なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

守りたい。カリガネソウにミヤコミズ

2020-09-23 05:20:47 | 植物

知人より聞いて以来、ずっと気になっていた、府内某所のカリガネソウ自生地に行ってきました。
最初に行ったのは9月上旬。
中旬には例年ほとんど花が終わっていると聞いたので、急いで向かいました。

山地の渓流沿いや林縁に生えているとのことでしたが、山道に入る手前の川沿いでいきなり群生を発見!
これは大いに期待できそう。


ということで薄暗い山の中に足を踏み入れます。
歩いても歩いても何もありません。本当に咲いているのでしょうか?
いい加減だらだら坂道に嫌気がさしてきたころ、辺りに特異なにおいが漂い始めました。
ひょっとして、この匂い・・
当たりです! 
付近にはいつのまにかカリガネソウの株が現れ、ぽつぽつと花を咲かせていました。




株は大きく、蕾が沢山付いているのですが、花はまだまだこれからといった風情。
こんな感じ・・・


今年は猛暑と少雨のせいでしょうか。いつもと勝手が違うのかもしれません。


リベンジを心に誓って、この日は自生地を後にしました。

さて、二回目訪問の結果をお見せする前に、カリガネソウのお勉強~
シソ科カリガネソウ属。
山野草として販売もされ、しいちゃんのお宅では沢山広がって咲いているということですが・・・
自生地は非常に限られており、京都では準絶滅危惧種に指定されています。
花弁は「二唇形」。上に二枚、下に三枚の花弁があります。
パッと見目立つのが下唇中央のびろんと前に突き出した部分。
まるでしゃくれた顎みたい。
カリガネソウという名前は、雁が飛んでる姿といいますが、似てるかなあ??
一番目立つのは、誰が見ても蕊ですよね。
で、花の姿を帆掛け船に例えて、「ホカケソウ」という別名もあるそうです。

おっと、写真も見せずに説明長すぎ!
四連休を利用して、また行ってきました。
花の造りをとくとご覧くださいませ。


今度は前よりは咲いていましたが、それでも植物園などで見られるような「一面青紫」にはなりません。


風情ありますよね~
でも暗いし、ゆらゆら揺れるし・・・で写真を撮るのにえらい時間がかかってしまいました。
撮り方によっては、上の写真のように少し青くなってしまうし・・・
実際には、下の写真のように、もう少し紫が強いです。





渓流沿いに咲くとのことですが、日当たりも好むので、こんな場所だとなかなか咲かないのかも。
少し上流山側に咲いていた株は、日当たりがいいからか、背が高く花付きも良好。
(一回目に行ったときの最後の写真の株がこんなに立派に咲いていました)


カリガネソウは小さい花ですが、大きな蜂が止まって蜜を集めます。
その時、湾曲した蕊が大きくしなって、蜂の背中に花粉が付きます。
その花粉が別の花にとまったときに、同じく湾曲した柱頭につくという次第。
うまく出来てますね~
一度だけ蜂が止まるのを見ましたが、確かに背中に葯がくっついてました。
で、下の写真ですが、もうすっかり花粉が出尽くした後と思われる花。
柱頭は開いていますね。


ちなみに、臭気が強いため、シカはカリガネソウを食べないそうです。
ただ、周辺、草刈りのあとがありましたので、相当数のカリガネソウが咲く前に刈られたかもしれません。
綺麗な花が咲く前はただの雑草にしか見えないので難しいですね。

長々とすみません。
で、実はこれで終わりではないんです。
この付近で見かけた小さい白い花。とても地味で、花の感じからイラクサ科と目星をつけました。


結構広がっていますが、普通のイラクサ科と比べてとても小さく、たとえて言えばヤブコウジくらい?


帰ってからググってみたら、なんとミヤコミズ(イラクサ科ミズ属)という植物のようです。
京都府南部で発見されたから「ミヤコ」と名付けられたそう。
分布が限られており、なんと絶滅危惧種!
地味な花ですが、がんばって山道歩いたご褒美をもらった気分です。

京都にもまだまだ希少な植物が残っているようです。
守るために私に何ができるでしょうか・・・

【撮影:2020/9上旬~中旬 京都府】


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様です~ (なつみかん)
2020-09-23 22:05:06
さざんかさん、こんばんは。
お疲れのところ、コメントに来てくださってありがとうございます!

カリガネソウ、三陽メディアにもあるのですね。
ポイント押さえてますね~
臭気については、今年咲き始めの群落に出会うまでは全然気づいていませんでした。
匂いのですタイミングがあるのかもしれませんね。
でもそのおかげで鹿よけになるのですから、面白いです。
昔たまたま匂いの強い株けが生き残ったのかもしれませんね。

ミヤコミズは名前が分かって良かったです。
名前の分からない植物がPC内には沢山残っています(笑)
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形が楽しい (なつみかん)
2020-09-23 22:01:32
ダリアクミコさん、こんばんは。
貯水池での連日の撮影、お疲れ様です。
その粘りと、結果としての素晴らしいお写真に、日々驚嘆しています。
こんどはコウノトリですか@@
コウノトリは、前に城崎温泉に行ったときに、保護地でゆうゆうと過ごしている家族をみたことがあります。
大きくて美しい、猛禽類とは別の魅力がある鳥ですよね。
投稿楽しみにしています!

