「月には豚がいる」と大学生時代の彼は主張した。彼は狂人ではない。今では大学教授になり、学者としてNHK教育テレビにも出るほどの聡明な人物だ。
彼はこう主張した。「月に馬がいる可能性を50%とする。猫がいる可能性や犬・猿・パンダがいる可能性も50%とすれば、何らかの動物がいる可能性は1-(1-1/2)(1-1/2)(1-1/2)(1-1/2)・・・=1=100%となる」ということだった。
勿論これはジョークで論理と確率が好きな私をからかったのだが、この論理は根本的に間違っている。
①可能性の意味
可能性は決して1対1ではない。サイコロで1が出る確率とその他の目が出る確率は当然ながら1対1ではない。1対5が正しい。それと同様に「ある」と「ない」も対等ではない。月に馬がいる可能性は1兆分の1以下であり先ほどの数式は1-(1-1/1兆)(1-1/1兆)(1-1/1兆)(1-1/1兆)・・・≒0となる。
「3つ目の動物が存在する」という可能性はゼロではない。しかし現実的にはそんな動物は存在しない。「可能性がゼロではない」と「可能性がある」を混同するのは確率のイロハも知らない人だけだ。
②生命が存在する条件
馬がいない場所にはロバもラバもいないだろう。原始的な生物さえいない場所に高等動物がいる筈が無い。このように生命が存在する可能性は独立ではなく相関性を持つ。
生命が存在するためには様々な条件を満たすことが必要だ。空気や適度な温度や水などが必要とされる。宇宙では地球とは全く違った生命の「可能性」があるが、月に原始的な生命さえ存在しないと分かった時点で高等動物が存在する可能性はゼロになる。従って月には豚もパンダもいないことは自明となる。
彼はこう主張した。「月に馬がいる可能性を50%とする。猫がいる可能性や犬・猿・パンダがいる可能性も50%とすれば、何らかの動物がいる可能性は1-(1-1/2)(1-1/2)(1-1/2)(1-1/2)・・・=1=100%となる」ということだった。
勿論これはジョークで論理と確率が好きな私をからかったのだが、この論理は根本的に間違っている。
①可能性の意味
可能性は決して1対1ではない。サイコロで1が出る確率とその他の目が出る確率は当然ながら1対1ではない。1対5が正しい。それと同様に「ある」と「ない」も対等ではない。月に馬がいる可能性は1兆分の1以下であり先ほどの数式は1-(1-1/1兆)(1-1/1兆)(1-1/1兆)(1-1/1兆)・・・≒0となる。
「3つ目の動物が存在する」という可能性はゼロではない。しかし現実的にはそんな動物は存在しない。「可能性がゼロではない」と「可能性がある」を混同するのは確率のイロハも知らない人だけだ。
②生命が存在する条件
馬がいない場所にはロバもラバもいないだろう。原始的な生物さえいない場所に高等動物がいる筈が無い。このように生命が存在する可能性は独立ではなく相関性を持つ。
生命が存在するためには様々な条件を満たすことが必要だ。空気や適度な温度や水などが必要とされる。宇宙では地球とは全く違った生命の「可能性」があるが、月に原始的な生命さえ存在しないと分かった時点で高等動物が存在する可能性はゼロになる。従って月には豚もパンダもいないことは自明となる。