The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2016 パパ・レッド ザヴィエ・グッドリッジ

2017-06-29 14:34:43 | ワイン
ヴァンナチュールと言われるワイン、まあ一くくりでこの話を進めると、これまた何か問題が起きそうだけれど、ともかくワイン造りにおいて、栽培も醸造も自然な手法を心がける造り手によるワインをまずはヴァンナチュルと呼ばせてもらおう。
で、最近上り調子のヴァンナチュールを扱うインポーターの一つにワインダイヤモンズ社があるよね。
オーストラリアの造り手に特化して、『ルーシー・マルゴー』やら『パトリック・サリヴァン』などで評判を得ている、あのインポーターさんのことです。

実はこの表題のワインもワインダイヤモンズ社のインポートによるワインで、ヴィクトリア州のベンティゴのシラー100%で造られているとのことなのです。
その日は夕餉にハンバーグなどが出てきて、さてさてとなったけど、品種は分からずとも、この色合いなら大丈夫だろうと、色だけ透かしてイキナリそのワインを抜栓した。







グラスの色合いは確かに濃い、そして立ち昇る香りは中程度の色合いの果実のそれで、しかもノーブルで品良く、好ましげな色気も持ち合わせている。
飲んでみると流麗な果実があって、しかも適切な酸味もある、そこへもってきて喉越しはユルリと抜け感良く、あとくされもない。
もちろんその日の、特製ハンバーグと実に見事な相性を見せてくれた。
13.5%のアルコール濃度ではあるけれど、何というのでしょう飲み口良く、無くなるまでそれほど時間はかからなかったのだ。

ステキなワインだと思いますよ、加えて『Papa』というのも泣かせます♪
もう一回試してみたいのだけれど、ドコ探しても見つからないのは、ナゼなのでしょう?
このワインも引く手あまたという事なのでしょうか?
当方ワインダイヤモンズ社のワインの中でも、このワインとは比較的オーケーなのですよ♪

まあ何時の世でも同じことが起るけど、この手のワインの評判イイヤツは市場から瞬く間に消えてしまう。
そうなると価格もパッとしないこれ等のワインは、それこそこの世に無かったことに等しくなる、ということに市場は気付いているのだろうか?
それはニホンワインにも、同じことが言えるのだけれども、さてさて・・・

2002 バローロ ラ・ヴィーニェ ルチアーノ・サンドローネ

2017-06-24 22:49:40 | ワイン
1978年にアジェンダを立ち上げて以来、バローロにクリュの概念をいち早く取り入れたのは、ルチアーノ・サンドローネその人なのだ。
そしてここのフラッグシップであるクリュ『カンヌビ・ボスキス』は、むしろバローロ全体のフラッグシップともいえる。
その香りと味わいは極めてブルゴーニュ的であり、その深みとバランスはともすればブルゴーニュのグランクリュをも連想させるのだ。



で、今回の『ラ・ヴィーニェ』であるが、このワインはクリュ至上とは打って変わって、異なる4つの畑のワインをブレンドさせて造るという、いわばバローロの伝統的なスタイルの醸造法といえるだろう。
標高、土壌、畑の向きなどが異なる4つの産地の相乗作用が、さてどんなあらたなサンドローネを造り上げるのか?
当方としても、このブレンド・ワインは初めてだったので、実に興味深く飲ませてもらった。

まずもって、精緻な味わいと豊かな香りに驚かされるが、エレガンスの中にも豊潤さと複雑性は見のがさず、もし同じヴィンテージであれば、ボスキスよりも今ならこちらの方が飲み頃だと思う。

それにしても、他のバローロには無い品格と東洋風のイナセな香りは健在で、青いエティケットならずも、サンドローネは感じ取れるのだ!
やはりこの造り手、傍らに取りおくべきワインではあると思う。


1998 フラワーズ シャルドネ キャンプ・ミーティング・リッジ ソノマ・コースト

2017-06-22 16:36:09 | ワイン
その昔、ここの造り手が元詰めを行っていなかった頃、『キスラー』にバルク売りをしていたそうなのだが、その品質に驚いた『キスラー』の醸造家のビミョウな心持ちは察するに余りある。

そもそも『キャンプ・ミーティング・リッジ』とは、先住の人々がカリフォルニアの暑すぎる夏を凌ぐ避暑地と言うことで付けられた名とのことだ。
すなわちその地は、日差しは強いが冷涼な風の通り道であり、凝縮したシャルドネができる絶好のマイクロクライメットということなのだ。



このワインを買った当時、5000円前後だったと思う。
ワインの価格を知るということは、間違いなく飲み手の意識に強く影響する。
5万円の価格表示は5万円の液体を期待し、よもやそうでない液体だったとしても、そうではなく今の状態はまだ序章なのだと、イイ方向で調整する。
一方この5000円のシャルドネは時価は付けられないほど高値であり、たといリリース値段だとしても、およそ3倍の価格となるだろう。
そこでThe Wine Heatの面々はこのワインをどう評価するのだろうか?
『このワインは好みではないが、正統なワインである。』というスタンスで目利きができるかどうか?
次にお会いする時には、是非聴いてみたいと思うのだが・・・

でこの98年物は、見ての通りのあたかもマンダリンでも漬け込んだかのような、オレンジのニュアンスを持った、山吹色の液体にメタモしていた。
色合いと歩調を合わせるように、注がれた液体は濃密な香気を発散させ、実に会の主宰を喜ばす状態に出来上がっていたのだ!

