態ワインにこの指と~まれ!と掛け声かけて、ワタクシ含めて5人のワイン猛者が集まった。
そうは言ったものの、エスキスは実のところ変態の範疇には入らず、むしろその果実のフレッシュさ、ピュアさ、それと相対する熟成感、そしてなによりも優しい滋味を持つ宝石のようなワインなのだ。



今回は前回の2006年ものに続いて、2005年ものを飲むこととなったのだが、おそらく2005年ものは2006年ものより濁りは少なく、色付きも薄いように思われた。

それでも大ぶりのグラスで2回までリターンできたので、華やかな香りのカレイドスコープは健在で、特にも2杯目の濃厚なエキスと甘露な果実は、20年熟成したかのモンラッシェをも思わせる。

そして香りの展開は目まぐるしく、最初は黄桃、バター菓子、マルメロ、などにミネラルを意識し、2杯目にはダージリンティー、かんろ飴、蜂蜜、陳皮なども見つけられた。

全て手作業の一切の化学物質は使わない造りは、その土地のテロワを的確に投影する。
そして甘く凝縮したピノ・ムニュの油はワタクシ達の心にシアワセを呼び起こしてくれるのだ!

世知辛いこの2016年の年末に、そんな美味しさで待っててくれてアリガトー!
またこのワインに出会いたいと思ったのは、恐らくワタクシだけではないと思う。