夕方、NHKのニュースを見ていたかみさんが、読書していた私に、わざわざ言いに来た。「囲碁は、脳の前頭葉を活性化するにはとてもいいゲームなんだってよ。でも、パパみたいにインターネットでやっているのはダメなんだって。相手と向き合ってやる囲碁がいいらしいよ。」 このニュースは、9時少し前のニュースでもう一度流れていた。囲碁教室に通っている小学生が実験に参加し、光トポグラフィという装置を使い、赤外線を使って脳の血流の状況を測定して、対局中の脳の働きを調べたのだそうだ。実験は、東北大の川島隆太教授らの研究グループによるものらしい。
私は、休みにの日に2局か3局くらい、インターネットで囲碁をする。テレビゲームをやったことがないせいか、まだなれないけれども、まあ、成績は勝ち負けが五分五分の状態だ。つまり、半年ほどやったけれど、ほとんど進歩していないということになる。ネット碁では、対局の勝ち負けでポイントを取ったり落としたりして、その結果一定のポイントを取れば、昇級・昇段することになる。その辺は、コンピュータの計算ですぐ結果は出るのだが、あがるためには勝ち越さなければならない。同じであるということは、棋力があまり上がっていないということになる。
後ほど、ネットでNHKニュースを調べてみたら、「囲碁で脳の前頭前野が活発に」という記事があった。
実験には、囲碁教室に通っている9人の小学生が参加し、赤外線を使って脳の血流の状況を測定する光トポグラフィという装置を使って、対局中の脳の働きを調べました。その結果、創造性や感情抑制などをつかさどる大脳の前頭前野といわれる部分に血液が多く流れ、対局中は、この部分が強く働いていることがわかりました。前頭前野の活動は終盤よりも序盤や中盤が活発で、難しい局面になると活発になる傾向があったということです。また、パソコンでコンピューターソフトを相手に対局した場合は、碁盤を使って人間と対局した場合に比べて活動の程度が低いこともわかりました。
ひょっとしたら、私の棋力が伸びないのは、ネット碁しかしていないからかも知れない。現在、プロ棋士たちは大抵、ネット碁をしているし、ここで勉強もしている。しかし、彼らはもちろん、現実の対局も沢山こなしている。これは、将棋の世界でも同じで、今の若い人たちはほとんど、囲碁や将棋の勉強はパソコンを使ったり、インターネットを使ったりして鍛えてきたらしいが、それだけで強くなったわけではなく、現実の対局のための勉強として、そうした機器を使っているわけで、ネット碁だけではダメなのかも知れない。
研究グループは今回の実験結果を詳しく分析して、前頭前野の中でも何にかかわる部分がより活発に働いているか調べることにしています。東北大学の川島隆太教授は「囲碁を打つことで、前頭前野が強く働くことが初めてわかった。特に人間相手にコミュニケーションしながら楽しんで打つとより効果が高いこともわかり、教育に生かすことができるのではないかと考えている」と話しています。
ここでのポイントは、「人間相手にコミュニケーションしながら楽しんで打つ」ということが大切だと思われる。これがなぜなのかは、私にはよく分からない。同じことは、おそらくいろいろなゲームについても言えるに違いない。つまり、ここでは暗に、インターネットやパソコンでのいわゆるテレビゲームについても、ある意味で同じことを言っているように思われる。囲碁や将棋だけではなく、ほかのゲームもインターネットやパソコンで行われている。それらのゲームも本当は、目の前に相手がいて、コミュニケーションをしながらできたらきっとそれなりに前頭葉を活性化させるのかも知れない。
川島隆太教授が脳の働きに効果があるというと、それなりに皆がなびくところがあるので、ひょっとしてまた囲碁の流行に火をつけることになるかも知れない。しかし、本当は、囲碁だけではなく、いろいろなゲームについて調べるべきだと思う。もともと、ゲームというのは、頭を使うものだ。つまり、人間の脳の方がゲームに適していると言うべきかも知れない。そもそも、人間の脳がゲームを発明したのであって、多分自分の脳の働きに似せて作ったに違いない。人間以外の動物はゲームなどしないと思われる。前頭葉が働いているというのは、いわば脳がゲームをしているといってもいいかもしれないのだ。もちろん、脳が働かないゲームもあるのかも知れないが。
いずれにしても、前頭葉を働かし脳を活性化させるためには、パソコンやインターネット相手のゲームより、人間相手のゲームの方がいいというところは面白い結論だと思う。おそらく、人間相手にゲームをするときは、私たちはすべての感覚を使って情報を仕入れている。つまり、身体全体で感じ、考えているともいえる。それが、本当のコミュニケーションなのだと思う。モニターの向こう側には、だれがいるのか、本当は私たちには、分からない。ひょっとしたら、私たちの相手は、単なる機械かも知れない。相手が人間であるかどうかは、多分、私たちが身体全体で関係したときにしか分からないのだと思われる。身体全体で関係したときには、ほとんど直観的に相手が人間だと了解されるのだと思われる。
というのは、ソフト相手の対局のことですよね。インタネット経由で人間と対戦する「ネット碁」なら、碁盤と碁石を使った対局と同じように、「囲碁で脳の前頭前野が活発に」なるんではないでしょうか?
確かに「パソコンでコンピューターソフトを相手に対局した場合」というのは、非常に曖昧ですが、私の考えでは、ネット碁の場合も含まれるのではないでしょうか。
もちろん、ゲームソフトそのものよりは、いいのかも知れませんが、ネット碁も、大きくは、「パソコンでコンピューターソフトを相手に対局した場合」と同じように思われます。
問題は、脳が活性化するのは、現実の対局の場合、すべての感覚を使って対局をしているというところが味噌だと思います。また、相手と言葉のやりとりをしたり、表情を読んだりしたりという活動も大事だと思われます。
川島さんは、料理をしているときとか、家族が揃って、話しながら食事をしているときなども、脳が活性化していると述べていますので、色々な脳の機能を同時に使いながらゲームをすると言うところが大事のような気がします。
また、ネット碁では碁が強くならないということではないと思います。
この辺は、本当はもう少し詳しくわかるといいですね。
PC上で詰碁の練習するのも実に有益かつ面白い その日の自分の体調や頭脳の調子がわかる 結論:インターネット碁も前頭前野をそれなりに使っている 使い方次第でもある 小生80歳