ブリオッシュ、発酵バター、マンダリンオレンジ、レモン、グァバ、ダージリン、蜂蜜などなど・・・
果実はオイリーで、酸味は抑えられており、アルコールの度数低めのフォーティファイドの様相を呈している♪

感じ方は様々だけれど、当方としては、このワインは押し並べて絶妙なタイミングで開けられたのだ、と感じている。
ジブンの手から放たれたワインは心配で不憫でもあるが、成長したわが子が都会に出てゆくのを送り出す親の心情のそれにも似ている。
そんな心根で登場させた『キャンプ・ミーティング・リッジ』、さて皆さんにはどう映ったのだろうか?

新しいヴィンテージですが、ここが最安値↓



2006 シャぺル・シャンベルタン ジャン&ジャン ルイ トラペ

2017-06-21 23:14:16 | ワイン
このワインがトラペのグラン・クリュだと分ったあとに、シャンベルタンなのか、シャルム・シャンベルタンなのか、それともシャペル・シャンベルタンなのか、と聞いてみたところ、7名中3名がご名答だった。

この飲みつけないグラン・クリュがトラペだと分っていたとしても、思いのほか軽く、エレガントで薫り高いこのワインを、シャぺルと言い切れる御仁がコレだけ居ると言う事に敬意を評するのはワタクシだけではないと思う。



確かに軽いけれど、グラン・クリュとしての品位はある。
そしてブルゴーニュのピノ・ノワールとしての正統性はもちろんあるのだ。
それを質感の重い&軽いで格付けを想像するほど野暮なことはないわけで、そんなことは年始の『芸能人格付けチェック』などに任せればイイ!

代が変わって、ヴィンテージごとのばらつきが消えたトラペはここでも実にグラン・クリュのあるべき姿を見せてくれた。
小生、干支5周り半になろうとしているが、ここに来てこの辺の落ち着きのある、精緻な造りの、滑らかな舌触りのブルゴーニュを飲むことが一番心地よく思えるようになってきた。

思うに、この手の手合いは近年確実に少なくなってきている情況なのだ。
だから大事にしたいと思うのだが・・・

『オテル・ド・ヤマダ』Four Seasons -Summer

2017-06-19 22:22:01 | ワイン
去年に引き続き『父の日』オテルとなりました。
いろいろな意味で、この日なのですが、この場で思いを吐露すると、物議を醸し出しますので、ここはまず出展ワインについてのみのご披露といたします。

ワインの流れはお気楽に、オテルらしくと思っていたのですが、けっきょく起承転結はもとより、韻を踏んで、なおかつ思わぬところにヒントを鏤めた、ややこややしな展開となっってしまったのですよ。(笑)

で、この並びのポイントになったのが『ジャン&ジャン・ルイ・トラペ』だったのですが、これを選んだのは、これまた極めてシンプルな動機でして、先日飲んでみた『04’ジュブレイ・シャンベルタン オストレア』が実に美味しく飲めたということなのです。

で、トラペの『99’ジュブレイ・シャンベルタン オストレア』を中心にすえ、こんなラインナップとなりました。
まずはご覧下さい↓

1.2015 Cuvee Ohno Yamagata Delaware Awa Style Hitomi Winery

2.1997 Chassagne Montrachet La Boudriottes Blain Gagnard

3.1998 Flowers Camp Meeting Ridge Chardonnay



4.2014 Nana-Tsu-Mori Pinot Noir Domaine Takahiko Soga

5. 2014 Alsace Pinot Noir Chapelle 1441 Domaine Trapet

6.1999 Gevrey Chambertin Ostrea Jean&Jean Louis Trapet

7. 2006 Chapelle Chambertin Jean&jean Louis Trapet



8. 2007 Palari Faro Salvatore Geraci

9. 2002 Barolo La Vigne Luciano Sandrone

10. 1993 Chateau de Farge Sur Saluces Sauternes



さて、どこにどのような主宰の工夫があるのか?は、見る人次第です。
また登場したワインについてのコメントは、いつものように後ほどユックリとということになります。

まずは今宵はここまで、では・・・