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【矛盾する原子力学会】「福島の年被曝量世界平均以下」⇔「放射線の影響を受けない為、免疫力を高めよ」。

2015-08-04 15:18:08 | 福島第一原発と放射能

http://www.minyu-net.com/news/news/0802/news7.htmlより。

福島、世界の水準以下 専門家が年間被ばく量を解説

日本原子力学会は1日、郡山市で、除染の現状や低線量被ばくを考えるシンポジウムを開き、専門家らが放射線の健康への影響などを解説した。
 このうちルイ・パストゥール医学研究センター(京都)の宇野賀津子インターフェロン・生体防御研究室長は放射線の健康影響について解説。宇宙や大地などから受ける自然放射線による年間被ばく量は、世界平均で2.4ミリシーベルトだが、福島市の、ある保育園での測定値から算出した年間被ばく量は、原発事故由来分を含めても世界平均の2.4ミリシーベルトと同水準か、下回っていたことを説明した。また、免疫学が専門の宇野室長は、放射線の健康影響を受けないために免疫力を高めることが重要と強調。そのためには「生きがいを持つことなどが大切」と語った。

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あまりに暑くて、僕の頭が働かなくても、この短い記事に書かれていることは、矛盾しかないとわかります。

これは、推進側のシンポジウム、原子力学会のシンポジウムらしいですから。

しかし、こんな矛盾を垂れ流す、新聞記者や新聞社デスクの感覚は理解不能です。

この記事の根幹は下記。

A 「福島では放射線による年間の被曝量は世界平均以下です」

B 「放射線の影響を受けない為に、免疫力を高めよ」

A⇔Bが、矛盾するのは、自明です。

放射線による年間被曝量が平均以下というなら、放射線の影響を考慮して話すことが、そもそもおかしいです。

シンポジウムで話す必要は、そもそもなくて、終了でしょ?

勿論、彼らの言う、外部線量評価が妥当なのか? 内部被曝の考慮は? 疑問は尽きません。 

そして被曝によって免疫が下がることは、チェルノブイリでも強く指摘されている話なのですが。。。

そこで、「放射線影響を受けない為に免疫力を高めよ」という指示をします。

なんか前後関係が矛盾しています。そして、遂に、「生きがいを持て!」と言います。

おいおい、まてまて。自己啓発セミナーか、これは?

日本原子力学会は、学会と呼ぶべきところなのか?

日本の学会とはそもそも何か?という疑問も強く思います。

なお、このルイ・パストゥール医学研究センターの別のメンバーは、ある週刊誌取材に、こう答えています。

NHKが放送したチェルノブイリ関連番組、その中で、「スウェーデンで少数民族サーメ人のがん死が34%増えた」という内容についてです。

「番組では事故後1~4年の間、がん死が増えたというが、放射線被曝でがんを発症した場合、発見できる大きさになるまで平均25年かかる。強制移住や食料制限などでストレスが増加し、免疫力が低下したため、すでに進行していたがんが急速に悪化したと考えるほうが現実的です」(週刊ポスト2012年3月9日号)

この人たちは、いろんなアクシデントがおきた場合に、固形ガンや血液疾患が実は数年で発生しているというような指摘が、アメリカでも為されていることも、認識はしていないようです。

全てをストレスと片付けます。

とにかく原発事故後に、こうした主張を繰り返されている研究所であることが、とてもよくわかります。

なんなんだ、この馬鹿馬鹿しさは。

原発事故をおこした責任があるはずの推進側。そうした中核である連中、原子力学会によるシンポジウム。

しかし、どこまでつけあがるのだろうか、この連中は。

まだ事故から、4年しか経過しないのに、原発破局の責任を、彼らが本当に感じていないことは、こんなシンポジウムを開催していることからも、本当によくわかります。

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30代の福島第一原発作業員が、突然に亡くなったそうです。

死因は不明ですが、これだけ暑く、しかも過酷な環境下では、思わぬことがおきると思います。

僕のメールマガジンでも指摘しているとおりに、福島第一原発の処理現場は、厳しい状態が続いているだけですから。これからも、そうした「思わぬ死」は、多いと思います。

そして或る意味では「想定された死」ですから。

 

【廃炉作業どころか、さらなる大規模放射能汚染の可能性も】

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【福島では手のつけられないモンスターが未だに火を吹いている】

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