The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1999 サヴァニエール ニコラ・ジョリィ

2018-03-28 21:16:16 | ワイン
週の始めの日曜日に、K子さんが娘2人の様子伺いに東京へ行って、残された当方は久しぶりの一人『ドゥエ・マーニ』となったわけ。
そんな折も折、飲んでもらいたいワインがあるのです♪と、出されたワインがこの表題のワインだった。

というのも、ビオディナミをまるで呪術のように思われていたその昔に、ワタクシは図らずも『クーレ・ド・セラン』を飲んでいた。
ヴィンテージは1982年だったかな。
もちろん当時は、シュナン・ブランの経験もそれほど無いうえに、聞いたことも見たことも無いビオディナミ農法のものをだ。
結果ワインを飲んだその瞬間、正しく異様な飲み物に感じたのは説明するまでも無い。
そんなこんなの昔話を随分前にしたのを憶えているが、それを聞いたフロア担当の佐々木君が、じゃあ今度はこのワインはいかがでしょう?と出してくれたというわけだ。





コルクもうまい具合に抜けて、ボトルに内包された香りが外の空気との混じり合ったその瞬間だった。
素晴らしいアロマが、カウンター越しに漂い始めたのだ。

それは黄桃、アプリコット、蜜蝋、オレンジの蜂蜜、カモミール、陳皮、ハーブティーなどなど・・・
そして一口飲み込めば、甘くとろけて正しく甘露。
僅かに苦味も感じるが、果実の練れ具合は正にパーフェクトと言っても良いのだろう!

今までにニコラ・ジョリィ氏のシュナンを何度か飲んだが、最高の状態で飲めたのは今回のこの、2018年に飲んだ1999年物のサヴァニエール。
嘗て飲んだ『クーレ・ド・セラン』でも『ロッシュ・オー・モワンヌ』でもなかった。

トパーズのように輝くシュナンを飲めたシアワセ。
これはありがとう、と言うしか無いでしょう。

やはり『ジュリアン・ギュイヨ』に注目をせざるを得ないのだ!

2018-03-25 14:15:13 | ワイン
1954年と言えば、ワタクシがおぎゃあと生まれた次の年。
その年からビオロジックで畑を耕し、化学的なものを一切排除し続けているとのことだ。
そして90年からはビオディナミを実践し、現在に至っている。
その地所はマコネー地区のクリュズィーヌ、至宝の一区画『ドメーヌ・デ・ヴィーニュ・デュ・メイヌ』にある。
ピエール⇒アラン⇒ジュリアンと3代にわたる自然派の系譜は、このブルゴーニュの生気溢れるピノ・ノワールに集約されていると言っても過言ではない。

16’ブルゴーニュ ルージュ キュベ・オーギュスト ジュリアン・ギュイヨ  





まずは飲んでみなはれ、あればのことだけども。
正しく幻想的で、色気のある、想像を掻き立てる、妖しのブルピノ!

なにはともあれ、注目せざるを得ないのだ。

2016 ラボ シャルドネ オーク ノーザンアルプスヴィンヤード 長野県大町市

2018-03-22 23:14:21 | ワイン
ここにきてとみにニッポンワインに驚かされることが多くなったが、このワインもその中の一つ。
自分的にはコンベンショナルなスタイルのシャルドネの旧大陸に渡り合えるニッポンワインの最右翼だと思っている。

でも聞くところに寄れば、この造り手さんは2014年の設立なんだとさ。
ええ若いもんじゃあ、などと感心しつつも、さてどないしてこんなワインに仕上げたのか?が気になるわけだ。



このワインは限定2樽の実験的なワインとの事で、それでラボとなる。
酵母はVL1をメインに3分の1の自然酵母を使い樽発酵、そして樽熟成、葡萄は葡萄農家の実家の物を端正込めて育てた物とのことなのだ。

酵母がどうか?よりも、イイ葡萄で出来ているんだろうな、と容易に想像はつく。
それだけにインパクトのあるお味なのだ。

濃密で薫り高く格別なニュアンスに富んで、イスタンブール!(笑)
冗談はともかく、ここにも将来有望な若き醸造家がいるということを憶えておこう。

そうそう、この醸造人の若林政起氏はあのソムリエの若林英司氏の従兄弟とのこと。
これもアル意味、クリムゾン・リバーということなのでしょう。

では・・・

2010 ボーヌ クロ・デュ・ロワ ドメーヌ・ド・ベレーヌ

2018-03-21 10:44:48 | ワイン
およそブルゴーニュ好きな人で、ニコラ・ポテルを知らない人はいないと思うけれど、表題のドメーヌを知る人は少ないと思う。
もう何年前かは忘れたが、このドメーヌの物がリリースされたその当時、自然なワイン造りで少量生産で、ニコラ・ポテルが携わっているという事に驚かされたのを憶えている。
そして先日のパパジイで、例外的なヴィンテージの10’をご相伴にあずかった。
いつものようにブラインドで登場した。



クリムゾンの濃密な果実に僅かな樽のニュアンスがある。
肌理の細やかな丁寧な造りであり、綺麗な酸味の裏付けが印象的だ。
アロマはむしろ黒系ではあるが、飲んだ後の戻りには赤系のアクセントもある。
フィニッシュは鮮烈で、デカダンで、なおかつ後腐れが無い・・・
第一印象はニュイのプルミエあたりだと思った。

しかししかし、ニコラ・ポテルのボーヌの宝物だとは!!!
飲み頃は後5年、いや10年先だろうか?

思うに一たび熟成の高原部に達した時には、物凄いことになるであろう!
走ってでも探して買い置くべきワインだと思う。

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2001 チンチナート ロッソ・トスカーナ アンドレア・フランケッティ

2018-03-19 23:13:37 | ワイン
おそらくこのワインが『テヌータ・ディ・トリノーロ』の中で一番入手困難なワインだと思う。
そんなワインを珈琲店主氏がいとも簡単に『パパジイ』へ持ち込んできた。

まあ簡単ではないにしろ、残っているその他のワインがこれ以上のレベルであることは、容易に推測できる。

ともかくこのワインはラッツィオ州の地場品種チェザネーゼ・ダッフィーレで出来ている。
このワインの他に、この品種で造られているものを挙げよ!と言われても即座に思いつかないほど、この品種は珍しいものと言えるだろう。



17年熟成させたチェザネーゼはいかに?と言うことになるが、どこかで見た青い空なのだ。
コレは言い過ぎになるかもしれないが、カーゼ・バッセ?
いや流石にこれは言い過ぎ。

でもね、葡萄の健全さと煮詰め感のハザマにある危うさは正しくそれなのだ。
色合いにはクリムゾンにガーネットのニュアンスが指すけれど、17年経ってもピュアでスタイリッシュで穏やかな果実がそこにはある。
そして酸味もほどほどに、底味は滋味多くまるで栄養ドリンクのように濃密なフィニッシュを向かえるのだ。

17年経った今ならまだしも、あの時代にこれだから凄い!
フランケッティってナニモノ???