The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2000 ジュブレイ・シャンベルタン ラヴォー・サン・ジャック ドニ・モルテ

2016-09-30 22:56:42 | ワイン
昨晩のパパジイのメインを張ったこのワインは、ドニ・モルテ自身が絶頂を極めている時代のものだと思う。
しかしながら僅か5年後に、ドニは我が身の命を自ら絶つことになるわけだけれど、そのことは我々の賛辞とは裏腹に、ドニ自身は悩み抜いていた時代でもあった事を意味する。

2000年というブル・ピノではやや難しい年に、実に濃密でしっとりとした内実のあるジュブレイが出来たのだ。
加えてラヴォーはドニ・モルテにおいて、いわゆる宝物とも言えるプルミエなのだけれど、実際飲んでみて、そのワインの際立った果実の凄まじさは、火を見るより明らかだ。





その日は『90’ニュイ・サン・ジョルジュ レ・ザロー ルモリケ』に続き、チョイ熟成のブルピノの楽しさをダブルで味わうことが出来た。
それにしても、熟成の高原部に届いたドニのラヴォーの色気のある香気や、シルクタッチの果実は飛びぬけている。
それを思うと、2006年の元旦に、なぜにそのようなことが起らねばならなかったのか?かえすがえす残念でならない。

その後の息子アルノーのラヴォーを飲んで思うのは、スタイルは違えど、そこはかとないエレガンスの裏打ちは、やはり親子なのだなということだ。
今は代替わりに、ドニの面影見つけて飲むのも一興!
ましてや、このタイミングで2000年を拝めたのは、実にありがたいことだと思った♪

お月見用のワインと言われたけれど・・・

2016-09-29 17:14:08 | ワイン
今年の十五夜は9.15だったわけですが、何をとち狂ってか、昨晩のパパジイのテーマはお月見用ワインとのことだった。
ここに来て天候不順な日が続き、お月見なんてもってのほかなわけだけれど、ワタクシ以外のメンバーはテーマを忘れてはおらず、それなりのラインナップが並んだと、とりあえず言っておこう。(笑)
しかしながら、どういう意味でお月見用なのかは、にわかには分からず、それでも心持ちによってはその気分になれるわけだ。
で、並んだワインはこんな感じ↓





ラスマエの『90’ニュイ・サン・ジョルジュ レ・ザロー ルモリケ』はワタクシが持ち込んだものだけれど、そのココロはお月見用ではなく、秋たけなわのワインということだったのだ。





それでも、終わってみて今思うのは、テーマは外れたようで、ビミョウに外れてはおらず、コレはコレでよかったようだ。
それにも増して、このワインは在りし日の二丁目の香り漂うワインの内の一本と言えるものだ。
飲むほどに、このようなダイナミズム溢れるクラシックな造りのブルゴーニュを飲み明かした日々を思い出す。
その意味において、このワインこそ好き者ワイン族のオジサン達の琴線を刺激するに余りある一本だと言えるのではないか。

さてさて、いずれにしてもトリのドニ・モルテのラヴォー00’まで、気ままな持ち寄り厳選6本!
The Wine Heatの皆様には、どのように映ったのか?

詳しくは、追って報告いたします、では・・・

東京⇒京都⇒滋賀

2016-09-23 22:55:22 | ジャーニー
先の3連休の一人旅の点描です。
最後は台風に追いたてられての帰還でしたが、概ね雨には祟られず何とか快適に旅してまいりました。





念願の京都は河原町通りの丸太町の世界の肉好きが集合する『ル・キャトル・ズィエム』にもお邪魔♪
木下牧場さんの牛ランプ熟成肉をひまわり油の最高温で一気に揚げ焼きしたパリの名店セヴェロスタイルに舌鼓。
それをヴァケイラスのナチュールで流し込むこの至福・・・よござんした!





そしてヒトミワイナリー、ヤマソーとカベソーが摘み取り前で、翌々日の台風が気になるところでしたが、上手い事切り抜けたようです。



そんなこんなでの小旅行、あと何年こんなことが出来るのか?とも思うのですが、そのための体調管理だと勤めて歩くわけだ!
何をおいても健康が一番ですね・・・
では!

2002 ポマール レ・ソシーユ ジャン・マルク・ボワイヨ

2016-09-22 11:57:45 | ワイン
もう来週には次のパパジイが始まろうという時に、先のパパジイの、このワインの紹介とあいなった。
本当はすでに投稿すべきネタは数多くあるのだけれど、ともかくこのワインは紹介しないでおくわけにはいかないのだ。
で、実はこのワイン、すでに一昨年の正月に同じヴィンテージの同じアペラシオンのものを飲んで、このブログにも載せていたのだが、この2年弱の間に更に華麗なメタモを遂げていて、ブルゴーニュの規範となるべき姿になっていたということは、まず言っておく。



説明するまでもなく、ここのドメーヌはソゼの3分の1を相続し、いわば白の造り手として名を馳せてはいるが、赤についてはメリハリのあるヴォルネイや剛健なポマールと言う程度の評価だった。
でもそれは熟成をする前に、飲み終えているゆえの評価であって、今回の02’のようなヴィンテージでさえ、10数年の待ちによって極上のピノに仕上がってくるということなのだ。

ポマールのリュジアンは今少しの待ちがよいだろう。
ソシーユは骨組み堅固なガチピノの風情の中にも、果実のとろみを感じ、その香りにはソヴァージュやスパイスやフェロモンのニュアンスが見て取れる。
それはブルゴーニュのワインのうちニュイのグランクリュの一部でしか見られない、崇高な佇まいであり、ましてや新大陸のピノへの迎合など微塵も無い!
すなわちワタクシどもブルゴーニュ族はこれを期待し、この姿を待っているのだ。
なにしろこれがソシーユなのだ、と言う事実はシッカリと胸に刻んでおきたいと思うのだ・・・

2015 ウィンディ・コテージ ピノ・ノワール パトリック・サリヴァン

2016-09-15 15:04:37 | ワイン
飲んだあとに、あれこれとワイン・ダイヤモンズの一派についての情報は入ってきてはいるが、情報が無い状態でこのワインをサクッと飲んで、まず思ったのは実に旨いワインだということだ。
そして恐らくこのワインはピノだとはまず間違いなく思うのだろうけれど、はてオーストラリアのビオのピノだとは思うのだろうか?
それくらいピノとして真っ当なスタイルのワインだということだ。







で、そうなると、もしこのワインがブルゴーニュだとしたら、どのレベルに感じるのか?という、これは一つのワイン遊びなのだが、すなわちACなのか?ヴィラージュなのか?プルミエまでゆくのか?ということを自問してみると、ワタクシはプルミエ・クラスのレベルだと確信している。
それくらいニュアンスに富み、香りにはある種の色気と熟成感を感じ、テクスチャーのしなやかさと深みは目を見張るものがあるのだ。

漏れ聞く話では、ウィンディ・コテージは完全なるオーガニック畑として転換してから3年目に突入したのだが、この2015年はヤラ・ヴァレーにたびたび発生する霜害によって、悲劇的な収量減になり、例年の約半分以下となったとのことだ。

そんな年でありながらも、驚きのマッタリとした成熟ピノを造り上げたパトリック・サリヴァンは見事と言うしかない。
このワインは食事が終わって、ユルリとワインだけ、しかも少しイイモノを飲みたいという、ツレの要請があって出したところ、いつもは厳しい飲み手の絶賛を勝ち得たのだから、その出来映えは想像できると思う。

さらにまた、ここのワインを追い求めてみようと思っている今日この頃だ。