「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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被曝回避で母子移住した女性が、1年経過して正社員になるというシンガポール避難事情。

2015-08-12 08:57:25 | 福島第一原発と放射能

【「東京にいる身近な20代前半女性が、悪性リンパ腫になりました」】

『2015年真夏 木下黄太の大放談(3)』
【 福島第一原発処理を国家管理で行う可能性 】
【 汚染企業は100年続かなくても、汚染被害は1万年続く 】

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国外避難移住先として当初から人気が高かったのはシンガポールでした。
2011年に、まずこの地へ逃げた人は、投資家など、シンガポールの経済的なメリットを利用するタイプの方が多かった気がします。
今回は、一年前に避難移住した女性からの報告です。
被曝回避で意識が強かったのに、一定期間都内に留まられていて、一年前に決断してシンガポールに移住されました。
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こんばんは。ご無沙汰しております。
日本の情勢を見ていたら、私がこんな呑気なことを書いていいのやら?とメール出来ずにいました。
でも、先日移住先を探しているという方からTwitterでご連絡があり、知りたい方がいらっしゃるのが分かりました。
以下、まとめてみました。
 
 
SG(シンガポール)に移住し、早1年が経過しました。
SGは、日本人にとってとても生活しやすい国だと思います。
こちらでの生活について、ご報告です。
 
 SGの在留邦人は、外務省が6月22日に発表した2014年10月1日時点で3万5,982人で、前年同期比15.9%増加でした。駐在員が、大部分を占めるのは確かですが放射能が理由で移住された方もいらっしゃいます。
 
 もし、SGに母子移住を考えるのでしたら子供の学生ビザを取得出来れば、母親はガーディアンビザが貰えます。また、今は働くことも可能ですので子供が学校に行っている間にパートタイマーで働くといいと思います。
私も、去年はパートタイマーで働き、今年は正社員になりました。
 
 働いてみて分かったことは、日本には無い働きやすさがあります。
 まず、多民族、多宗教、多言語国家ですが、日本よりも男尊女卑はなくほぼ平等。
 また、MCと言って入院の必要がない場合は年間14日、入院が必要な場合は年間60日の病欠が認められています。だから、医者に行くとすぐにMCは何日必要か?と聞かれます。日本人は、いらないと言ってしまう人が多数ですがシンガポール人はこのシステムを上手く活用しお休みします。
 そして、幼児がいる人はMCとは別にチャイルドケアというお休みが認められています。
国の政策なので、誰に気兼ねする事なく働く人の権利ですからそれを上手く活用する事で仕事も円滑になるのでは思いました。
 
 ちなみに、産休は普通4か月です。
計画&無痛分娩が主流なので、体力回復が早いそうです。そして、ナニーやメイドをすぐに雇え保育園にもすぐに預けられるのがSGのいい所です。日本の様に待機児童は、聞いた事がありません。
朝、子供を預け保育園では昼食、おやつ、夕食を食べさせ、シャワーを浴びせ19時にお迎えしあとは寝かせるだけだそうです。
共働きが普通のSGですので、そういうところは行き届いています。
 
 治安についても、本当に安全で夜に子供が一人で歩いていても大丈夫です。もしかしたら日本より安全ではないかと思うくらいです。
 
 水については、WHOの基準をクリアし日本同様に水道水が飲めます。ただし、フッ素が入っているので気になる人は水を買っています。
 
 食については、スーパーで何でも手に入ります。欧米人も多いので、西洋の物から日本の食材まで普通のスーパーで手に入ります。
野菜は、中国、マレーシア、インドネシアが多いです。シンガポールは、国土が狭いので基本的に全てが輸入品になります。
 
残念なのは、放射能検査をしていなくても日本食材の輸入解禁になったことです。
私が、移住した頃は日本食材は九州のものばかりでしたが最近は関東のものも見かける様になりました。お菓子なども、沢山輸入されています。シンガポールは、情報規制をしているので福島の現状や放射能汚染については一切報道されないので皆さんご存知ありません…。
 
  居住については、本当にピンきりで住む場所、広さなどにより違いますが東京の家賃より高いです。でも、値段は下がってきています。日本で言う、マンションに当たるコンドミニアムは日本人の多い所はやはり高いです。
 
 また、室内は床やバスルームが御影石を使っているおうちが殆どです。
その為、室内の放射線量は高めではあります。自然放射線ですが、今のところ体調面で悪くなる事は一切ありません。
東京にいた頃の方が、アレルギーの悪化、喉の不調など色々ありましたがこちらに来てから誰一人として熱を出すこともなくみんな元気です。倦怠感や偏頭痛、突然の睡魔に襲われることも一切無くなりました。
 
