最近、これまでに読んだ本を再読することが多い。昨日からアーノルド・ミンデルの『うしろ向きに馬に乗る』を読み直している。病気に直面した今こそ、彼の本を読み直す意味があると思った。
『うしろ向きに馬に乗る』は、プロセス指向心理学のワークの逐語記録でもあり、彼の本のなかでは読みやすい。ミンデル入門としても最適だ。
読み返して驚いた。さっそく、一昨日書いた夢をより深くから捉える助けとなるような一文に出合った。
「うしろ向きに馬に乗る」とは、日常的な意識のあり方を裏返すことの比喩である。それは、たとえば病気に対して「とんでもない」と言いながらも、一方で「しかし、これは何と興味深いのだろう」と言うことを意味する。
「普通、死は恐ろしいと思われていますが、うしろ向きという異端の考え方では、死が何かを教えてくれると捉えることもできます。‥‥苦しみに対して『嫌だ』と行って何を試しても効果がないときには、苦しみに『なるほど』と言ってみてください。そうすると、トラブルが何か面白いものに変化して、喜びにあふれ、笑いをこらえきれなくなるかもしれません。」
一昨日触れた夢の説明で「その道の両側は私にとっては異端的で少し怪しげなオカルト的な様々な教えの展示場所になっている。私は、変なところに紛れ込んだなと感じながらその坂を下りきる」と書いた。しかも、私はその降りてきた坂を再び登っていった。日常的な意識にとってはいとましい「異端」の世界を、異端的に逆戻りしているのだ。
プロセス・ワークは「世界に対して今起りつつある出来事の可能性を見抜き、何かが展開しようとしている種子として世界をとらえる」ことだという。私にとって脳梗塞は、可能性に満ちた種子なのかもしれない。
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きっとそうだと思います。
僕もミンデルの著書は好きで、何冊か読みました。
実際のプロセスワークも1度だけ体験したことがあります。
起きてくるあらゆるものは、全て「シグナル」であり、そのシグナルそのものになってみる、体を使ってシグナルになりきった状態を表現してみる。そこで想起してくる新たなイメージも、その意味がわからなくても、そのまま、全て素直に表現し続けてみる。
そこで、そのプロセスの中で、はっとその意味性に気づく。とにかく「感じる」という注意を継続するワークでしたので、かなり疲れましたが…
そんな取り組みでした。
基本的にはヴィパッサナーと変りないですが、そこで感じたことを積極的に肯定し、意味を見出す、というところが違いでしょうか?
たとえば。noboruさんも、脳梗塞の時に感じた感覚に深く沈潜し、そこで生じてくる新たなイメージや感覚にどんどん気づきを入れてみると、何か面白いことを発見するのかもしれませんね。
さらに、周囲の様々な出来事も含めて、それが「自分のアイデンティティを手放していくプロセス」を促す「シグナル」となって現われるということです。大切なのは、それに注意し、自覚にもたらすセンス。素晴らしいですね。
日記に書いた私の夢も、私の身体の兆候と一体となって、私に大切なことを語りかけてきているのだと思います。
その時の奇妙な経験を未だにうまく言葉にできないでいますが、今回Noboruさんが引用しておられるミンデルの言葉にとても心を動かされました。それで、許可もなくNoboruさんの言葉とミンデルの引用を、自分の拙ブログに引用させていただきました。
どうぞ、くれぐれもご自愛くださいますよう。
また、ブログも拝見させていただきました。うれしく思いました。マリアさんのご病気の体験に比べれば、私の場合は本当にささやかなものです。それでも読ませていただき、さらに自分自身の中で深く納得していくのを感じました。
合宿中に脳梗塞の兆候を感じ、病院で検査し、入院という流れの中でも、ほとんど不安感はなく、心はとても静かでした。それが最近の夢やミンデルの言葉や、さらにまりあさんのブログで、さらに納得されていくような感じがしています。
大切なことは、病気からの、このささやきかけを、日常の生活や意識のなかにどのように生かしていくかだと思っています。
「はだしのゲン」も含めてブログにリンクしていただいていることも、ありがとうございます。