カリガネソウの群生地ももし見られたらきっと感動されると思いますよ。
場所は心無い人の盗掘をさけるため、公表はされていませんが、偶然発見したらものすごくテンション上がると思います^^v
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普通にある! (なつみかん)
2020-09-23 21:57:57
ピエロさん、こんばんは。
ピエロさんのご近所では、普通にカリガネソウが咲いているのですね!!
やはり自然の豊かさが違うのでしょうね~
水も滴るような場所が好きなようなので、今年のように8月に雨が少なかったら、生育が悪いのかもしれませんね。
こんな場所がずっと残っていて欲しいものです。
種は京都府立植物園で見たことがあります。

ミヤコミズは典雅な名前が付いていますが、見た目はただの草にしか見えません。
これが絶滅危惧種なんて、きっと誰も気づかないと思います。
ちょうど花が咲いていたので気づきましたが、なるほど、ミズの花に似ているのですね。
山菜のミズ、一度食べてみたいものです。
(最後は食い気・・・笑)

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同感です! (なつみかん)
2020-09-23 21:53:40
fukurouさん、こんばんは。
私も全く同感です。
開田高原のように沢山咲いていたわけではありませんでしたが、それでもキャー!でした。
もうちょっと日当たりがよかったらどんどん咲くのでしょうね。
それでも、そのおかげで長く楽しめそうな感じです。

匂いについては、fukurouさんは分からなかったとおっしゃってませんでしたっけ?
私の印象では、1回目、ほとんど咲いていない時の方が匂いが強かった気がします。
蕾が膨らんで咲き始めたら、あまり気にならなくなりました。
でも相当な臭気でしたよ・・・

アケボノソウの群落もいいですね!
見てみたいです~
返信する
カリガネソウ (さざんか)
2020-09-23 21:51:05
なつみかんさん、こんばんは。
出かけていたので遅くなりました。

カリガネソウは山陽メディアでしか見たことがありません。
独得の臭気がありましたっけ。
気付きませんでした。
とにかくチャーミングな花で大好きです。
花粉が出尽した状態の花は初めて見せて頂きました。
こんなに群生しているなんて素晴らしいですね。

絶滅危惧種のミヤコミズを見つけられて良かったですね。
イラクサ科と分かるなんて、流石は勉強家のなつみかんさん、凄いです。
絶滅しないように守るには、どうしたらいいのでしょうかね。
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難しいですね~ (なつみかん)
2020-09-23 21:49:59
attsu1さん、こんばんは。
このカリガネソウの生え方をみていると、絶滅危惧になるのが不思議な感じですが、なかなか自然界は厳しいようですね。

あちこちの植物園にあるのは、ちゃんと育てたら育つということでしょうね。
そんな環境がどんどん減ってきているのが心配です。
保護活動をしている地域もあるようですよ。
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カリガネソウの群生~ (ダリアクミコ)
2020-09-23 19:12:48
なつみかんさん今晩は!
ご無沙汰しております。
カリガネソウの群生は見てみたいです、
今が最盛期なんですね~
ミヤコミズは山菜のミズのように食べられるの?

ここの所連日猛禽類が出始め貯水池に~
コウノトリまやって来ました、1日に切るシャッター
3000枚超えます、整理して投稿したいと
思いますので宜しくお願いいたします。
返信する
今が最盛期? (ピエロ)
2020-09-23 12:39:26
なつみかんさん こんにちは!
カリガネソウの群落があったんですね。
でも花が咲く前に刈り取られていては中々花を見ることが出来ない事もあるのね。
今が花の時期なのですね。
こちらはもう種になっています。

そしてミヤコミズ 京都で見つけられたからミヤコがついているんですね。
こちらでもイラクサ科ウワバミソウ属のミズ(ウワバミソウ)ミズがありますが
これは食用の山菜です。毎年食べています。
花は小さく同じですね。
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京都府内に自生地が (fukurou)
2020-09-23 08:24:57
なつみかん様
おはようございます。
京都府内に自生地があるのですね。
この花の群落に出会うとテンションマックスです。
今年開田高原で初めて見つけて、飛びあがりました。
もう今は種子になっています。
今日はカリガネソウの種子を撮りに行こうと思っていたところです。
京都府だったと思いますが、川久保渓谷でアケボノソウの大群落を見つけたときも、テンションマックスでした!
返信する
おはようございます^^ (attsu1)
2020-09-23 08:15:24
カリガネソウ、大好きな花の一つです、
この自生地の群生は、凄いですね(@_@)

私の知っているカリガネソウは、ホームグラウンドで
育てているもの、昭和記念公園の花の苑地で見るもの
どちらも、自生では無く、管理地にあるものだけです。(あとしいちゃんのお庭ですね😉)
逆に、いかに少ないか分かります。

それでも毎年見ることができ、楽しくなる花ですね😉
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