The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

NV シャンパーニュ スーティラン グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン

2018-01-05 05:53:20 | ワイン
年末のワイン放談会に出されたこのシャンパーニュ。
アンボネイのレコルタン・マニュピュランで、3星のレストランにもオン・リストされているとのことだ。

ブラン・ド・ブランではあるが、10.8gのドサージュで甘みとエキスを調整し、ものの見事にバランスをとっている。
それはクリュッグ的でもあり、泡が消えればモンラッシェ的でもある。



綺麗な泡と濃密なイエロー。
ミネラリーな立ち上がりから僅かにグレープフルーツのニュアンスをみせ、そこに摩り下ろしたリンゴ、マンダリンオレンジ、煮詰めたアプリコットとあまやかな果実の香りが続く。
そして待てばナッティーでブリオッシュの片鱗をも見せうるのだ。
しかっりしたボディの味わいとフレッシュな果実味のバランスは特筆もので、歴史あるメゾンの特級をも凌駕するイキオイを持っていると見た!

ヴァレリ・ルオー女史の力量をここで見たり。
追い求めたいシャンパーニュの一本を、またしてもタケちゃんに教えてもらった。

2012 ヴィレッジ・オブ・ティアーズ ルーシー・マルゴー

2018-01-04 22:10:13 | ワイン
ワインはワタクシが持ち込んだものだけれど、さて中味は何ともはや分らずじまい。
挙句の果てに、確かサンジョベーゼにソーヴィニヨンなんちゃら・・・などと、不正確極まりないデータを教えて、皆に飲ませてしまった。

で先ほど、ネットで各方面のデータを漁っていたら、『ヴィレッジ・オブ・ティアーズ』というワインであることが判明したというわけ。
そして何とピノ・ノワール100%のワインだったのだ。



ともかく、自然派らしくアルコールは抑えられているのだが、そのエキストラクトは半端じゃなく。
ラズベリー入りのブーダン・ノワールにでも食いつくような、鉄分と血液の気配がする。
そこに骨格を支える茎っぽさと酸味の見事さに目を見張らされるも、タンニンは穏やかで甘くトップリと融けているのだ。
梅やトマト、それにアプリコットのジャムが続いて来る。

何だろうか、ブルゴーニュの少し雑菌でも混入したグラン・クリュのようでもあり。
ブレット気味の70年代のボルドー・グラン・クリュのようにも思えると言ったら言いすぎだろうか?

いずれ神秘的な不可触領域のワインであることは、火を見るより明らかであるけれど、また飲んでみたい欲求を鎮めることも難しい。
さて、どうしたものだろうか?コマッタ、コマッタ!(笑)

2001 ラディコン オスラヴィエ フォーリ・ダル・テンポ

2018-01-02 12:14:46 | ワイン
『フォーリ・ダル・テンポ』、この意味は『時間の概念を超越している』ということなそうな。
なるほど、この香り、この色合い、そして飲むというよりは、あえて舐めることで、この感覚は理解できる。

この造り手のオスラヴィエは、正しくオレンジワインの代名詞なのだが、その色合いの深みや独特のニュアンスは他の追随を許さない。
それはオレンジと言っても、単にオレンジではない。
何と表現したらいいものか?例えば『アンポ柿』?そんな感じなのだ。



そんなワインをグラスに注ぎこみ、一口舐めることで、唯一無二の味わいに驚かされる。
それは中国古来の漢方や、シナモン、そして陳皮など。
待てばマルメロ、黄桃、僅かに干し柿、飲みきったところで大地の風味を感じ取れるのだ。

そしてその味わいは、丁寧な所作によって作られた和風だしの滑らかさが一方であり、もう一方では奥行きのある果実の生き生きとした力強さがある。

この造り手の前当主渾身のこのリゼルヴァこそ、彼の最後で最高の贈り物と言っても良いのだろう。
市場にはまだ見つけられそうなので、ともかくあったら四の五の言わずに買いに走るべきだと思う。