「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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僕が「福島エートス」を無価値と思う理由。エートスの安東量子氏が竹野内真理氏刑事告発という異様な展開。

2014-01-30 00:06:56 | 福島第一原発と放射能

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あすから新潟に行き、福島からの避難者とお話をすることになります。いろんな意味で、楽しみにしています。ウクライナ報告会は明後日です。

その前日に、こうした報せが入ってきて、僕は些かびっくりしましたが、この話は、福島エートスという存在について僕がどう考えているのかを伝えるためにもよい事例だし、いろんな意味での注意喚起をする目的で書いておくことに致します。

まず、僕は「福島エートス」に関して、実はあまり発言していません。

これには理由がはっきりあります。

エートスの大半は、ICRP的な立場を言うだけで、その上で福島に留まらせたいという話をしている以上でも以下でもなく、そういうことをしている人々と基本的な議論も成立しません。

そもそも、こういう大して中身のないこうした代物に、簡単に飲み込まれる人達は、おそらく心地よい気分で騙されたい人々だと思うのです。働きかけている側と働きかけられている側は、ある意味で共謀共同正犯的なフレームの中にあります。汚染地では起こりやすい現象です。

こういうものにいきり立って対抗しても鵺の様なもので、俯瞰して視れば、その正体は自ずとあきらかになる話。こういうものに血道をあげて攻撃するよりも、避難移住が如何に意味が大きく、状況を好転させるのかという話を説いた方が良いとしか僕には思えません。中身もなくてつまらないエートス言説の確認も、特に率先してしたいと思いませんし、そもそも首都圏などでそうした言説に囚われて思考が歪んだ人は、かなり少ないと認識しています。

ある意味、ヤラレル方の問題ではないかとも思っています。こんなものに飲まれる人が悪いと思っているんです。

しかもそうしたエートス運動の人間のうち、余程の立場や大物でないと、その個人に対して、異議申し立てする意義もメリットも、そもそも皆無だと僕は思います。有効性もないし、一般人は知りません。エートスを有名にするだけです。


そして、僕は、安東量子氏について、これまで特に考察しようとさえ思ったことがありません。

 今回、安東氏はあの竹野内真理氏を刑事告発したらしいです。侮辱罪という話。侮辱罪というのは事実の適示に関わらず、侮辱されたと考えられる場合に成立可能性はあります。外形的には法的な合理性はあるようにもみえます。実際に、福島県警は事情聴取をおこなうことを言ってきているそうです。

 普通ならば竹野内氏言説の内実精査がポイントの筈なのですが、それ以上に今回は、事が民事訴訟でなく、いきなり刑事告発という展開になり、僕はかなり疑問を持ちました。

 普通、法的には、警告書送付⇒民事訴訟⇒刑事告発と比重が違ってきます。いきなりの刑事告発は面妖です。もしも仮に、竹野内氏の安東氏への言説が事実無根で酷くても(僕はその詳細は知りません)、ふつうのこの類のトラブルが、まず刑事告発される話として日本の法的感覚ではありません。こんなことで、刑事告発するなら、僕は毎日毎日、刑事告発しないとなりませんから。
 つまり、事前に別の法的なやりとりがないと、非常に奇異に感ずるのです。本来であれば、侮辱されたと感じる言説の内容精査が大切なのですが、いきなり刑事事件としての展開なら、そういうことは色あせます。刑事的に訴えたこと自体が、マイナスになりかねない。安東氏のサイドでこういうことに注意を向け、忠告する人はいないのでしょうか。弁護士はどうなのでしょうか。不可解です。
 被害を訴える側にとって、法的手段をとることが、自分に利益があるのかどうかが、法的に動くかどうかの基準となります。僕なら、このケースでは、民事はありえても、刑事はやらない話、そのレベルではありません。

 

しかし、こんなバランス感覚も双方には伝わらない気がします。


 要は双方ともやりすぎている気がします。こういう場合は、一方だけがまずいとは言えません。不毛な話です。

 但し、少しだけ疑ってみているのは、この刑事告発が果たして安東氏個人の意志のみで行われたことなのかということです。これがもっと違う立場から、思わぬ狙いを定めて行われた事象であるなら、事態は違う様相になります。意義も出てきます。その場合、ある種の見せしめ的な刑事告発の可能性も絶対にないとは言えません。これは現段階では分かりませんが、エートスという鵺の様な運動体の構造を考えると、絶対にないとは言えない気がします。この観点は欠く訳にはいかないです。

 もしも、こうした構造的な刑事告発である場合(勿論分かりませんが)、被曝回避の大きい流れから孤立していて、言説が攻撃的で、バランス感覚がなく、尚且つ法的な面などのいろんなガードの甘いタイプがターゲットになりやすいと認識します。これは、要注意です。他山の石です。

僕が考える、今回の教訓はこうなります。

〇事実関係の確認が不十分なのに、相手に極端に攻撃的な言説を吐かない。

〇相手が実名で、社会的に強い立場の人間でなければ、より配慮が必要。政治家や経済人、大学教授、マスコミなどの強い立場に対しての記述を、そうではない立場の人に対しては、やらないように心掛ける。

〇常に名誉棄損などの判例動向なども踏まえて、書き方に細心の注意を払い、事実関係については確認作業というプロセスはおこなう。

〇お互いの当事者以外で、社会的な見地から判断して、バランスが取れるような記述になっているのか吟味する。

〇事前に味方となりうる人間たちとの関係を社会的に正常にしておく。そういう人々から嫌われて孤立したら、大きな相手側のターゲットになりやすい。孤立していると攻めやすいのは、三国志の頃から変らぬ真理。

こんなところだと思います。昔からのエートスという全体構造については、フランスから僕に届いた文章の過去記事を参照してください。チェルノブイリでおきていたことも踏まえて、エートスへの否定をきちんと説いています。

 

「汚染された生を拒否する日本の方々への手紙」というフランスからの連帯。貴女は避難をどう考えますか?

 しかし、琵琶湖畔に高濃度汚染木材チップを放置した元官僚が、いまだに県からは刑事告発はされず、一方、富山ガレキ反対のママたちも市長側から刑事告発されて、事情聴取はされている。そして今回のこの刑事告発。

刑事告発が鏡となる2014年初頭の日本。

なんだかなあ。


 

 

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 福島避難者が明日金曜日に新潟開催!

 

【1/31(金) 木下黄太 ウクライナ報告会 IN 新潟】  

日時  2014年1月31日(金) 9:15開場 9:45開演  

場所  新潟市江南区文化会館音楽演劇ホール アスパーク亀田(亀田総合運動公園)内 

      日本海東北自動車道 亀田I.C.から5分 新潟バイパス紫竹山I.C.から10分

    無料駐車場完備 バス停「アスパーク亀田」下車すぐ(・カナリア号・江南区区バス)
    託児あります(要申込み 保育室、和室を借りました。可能な限り対応致します) 

 参加費  予約された方⇒1000円(福島からの方、避難者の方は500円) 

     予約なしで当日⇒1200円(福島からの方、避難者の方は600円) 

 申込・問合せ先  ukrainereport_niigata@yahoo.co.jp 08052291203(もうぎ) 

 メールでお申し込みください。参加者全員のお名前と予約席数、連絡先明記。福島からの方、避難者の方はその旨も明記を。

  申込ホームページも開設⇒http://ur2014.wordpress.com 

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 こくちーず予約となる270席が満席になり、ある意味でプレミアチケットになった2/15(土)開催、三田医師とのジョイントトーク in 等々力。

 (⇒こくちーずでは満員)

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