The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2003 光 甲州 シャトー・ルミエール

2018-12-24 18:42:22 | ワイン
これはニッポンワインに興味をもち始めた頃に買い置いていたワインの一本。
自宅セラーの下段の隅っこに入っていたのを先日見つけて、発作的に開けてしまった。
なぜ開けたのか?と聞かれても理由は無い。
でも敢えて言うなれば、その時にこのワインの製造に関わっていた人こそドメーヌ・オヤマダの小山田さんということだから。
そのドメーヌ・オヤマダのワインこそ今最も気になっているニッポンワインの一つということなのだ。

見よこの鼈甲色!





濃密にエキスが満ち溢れる酒躯。
カンロ飴、黄桃、蜂蜜、蜜蝋、そして微かな漢方の香りが続く。
甘くとろりとして、余韻も後ろ髪引かれるもの。

これは言い過ぎになるかもしれないが、熟成したオー・ブリオン・ブランのようでもある。

ニッポンワインも待ってみるもの!
改めてこのワインでそれを感じた。

2015 マコン・ピエルクロ アン・クレジー ギュファンス・エナン

2018-12-23 17:20:35 | ワイン
ジャン・マリー・ギュファンスの白ワインの凄さや際立ちを経験している者にとって、さてじゃあ今はどうなっているのか?という欲求は、常に付きまとうのも当然だ。
それだけ彼の造りは想像の上を遥かに越えている。

マコン・ピエルクロは1979年に初めて彼がマコンに購入した畑で、ここがスタート地点であり、同氏にとって思い入れのある畑とのこと。
そしてアン・クレジーとは、それだけクレイジーで変態ということであり、どうやら彼の愛称とのことである。

飲んでみると、説明するまでもなく2015年も素晴らしかった!





何が他のマコンと一線を画しているのか?
それは繊細で端正でありながらも、並外れて張り詰めたようなミネラルであり、隙間無く精緻に詰め込まれたエキスなのだ。
ともすれば、それは名うての造り手のピュリニー・モンラッシェと見紛うばかり。
そのスタイルは今も昔も変わってはいない。
ここで語るのもなんだけど、はたしてこの造り手の見事さを、どれだけの人が知っているのだろうか?
ナチュールを飲んで、ニッポンワインを飲んで、ガストロノミック的には納得するけれど、このワインを飲んで感じ取れる戦慄のようなものは、ほぼほぼ感じることは無いといっても言いすぎではないのだろう!
それを飲んだその日は、そんな原点回帰の一日にはなった。

2012 ロエロ カッシーナ・フォルナーチェ エンリコ・カウダ

2018-12-20 23:41:32 | ワイン
凡そロエロと言えば、マテオ・コレッジアと来るわけだけれど、サント・ステファーノ ロエロに自然派の物凄い造り手がいた。
先日上の橋のいつものイタリアンで、この表題のロエロを飲ませてもらった。
2008年に父の畑を引き継ぎ、2011年にファースト・リリース。
ということは、このワインの造り手は駆け出しも良い所。
それが目を見張るほどの見事さで、そこいらのバローロも形無しなのだ。
その日は2013年のヴィンテージの自根の葡萄を混ぜたヴァルドヴァートも並べて飲ませてもらって、いかにカッシーナ・フォルナーチェのロエロが凝縮している物であるかを目の当たりに出来た。







その迫力たるや、並みのロエロではない。
オーガニックの畑の耕作に、ビオディナミの調剤を取り入れて、不耕起、無肥料を踏襲す。
醸造はナチュラルと言えば在り来たりなのだが、その徹底振りは他を寄せ付けず、いわゆる何も引かない、何も足さない。
そして出来たワインが、ファンファーレを鳴らさんばかりの、目の詰まった、果実味全開なのだ。
山形村の短角牛を炙っていただいて、まさしくココは極楽浄土!



そう思ったのは、もちろんワタクシだけではなかったはず。
月に何度かイタリアンに通い、こんな瞬間をいつも待っている。
ブルとボルだけの時代はこうして終わって行くのだとも感じている。

2015 モンテリー・ブラン コント・ラフォン

2018-12-13 16:22:28 | ワイン
昨日のパパジイのタケちゃん出展ワイン、なので、もちろんブラインドで登場した。
飲んで即座にブルゴーニュ・シャルドネだとは分った。
レモンイエローの色合いで、色濃くはない。
酸味が壮麗で秀逸、果実はスタイリッシュでミネラリーでタイト。
相当名うてのプイイ・フュイッセあたりなのでは?と思った。
なぜソウ思ったか?というと、自分が持って来たヴェルジェのマコンがあまりにあまりだったので、まさかの出展カブリか?と勘違いしたのだ。

ここでタケちゃん、ヒントを一つ。
赤もあるけど、白は珍しいし希少なはずと・・・
ここで誰かが白は珍しくないはずのルフレーヴと言うも、タケちゃん間髪いれずに、ドメーヌ・ルフレーヴの赤は引き抜かれて、シャルドネが植えられたとの情報を披露。
まあその情報はブラインドには無関係だったけれど、ルフレーヴで近くなったと言う一言で当方閃いた!

コント・ラフォンと言ったら、それがご名答だった。
しかもモンテリーと付け加えたら、それも当たり!

モンテリーにはレ・デュレスという赤があったはず。
そして極めて珍しいブランがあったのだ!



モンテリーのテリーをテープで隠せば、モンラッシェと見紛うというジョークも飛び出て、正しくオモローな出展ワインとなった。



ブラインド後、モンテリーの香りは更に勢いを増し、レモンプディングやイエローチェリーの様相を見せ始める。
果実はオイリーに濃度を上げて、酸味の下支えは絵に描いたように的確なものとなった。

ありふれた言葉で〆てしまえば、さすがコント・ラフォン!と言うことになる。
常套句も思わず使わざるを得ないこのワイン、お見事!

2002 ニュイ・サン・ジョルジュ クロ・デ・コルヴェ キュヴェ・アルモニ プリューレ・ロック

2018-12-08 18:11:38 | ワイン
さてこの至宝と言える価値のこのワインを、今までに何回ご相伴になったのであろうか?
そしてむしろ、これから死ぬまでの間に飲めるチャンスがあるのであろうか?

先ごろ亡くなったアンリ・フレデリック・ロック氏の至上最高にして、間違いなく看板キュヴェなのだろう。
そのワインは16年の歳月をして、より一層赤いバラや凝縮したベリーの香りが際立ち、その味わいは生体親和性が加速し、ジワジワと舌に染み入るようでもある。

特別キュヴェのキュヴェ・アルモニ。
この意味は飲んでいる人にだけ分かり得ること。
それは我々には知るよしもないコジトのオーナーご夫婦の歴史に寄り添う、最高にして劇的な唯一無二のブルゴーニュ・ピノ・ノワールだからである。



ビオディナミはもちろんのこと、アンリ・ジャイエよろしくミルランダージュの実を選別して成し遂げた奇跡のニュイ・サン・ジョルジュ!
今ここで健康体で飲めたシアワセ・・・

色々な意味で感謝の言葉を忘れてはいけないのだと思う。
返す返す、ありがとさんでした。