The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

年忘れワイン放談会

2017-12-30 18:38:06 | ワイン
気がつけば晦日です。
今年も様々なワインを飲みました。
まあ全方向と言うのでしょうか?(笑)

その食事に合わせて、飲む相手に合わせて、そして時と場所に合わせて・・・

その昔、ブルゴーニュとボルドーのグラン・ヴァンのみ飲み漁っていたオノコが、ニッポンワインにナチュールときた!
人はナゼだと問う、そしてそのオノコは言う、そこにワインがあるからさと・・・

で、晦日前にこんなん持ち寄って『ワイン放談会』♪

飲みも飲んだりエトセトラ。
まずはざっとご覧下さい↓



いつものように、詳しいコメントは後ほどゆっくりと。
一本一本、意味があります。

そうです、飲む相手、時と場所、そしてその日の食事・・・
ということで、また!

2011 ヴィトフスカーT ヴォトピーヴェッツ

2017-12-24 18:20:49 | ワイン
フリウリ・ジュリアのヴェネツィア・カルソ地区の地場品種ヴィトフスカ1本でワインを造っているコアなアジェンダ。
ココのワインも10年ほど前にはじめて飲んだと記憶している。

この表題のワインは素焼きのテラコッタ製のアンフォラにてヴィトフスカを発酵させ、その後プレスした後再びアンフォラに戻して熟成させたものである。



出来たワインは大樽で熟成させたクラシカよりも、よりスタイリッシュでエレガントな妙味があるとみた。
加えて言えば、より滑らかな質感、そして肌理の細かな味わいを楽しめる代物と言えるだろう。

今回、最初開けぽんで2杯ほど飲んで、残りは2日後にゆっくり頂いたのだが、味わいはより濃密により薫り高くメタモルフォーゼしていたのには驚かされた。
その香りは定番の花梨、黄桃、カンロ飴などに、涼しげなミネラルが裏打ちされて唯一無二感満載なのだ。





オレンジワインの質感は実は異常反応すべきものではなく、もし傍らにあるならば、ササッと開けて家飲みのお伴として飲むべき楽しさがある。
アルコール度数は12.5%、キャラクターは強いが飲み口は極めてガストロノミックなのだと気付くと思う。

身近になったヴィトフスカ、良い環境になったと思うのはワタクシだけでは無いのだろうと思うのだが。

2007 バローロ・グラモレーレ フラテッリ・アレッサンドリア

2017-12-21 22:04:49 | ワイン
小さなカンティーナの畑名付きのバローロ。
なかなかお目にかかれないけれど、価格はまずまず抑えられている。



我が家のセラーで随分熟成のタイミングを待っていたが、昨日のリストランテ・シカザワの年忘れ顔見世興行に同行させた。
そしてシカちゃんのこんな料理のラインナップに華を添えてくれた。





このバローロはあくまでも伝統派と言えるだろう。
10年の熟成期間で程よくこなれ、柔らかくスタイリッシュにそしてエレガントな佇まいを見せている。

いかにもバローロを思わせるスミレの香りを漂わせ、完熟したプラムのオマケ付きときた。
樽はわずかに確認できる程度、そこに焙煎珈琲のニュアンスをみてとれるのだ。

強烈で主張するバローロではないけれど、大海の凪のような落ち着きのあるバローロなのだ。
どこかブルゴーニュ・ピノノワールの風情さえある、と感じているのはワタクシだけではないはず。

オーデックスさんに一票を差し上げたい。

2001 クロ・ド・ヴージョ フレデリック・エスモナン

2017-12-17 19:02:02 | ワイン
このドメーヌはジュブレイ・シャンベルタンに特化したドメーヌと聞いていたが、先日の『パパジイ』にこのワインが登場して、いささかビックリした。
ヴィンテージは2001年物で、保存状態が良ければシッカリとしたブルピノを楽しめるはずだ。

飲んでみると、思ったとおりのクラシックスタイルで、堅牢なタンニンと濃密な果実があって、香りは正しく本流のブラッキーなニュアンスで満ち溢れている。
これをブルピノ以外のピノとは誰も言わないのだろう、それほどクラシックな造りということだ。



100%除梗し、低温のマセレーションを4日ほど行ない、最高でも32度Cで2週間の発酵を完結させる。
樽熟成は14ヶ月で、一級以上は100%新樽で行われるとの事だ。

当時の造りが今も続けられているかは分らない。
が、そうだとすれば、比較的コスパの良いこの造り手あたりを、ササッと買い込むようなエエ若いもんが居れば、この町も救われるとも思うのだが。
さてさて・・・

またしても『コブ』にやられた!

2017-12-14 19:52:18 | ワイン
『コブ』たって、アタマに石をぶつけて出来るアレではない!
ソノマ・コーストにある最高のカリピノを造り上げる醸造所のことである。

これだけワインを飲み込んでくると、金を貰っても教えたくないワインが幾つかある。
これは前にも書いたかもしれないが、その一つがこの『コブ』なのだ。



それは何故かと言えば、おそらく十数万円は下らないであろう名だたる造り手のブルピノ・グランクリュをも凌駕する、素晴らしさがこのワインにはあるからだ。

ソノマ・コーストの『ライス・スピヴァーク』、その2008年物。
10年の熟成期間で複雑な香りが更に花開いたようだ。

それはまるでラベンダーの花畑に迷い込んだかのようでもあり、シルクロードの隊商がアジアのスパイス市場に行き着いた知らせのようでもある。
果実はあくまでも繊細でエレガンスを湛え、キャッチーなニュアンス満載でフィニッシュを迎えてくれるのだ。

これをブルピノのようだ!と言ったら、『コブ』様に申し訳ないが、実際そうなのだからショウガナイ。
よくぞ13.5%のアルコールに抑え、これだけの品格をこのワインに与えたものだ。

2008 コブ ピノ・ノワール ライス・スピヴァーク・ヴァインヤード ソノマ・コースト

見つけたら、すぐにでも買いに走れ!