 保育園や幼稚園、学校は、幼稚園までならローカル校にすんなり入れます。しかし、小学校からはシンガポール人が優先で空いた所にしか外人は入れませんし、もし入れたとしても学校は選べません。ですので、小学校からはインター校か日本人学校になります。
 
 うちは、予算の関係で子供達は日本人学校に通わせています。勉強のカリキュラムは、日本の学習指導要領に沿っていますが日本と違うのはイマージョン教育を実施しているところです。イマージョンは、小学校だと体育を中学部に上がると家庭科、音楽、美術もイマージョン教育になります。イマージョンは、授業の全てが完全に英語で外人の先生です。英語の授業は、少人数制で13段階にレベル分けられていて一人一人に合ったレベルで勉強が出来ます。その為、日本にいるよりも英語は身近で親しみやすいと思います。
 
小学校は、現地校と交流をしてお互いの学校を訪ねその国の遊びや文化を学んだり、お互いの家をホームステイしたりします。また、多民族国家なのであらゆるお祭りについて学び、そのイベントの飾りを作ったりもします。
 
中学部になると、交流している現地校から中国語を教えに生徒が1週間来校します。
課外授業では、1グループ4、5人ですがあるテーマについてシンガポール人に街頭インタビューをし、お昼は各自ホーカー(屋台)などで食べ2時過ぎに各グループごとに学校に戻る。その後、パワーポイントを使いまとめて発表などなど面白い事もしています。
 
 駐在員が多いですので、生徒の入れ替わりも激しいですが生徒同士は男女共に仲が良く、クラス全員で遊びに行ったりしています。
また、去年は憲法改正のニュースが流れた途端にクラスグループでは、憲法9条が改正されたら戦争になるぞ!どうするんだ!などなど子供同士でのディスカッションが数日続いたそうです。
日本にいる友達グループでは、憲法のけの字も話題にならなかったそうですが…。
まあ、シンガポールは日本軍の占領下にあった土地ですので子供達はそういう話題にも敏感なのかな?とも思いましたが。
 
移住して、心配なのは友達関係とかでしょうが何処の学校も出入りが多いのですぐに打ち解けお友達が出来るそうです。
 
海外移住は、不安がつきまとうかも知れませんが、地震は無いですし、何しろ食材の不安が無くなりストレスフリーになりました。
 
 今の日本は、不安要素が沢山ありますので海外移住も視野に入れている方がいらっしゃれば参考になると幸いです。
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彼女は都内でのバンダジェフスキー博士講演などにも手伝ってくれていた方で、そうした現実対応能力は高い方なのですが、只避難移住するだけでなく、シンガポールでもトライアルして1年で「正社員」という立場を勝ち取っている状態です。

シンガポールという経済的にまわっているエリアは、やはり避難場所としてコストが掛かっても、リターンも多く得られる構造があるということが分かります。これは個人個人の能力差が問われますが、避難移住ということは、経済的に自立可能性が自分にどうあるのかを見極めることが一番肝要ということです。これは海外ばかりでなく、国内でも同様のことが言えると思います。

おそらく最大懸念は、この国は情報統制が厳しいこと。後で、思わぬ形で引っかかることが出るのかもしれません。

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富山開催は来週、チェルノブイリの映像報告も致します。

【8/22(土)木下黄太 講演会 in とやま】 

 「福島原発事故から4年5ヵ月 子どもの未来のために今、私たちができること」 

  8月22日(土) 13:00開場 13:30~16:00 

  富山県民共生センター「サンフォルテ」 307号室(富山市湊入船町6-7 富山駅北口より徒歩10分) 

  会場カンパ:1,000円(資料代込み) 

  事前申込み⇒ai0noigs@ty2.fitweb.or.jp

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 リアル・セッション

 【9/5(土)夜 「福島で白血病は本当に多発しているのか?」 IN 世田谷】

 節目である丸5年を半年前にした今秋、福島県からの報告者(県内避難者)を招き、現地でおきている状態に関して、皆さんに伝えます。 あまり語られない白血病の実態。そしてチェルノブイリなどとの比較は? 被曝による健康被害を追い続ける木下黄太のトークを交え、最新情報とのリアル・セッションで、お届けします。 

現地からの報告:木幡ますみ氏(福島県民 県内避難者) 

9月05日(開場:18時15分、開催時間:18時45分~20時45分)

奥沢区民センター 第一会議室(自由が丘駅徒歩9分、奥沢駅すぐ、世田谷区奥沢3-47-8)
定員 100人(先着順)

申込み&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/325194/

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