俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

ビール税

2014-10-30 09:53:10 | Weblog
 ビール・発泡酒・第3のビールの税率が見直されるそうだ。マスコミは今のところビール類だけの税率改定であるように報じているようだが、これは意図的なのか無知に基づくのかは知らないが誤報だ。チューハイ類も必ず見直される。勿論、増税されるということだ。
 第3のビールはビールの一種と思われ勝ちだが種税法上では「リキュール類」に属する。だからアルコール度数9度以下のチューハイと同じ税率が適用される。350mlの第3のビールの税額がチューハイと同じ28円であるのは偶然ではなく必然だ。第3のビールの税率を上げるためには混成酒類に含まれる「リキュール」の税率を上げねばならない。第3のビールとはリキュール類の内、ビール風味の飲料を指す。つまりこの両者は同じカテゴリーに含まれるのだから常に同じ税率になる。
 私は酒税見直しの本丸はチューハイの税率を上げることではないかと疑っている。しかしいきなりチューハイの増税を言い出せば国民の反発を食らう。だから増減税を同時に行うということにしてビール類の見直しに見せ掛ける。厚かましくも、本物を優遇して食文化を高めるといった論法まで使う。ビールは下げて第3のビールは上げるというタテマエだから、痛み分けであるかのように国民は誤解する。ところがビール類では痛み分けであっても、チューハイは一方的に値上げされる。国民の目をビール類に向けさせて、ドサクサに紛れて増税する。
 これは勝手な憶測ではない。そうしなければ酒税法上、整合しないからだ。発泡酒は麦芽比率25%未満のビール系飲料だが、第3のビールは元々、味が似ているだけのリキュール類に過ぎないからだ。エンドウ豆などを原料とするビール以外の飲料だ。サッポロビールの「極ZERO」が第3のビールから発泡酒に変更されたのはビールに近い製法だったからであり、全然違う製法の第3のビールは、その他の雑酒である混成酒類(リキュール)にしか分類できない。
 もしチューハイの税率が据え置かれたら新たにビール風味のチューハイが作られるだけだ。これでは低税率の第4のビールが生まれるだけだ。そんなことを財務省は許さない。従って第3のビールが増税される時にはチューハイも水割りもハイボールも増税される。
 低価格品の愛好者は低所得者が多い。逆進性があると言われる消費増税よりも遥かに露骨な弱者いじめだ。しばらくは猫を被っていた自民党だが、そろそろ強者を助け弱者を挫くという本性を剥き出しにし始めたようだ。

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