こってぃ(鷹翔千空)のバウに行って来ました。今年初観劇
バウは3年ぶりくらい楽しかった~、やっぱりバウホール好き
改めまして、こってぃバウホール初主演おめでとうございます
そして生駒怜子先生バウホール公演デビューおめでとうございます
タイトルとポスターのイメージから深刻で難解な話なのかなと、身構えて行きましたが
ほっこり可愛くて、観た後に爽やかな印象が残る作品でした。
夢の中の世界を描いた作品は、宝塚に限らず色々な媒体で多くの作品があります。
今回の作品はファンタジーな部分もありますが、意外と地に足が付いているというか、
現実世界に生きる「僕」が少しずつ成長していく姿が、初々しくて良かったです
年齢設定はイマイチ不明(お衣装の感じから学生?ですかね)で、
こってぃはどちらかと言えば大人な役の方がハマるタイプではあるんですが
ネタバレありますよ。
「僕」が毎晩のように見る悪夢に出て来る黒い影、がダンサー集めました!感があって
キレッキレのダンスを見せてくれてカッコ良かったです。
そこから「彼」が現れて楽しい夢の世界に連れ出してくれるんですが、その世界がホント楽しくて
何と言ってもモフモフの羊さんたちが可愛すぎ曲もフリも可愛くて混ざりたくなる気持ち、わかります
夢の住人たちは様々な白のお衣装で、広がりのある空間でわちゃわちゃしてて、
現実世界は対照的に色彩があり、お洒落な花屋のセットでリアル感を出していました。
「彼女」が働いている場所が花屋なのも、色彩がより華やかで無機質とは正反対な世界を表現できるからかなと思います。
そして思春期真っ盛りな感じで自信が無く屈折して惑っている現実世界の「僕」にとっても、
彼女がいる場所は鮮やかで明るくて彩に満ちていて、まるで別世界に見えていたんじゃないでしょうか
葛藤を抱え、友だちもいない「僕」は雨の日に傘を借りたことから、「彼女」に思いを寄せるんですが、
声を掛けることはおろか傘を返しに行くことも出来ずに悶々としている
夢の住人たちが「僕」を勇気づけ、夢の世界で練習させることで現実世界の「僕」も、おたおたしながらも少しずつ前に進めるようになります。
「彼女」をめぐる人間関係、花屋で働く店長と店員のフランク、モニカとの関係性がきちんと自然に描かれていて、
彼女と僕が親しくなっていく過程も丁寧に描かれていたのが、等身大の青春って感じで良かったと思います
「僕」が悪夢を見る事で「彼」は僕を見つけてくれて、夢の世界と現実の間を行き来するんですが、
僕と彼女の関係が近づいていくにつれ、いつも楽しそうな「彼」の顔がふと曇るようになり、
気が付くとお気に入りの景色のいい場所に一人でいたりする。そしてそこにはドアがあるんですよね
次第に悪夢を見なくなる「僕」。
ポケットには目が醒めても夢の中でのことを忘れないようにと「彼」に貰った花が入っていて、
彼女に枯れかけたその花を生き返らせることが出来ないか訊きます。
すると彼女はその花、マーガレットの花言葉は「私を忘れないで」だと教えてくれるのですが。
幕間での友人との会話は「彼」が一体誰なのか、どういう存在なのかの予想大会
二幕への楽しい導入になりました。
そして現実世界の「彼」にたどり着くまでが、なるほど!そういうことね
と納得できる描き方でした。
NOW ONを見て行ったんですが、ゆきのくん(亜音有星)が「ヒロイン」は私だから、とドヤってた意味がわかりました
ひばりちゃん(山吹ひばり)も負けてませんでしたけど
ただ終わり方を考えると相手役は「彼」だよねと思えるくらい大きな存在でした。
可愛い感じの本編とは打って変わって、がっつり「タカラヅカ~」なフィナーレが付いていて、
ゆきのくんが先に、こってぃとデュエットダンスを踊ってましたし、
タカラヅカニュースの突撃レポートでも、ゆきのくんだったのでやっぱり相手役は「彼」でしょうね
ただヒロインというには扱いが薄すぎる作品も多い中、主人公「僕」の恋の相手として間違いなく、
ひばりちゃんがヒロインとして存在していましたちゃんと素敵なデュエットダンスもありましたし
こってぃ初主演のバウ公演なので当たり前ですが、下級生が多かったです。
前の本公演ハイローの時の新公で、主な配役に入ってた子たちはほぼこちらで目立ってました。
中止になった期間もありましたが再開出来てホントに良かったです。
モニカ役の朝木陽彩さん、お芝居も良かったですが、最後の影ソロも素晴らしかったので
この公演で卒業されるのはちょっと惜しいなと思ってしまいました。
明るい未来が訪れますように。
生駒先生のデビュー作品、ストーリーも無理くり感が無く観る側にきちんと伝わる描き方でしたし、
セットやお衣装も良く考えられていて、派手なインパクトは無いかもしれませんが好感が持てました。
次回はどんな作品を作ってこられるか楽しみにしていますよ。頑張ってくださいね